薬剤師は薬を渡して終わりじゃない！『アンサング・シンデレラ』第2話完全版

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葵みどり（石原さとみ）はこの日も、入院患者が薬をしっかり飲んでいるか、相原くるみ（西野七瀬）とともに病棟を回る。販田聡子（真矢ミキ）に早く調剤室に戻ってくるよう釘を刺されたみどりは、患者と話す時間を少しでも多く作るため、いつもより早足で病室を巡っていく。

右腕の骨折で入院している大宮清（小林隆）の病室へと入ると、見舞いに来ていた篠原麻利絵（大後寿々花）と何やら言い争いをしていた。２人の口論を止めた後、みどりは入院前に飲んでいた薬はないか大宮に聞くが「知らないよそんなこと」と吐きすて、大宮はポーチを持ってトイレへと立ってしまう。

困ったみどりは麻利絵に大宮の最近の体調を尋ねるが、麻利絵もわからない様子。みどりが麻利絵に大宮との関係を尋ねると“父親”だと答えるが何か事情がありそう。

調剤室では、販田聡子（真矢ミキ）が走り込んで来て何やら慌てた様子。販田は薬剤部一同に向かって、厚生労働省の麻薬取締官が医療麻薬の管理調査に来ると告げる。病院で扱っている医療用麻薬が適切に管理されているかの確認のためだ。

刈谷は調剤室にある医療麻薬と帳簿と照らし合い、薬の数が帳簿と合っていることを確認。販田は他の保管状況を調べるため、工藤虹子（金澤美穂）たちを連れ出した。

そんな中、病棟の廊下が騒がしくなる。みどりとくるみが行くと大宮が意識不明で倒れていた。みどりはくるみを調剤室へと帰し、麻利絵と一緒に救急センターの処置室に搬送される大宮に付き添う。処置室では医師と共に瀬野章吾（田中圭）がケアにあたるが、大宮の容態は重篤に陥る。

救命医の豊中瑠衣（臼田あさみ）は麻利絵に大宮の命の危険を告げ、瀬野は服用していた薬を尋ねた。しかし、知らないと答える麻利絵は大宮に会ったのが20年ぶりだと話す。

大宮は麻利絵が幼い時に家を出ていた。麻利絵は5年前に母が亡くしたが、その直前に母から結婚式には大宮に来てもらうよう告げられたと言う。そして、結婚式が決まったため、麻利絵は大宮と会ったが出席はしないと何度も断られていた。

瀬野は親子の事情より、大宮の服用薬が知りたいと麻利絵に迫る。すると、麻利絵は大宮の自宅に行けば何かわかるかもしれないと答えた。瀬野はみどりを麻利絵と一緒に大宮の家に赴かせる。

調剤室に戻ったくるみは、刈谷奈緒子（桜井ユキ）が山口真央（佐藤めぐみ）、礼央（高木波瑠）母子への服薬指導を見る。礼央の薬による副作用を心配する真央だが、刈谷はバッサリと安全性は高いと告げるだけ。くるみは刈谷を処方箋を捌くだけのマシーンと評した。

一方、麻薬管理室を調べていた販田たちは、薬剤の数が足りない事に気づいた。そんな時、麻薬取締官が到着。管理室から消えた麻薬は、荒神寛治（でんでん）が帳簿をつけ忘れたためだと判明する。病棟での急変対応のために用意しておきたいと言う本村医師（吉成浩一）に応えたものだった。

まだ、使用していない可能性があるため、販田はくるみに本村に話を聞いてくるよう頼む。くるみは会議中の本村の元へ行き、まだ薬を使用していないことを確認。スタッフステーションから薬を持ち帰り、ことなきを得た。

その頃、みどりは大宮の家のゴミ箱に薬袋を発見。残された錠剤は割れていたため識別番号がほぼわからない。みどりは薬のかけらを舐めて味を確認しつつ、羽倉龍之介（井之脇海）に残された識別番号に当てはまる薬をあげてもらい、一種の薬にたどり着く。

すぐさま、みどりは瀬野に連絡するが、味だけではだめだと言われてしまう。みどりは大宮が持っていた診察カードの病院に片っ端から電話して、最近通っていた病院を突き止めた。大宮が通っていた病院でカルテを閲覧したみどりは、服用薬を確認して瀬野に伝える。瀬野は瑠衣の判断を仰いで薬を渡し、大宮の容態は安定した。

調剤室に戻ったみどりは、問題だと七尾拓（池田鉄洋）に責められる。勤務中の外出は部長か、副部長二人の許可が必要なのだ。販田は麻薬取締官の対応で忙しく、副部長の瀬野が許可していても七尾は許可をしていなかった。

そこに、瀬野が来て救命医の瑠衣が出したみどりへの服薬指導依頼書を見せる。医者の指示ならば問題ないと言う瀬野に、七尾はみどりのようなやり方をしていたら、そのうち薬剤部は立ち行かなくなると言い、去って行った。

その夜、みどりは販田や刈谷を迷惑をかけたと『娘娘亭』に招待。くるみも来ていた。そこで、みどりは刈谷とぶつかってしまう。刈谷は薬剤部も利益をあげなくてはならず、みどりのように一人の患者に時間をかけてはいけないと言うのだ。納得出来ないみどりに、刈谷は大宮をどうするつもりかと尋ねる。

せっかく時間を割いた大宮も、通院していた病院に戻れば、みどりはケア出来ない。そして、刈谷は席を立ってしまった。そんな、みどりたちの会話を小野塚綾（成田凌）が聞いていた。知り合いのようなみどりと小野塚に、くるみは興味津々。店を出た刈谷は、山口親子と会う。シングルマザーの真央は疲れた様子で…。

次の日、薬を飲まない礼央に手を焼く真央は医師に別の物を処方して欲しいと頼む。しかし、医師は変更を許可しない。調剤待合室で薬が出るのを待つ真央は疲れ切っていた。薬が用意出来たと真央に伝えに行った刈谷は、礼央が薬を飲んでくれないと訴えられるが、いつものように服用の仕方を事務的に伝えるだけ。だが、帰ろうとする真央に、刈谷が声をかける。

刈谷は医師から服役指導が入ったと、買って来たレジ袋をみどりに渡す。山口親子の指導だ。みどりは薬を礼央に飲ませるためには、チョコアイスに混ぜれば良いと真央に伝える。その方法は、真央と同じシングルマザーの薬剤師の先輩から教わったとみどりは話した。指導を終えて戻ったみどりに、刈谷は大宮のためにとことんやり抜くよう促す。

みどりはくるみを連れて大宮の病室へ。通院先の病院でカルテを見たみどりは、大宮が左大腿部骨肉腫を患っていることを知っていた。麻利絵には知られたくなかったのだろうと言うみどりに大宮はうなずき、娘への思いを話す。

そこに、麻利絵が来た。みどりは大宮の話を聞かせたかったので自分が呼んだと言う。激昂する大宮だが、みどりは自分の身を危険に晒すような患者を放っておけないと訴える。すると麻利絵も、もう逃げないで欲しいと大宮への気持ちを吐き出した。みどりは、二人で話し合って欲しい頼んで病室を後にする。

薬剤室に戻ったみどりは、大宮親子に言い過ぎてしまったと凹んでいた。そこに瀬野が来て、大宮が萬津総合病院への転院を申し出たと伝える。担当医は決まっていないが、大宮は担当薬剤師にみどりを指名したと教えた。