おっとりしたイメージのある瀧本美織が、久々となる白衣をまとい、颯爽とした医師役を熱演中。

出演するのは、浜辺美波主演のドラマ『ドクターホワイト』。浜辺が、正体不明ながら、超人的な医療知識で医師たちの「誤診」を見抜き、患者の命を救う白夜を演じ、話題となっている診断医療ミステリーだ。

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瀧本は、勝ち気で人情家の医師・高森麻里亜役。自身が勤務する病院の院長(石坂浩二)の娘で、行方知れずとなっている外科医の兄(毎熊克哉)がいる。

白夜とは幼なじみの狩岡将貴(柄本佑)を通じて知り合い、その能力を認めた父のすすめで、白夜は「総合診断協議チーム」(通称:CDT)に所属。瀧本は、そのCDTのリーダーとして奮闘する。

意外にも、医師役はあまり経験がないという瀧本に、作品の印象や麻里亜の人物像、役柄へのアプローチ、30代への思いなどを聞いた。

<瀧本美織 インタビュー>

麻里亜のブレないところは、「正義感を持って、目の前の患者さんを救うこと」

――『ドクターホワイト』の台本を読んで、どういう印象を受けましたか?

原作を読んでから台本を読んだのですが、原作よりもキャラクター1人1人を個性豊かに膨らませてくださっているという印象でした。私も、どういうふうに麻里亜を膨らませていこうかなとワクワクしました。

実際に、共演者のみなさんが個性豊かにキャラクターを演じていて、現場はとても楽しいです。

物語は、医師免許を持たない白夜が、医師が下した診断を「誤診」だと言って、正しい病名を導き出すのが見どころでもあり、その過程が爽快だなと思いました。

――内科医という役柄についてはいかがですか?

今まで、医師役はあまりやっていないんです。白衣を着るのも久しぶりで。これまでちょこちょこ白衣を着る役はありましたが、医師としてガッツリ着たことはないので、ドキドキしました。

――麻里亜という女性は、どういう人物像だと捉えていますか?

兄が失踪していたり、病院の跡取りとして期待されたり、白夜を押しつけられたりと、身の回りで起きている事や、自分が抱えなければならなくなった問題などで、大変な立場に立たされています。

そういう点で、気持ちが自分の中で堂々巡りしてしまっているところもあるのかな、と。

ただ、ブレないところは、正義感を持って、目の前の患者さんを救うこと。それが一番の使命だと思っています。

次々と振り回されることが出てきて、それによって変化していく部分もあると思いますが、麻里亜がどうなっていくのか私自身も楽しみです。

麻里亜は、感情も出すし、人間味あふれる女性「そこを大事に演じたい」

――白夜は謎多き女性ですが、麻里亜はどう接していくのでしょうか?

麻里亜にとって、まったく経験がないことなので、白夜のような女性をどういうふうに受け入れたらいいのか悩みますよね。

実際、医師の方たちは、プライドを持って診察や治療に当たっているわけですから、医師でもない少女のような女性の言うことを受け入れるのは難しいと思います。

でも、麻里亜は、目の前の患者さんを救うことが使命だと思っているから、白夜が間違いを指摘して、正しい方向に導いてくれることを受け入れられるのではないかと思いました。

非常識な白夜にイラつきながらも、少しずつ信頼関係を作っていけたらいいなと思います。

――CDTでは、麻里亜は他の科の医師たちと水面下の闘いをしています。どんなことを意識して演じていますか?

麻里亜が、がんばってリーダーシップを取ろうとしているのは感じていただけると思います。医者として「この病院を絶対に守る。そのためには、今自分ががんばらないと」という強い気持ちがあるからです。

でも、外科部長の真壁仁先生(小手伸也)たちは、麻里亜のことをお嬢様としか見ていないというのも、すごく感じますよね(笑)。

本人はそんなことを思っていないから、「人には言わせておけばいい」という気持ちではあるんですけど、やっぱり、言われるとムッとしてしまって(笑)。

感情も素直に出すし、人間味あふれる女性だと思うので、その人間らしさは大事にして演じていきたいと思っています。

――幼なじみの将貴を演じる柄本佑さんとの共演はいかがですか?

柄本さんは、かなり先輩なので幼なじみ役でいいのかなって(笑)。でも、柄本さんとのやりとりはすごく楽しいです。

2人の幼なじみらしいシーンも随所に散りばめられているようで、この先、そこも楽しみなんです。

がむしゃらにがんばった20代を経て「いろいろな経験が自分の一部になっていく」

――昨年10月で30代になりましたが、心境の変化はありましたか?

30歳って、そんなに深く考えていなかったのですが、周りからアニバーサリーとしてお祝いしていただいて、やっぱり、大きな節目だなと実感しました。

30歳になって、ちょっと楽になったというか…。自分の思うように楽しんでいけそうな気がして、30代がすごく楽しみになりました。

――20代は大変でしたか?

やっぱり、目の前のことで一生懸命でした。みなさんそうだと思うんですけど、がむしゃらにがんばる時期があって、その後に、だんだん周りが見えてきますよね。そして、いろいろなことを経験していくことで、それが自分らしさの一部になって成長していく。

そして今30代になって、自分を楽にさせる方法がわかってきて、20代の時とは気持ちがまたちょっと違うのかなと思います。

――30代でやりたいことはありますか?

歌とダンスが好きなので、表現する場があったらいいなと思います。ファンのみなさんの前でライブをやったり…。気持ちだけは、すごくやりたい方向に向いています(笑)。

――最後に、視聴者へのメッセージをお願いします。

私たちもまだ知らない大きな謎が水面下で動いているので、その謎を一緒に追いかけつつ、個性豊かな医師のみなさんの掛け合いも楽しんでいただけいたらうれしいです。

メリハリのあるおもしろいドラマです。私たちもよりいい作品になるようにがんばりますので、ぜひご覧ください。

撮影:島田香