「最優秀新進男優賞“のさり”ました！」藤原季節 主演映画「のさりの島」関係者へ高らかに宣言

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「第13回TAMA映画賞」授賞式が11月21日（日）に東京・府中市の「府中の森芸術劇場どりーむホール」で行われ、役所広司、菅田将暉、尾野真千子、有村架純、藤原季節、金子大地、伊藤万理華らが登壇した。※受賞作品順。

本年度最も⾶躍した俳優、もしくは顕著な活躍をした新⼈俳優を表彰する「最優秀新進女優賞」と「最優秀新進男優賞」。「最優秀新進女優賞」を受賞したのは、伊藤と三浦透子。

「サマーフィルムにのって」などに出演した、伊藤は、「素晴らしい賞をいただいて。実直に感動しています」とあいさつ。

「今後取り組みたい役はありますか？」と質問されると、「年齢の振り幅が大きい役をやってみたいです。今25歳なんですが、『サマーフィルムにのって』では学生役をやったり、見た目にとらわれないような、小学生からおばあちゃんまでを演じられるようなことが出来たらと思います」と回答。

今後の抱負を尋ねられると、「10年前の15歳のときにこの世界に入って、初めて映像作品に出演したときに、『私はこれから、映像作品や映画に関わっていくんだな』という、ときめいた感覚があったんです。その10年後にこうして賞をいただけたことが嬉しいです。映画を未来につなげていけるような役者として頑張っていきたいです」と笑顔で語った。

「ドライブ・マイ・カー」などに出演した三浦は予定により欠席となってしまったがVTRで、「この度は『最優秀新進女優賞』に選んでいただきありがとうございます。自分はとても恵まれているな、と日々実感しています。そして、役者として約20年、関わることのできた作品の一つひとつが、今の私を導いてくれていると思います。感謝申し上げます。これからも丁寧に素直にお芝居に向き合っていこうと思います」とコメントを寄せた。

「最優秀新進男優賞」を受賞したのは、金子大地と藤原季節。

「サマーフィルムにのって」で凛太郎役を演じた出演した金子は、「未来人を演じたので違和感があったんですけど、現代に溶け込む姿を何とか表現できればと思い演技しました」と振り返った。

今後参加してみたい作品について、「地元が北海道なんですけど、大好きな場所なので北海道を舞台にした素晴らしい作品を残したいと思っています。道民なのでそれが強くあります」とコメント。

「のさりの島」などに出演した藤原は、「『のさりの島』という映画は都内や全国でも、そんなに上映館が多いわけではないのですが『TAMA映画賞』が見つけてくださったおかげで、これがいい追い風になれば、と。この映画を見つけてくださって本当に感謝します」と頭を下げた。

続けて、「『のさり』というのは、よいことも、そうでないことも、天からの授かりものである。僕にとって、不運さえも天からの贈り物という意味のある、熊本地方に伝わる方言です。自分の今の境遇が天からの授かりものであるという考えで、そこからどのように生きていくのか考えさせてくれる、壮絶な歴史を生き抜いてきた人たちが残してくれた方言です」と説明。

さらに、「この賞をいただけたことも、映画に関わった方に出会えたことの、僕にとって『のさり』があると言えます。天国にいる原知佐子さんも、山本起也監督夫妻も、山本組の皆さん、京都芸術大学の学生の方、天草前市長の中村市長をはじめとした天草の皆さん、恥ずかしげもなく言いますが、最優秀新進男優賞のさりました！」とトロフィーを掲げると、会場からは盛大な拍手が起こった。

本作が遺作となった原知佐子さんについて印象を聞かれると「とても素敵な方で、今も（撮影地の）天草に行くと（山西）艶子おばあちゃんがまだ座っているんじゃないかという気になるんです。このご時世なので、撮影が終わってからまだ、天草に行けていないんです。僕も早く原知佐子さんに会いたいなと思います」と語った。

また、サプライズで山本監督がステージに現れると、「『佐々木、イン、マイマイン』『くれなずめ』『明日の食卓』『空白』『のさりの島』と、今年はさながら藤原季節祭りになった。その中の1本を監督しました山本です。このような光景を見れて感動しています。本当に今日はおめでとうございました」とお祝いの言葉を贈ると、藤原は「また一緒に映画を作りましょう」と呼びかけた。

「最優秀作品賞」【本年度最も活⼒溢れる作品の監督及びスタッフ・キャストに対し表彰】
「ドライブ・マイ・カー」（濱口竜介監督、及びスタッフ・キャスト一同）
「あのこは貴族」（岨手由貴子監督、及びスタッフ・キャスト一同）

「特別賞」【映画ファンを魅了した事象に対し表彰】
土井裕泰 監督・坂元裕二氏、及びスタッフ・キャスト一同 （「花束みたいな恋をした」）
横浜聡子 監督、及びスタッフ・キャスト一同 （「いとみち」）

「最優秀男優賞」【本年度最も⼼に残った男優を表彰】
役所広司（「すばらしき世界」「バイプレイヤーズ〜もしも100 人の名脇役が映画を作ったら〜」「竜とそばかすの姫」）
菅田将暉（「花束みたいな恋をした」「キャラクター」「キネマの神様」「浅田家！」）

「最優秀女優賞」【本年度最も⼼に残った⼥優を表彰】
尾野真千子（「茜色に焼かれる」「明日の食卓」「ヤクザと家族The Family」「心の傷を癒すということ 劇場版」）
有村架純（「花束みたいな恋をした」「映画 太陽の子」「るろうに剣心 最終章 The Beginning」ほか）

「最優秀新進監督賞」【本年度最も⾶躍した監督、もしくは顕著な活躍をした新⼈監督を表彰】
藤元明緒 監督（「海辺の彼女たち」）
松本壮史 監督（「サマーフィルムにのって」「青葉家のテーブル」）

「最優秀新進男優賞」【本年度最も⾶躍した男優、もしくは顕著な活躍をした新⼈男優を表彰】
藤原季節（「のさりの島」「佐々木、イン、マイマイン」「空白」「くれなずめ」「明日の食卓」）
金子大地（「サマーフィルムにのって」「猿楽町で会いましょう」「先生、私の隣に座っていただけませんか？」ほか）

「最優秀新進女優賞」【本年度最も⾶躍した⼥優、もしくは顕著な活躍をした新⼈⼥優を表彰】
三浦透子（「ドライブ・マイ・カー」「椿の庭」「おらおらでひとりいぐも」「アイヌモシリ」）
伊藤万理華（「サマーフィルムにのって」「息をするように」）