堕ちゆく毒母役の長澤まさみを、共演の阿部サダヲが絶賛！「すごいっすね、長澤まさみ。ラストのアップの顔が…」

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映画「MOTHER マザー」の完成披露舞台挨拶が6月15日（月）に都内で行われ、主演の長澤まさみ、共演の阿部サダヲ、奥平大兼（おくだいら・だいけん）、メガホンを執った大森立嗣監督が登壇した。

同作は、実際に起きた事件に着想を得て制作されたもので、男たちとゆきずりの関係をもち、その場しのぎで生きてきた奔放な女性・秋子に長澤が、秋子の内縁の夫となるホストの遼に阿部が扮したほか、祖父母を殺害してしまう秋子の息子・周平役には、16歳の新人・奥平が人生で初めて受けたオーディションで抜擢された。

この日は、東京都が発表した新型コロナウイルス感染症を乗り越えるためのロードマップ「ステップ3」に沿って、会場の座席数を全席数の半分以下に設定。メディアにとっても、約２ヵ月ぶりに開催されるイベントとあって、限られた人数ながらも多くの報道陣が集結した。

登壇した長澤は「久しぶりの公の場ということで、とてもうれしい気持ちです」と笑顔を浮かべ、「もしかしたら、この作品は今年、公開できないんじゃないかと思っていたので、こんな時期ですけどぜひ映画館のほうで、もちろん自分の体調と相談しながら観てもらえたら」とアピール。

阿部は「外に出られることがうれしくなってきた時期で、久しぶりにカメラのシャッター音を聞いて、人と会うのは本当にいいなと。こっちから見る景色は一生忘れないと思います」と感慨深げな様子。

大森監督は「なんとかこういう場までたどり着けてうれしいです。7月3日公開ですが、あとは無事に公開できるようにただ祈るばかり」と話した。

一方、今作が初めての演技挑戦で、舞台挨拶に立つのも初めてという奥平は「すごい緊張するのかなと思っていたら思った以上に緊張しなくて、逆に困ってます」とリラックスした笑顔で大物ぶりを発揮。

そんな奥平にとって阿部は“人生で最初に名前を覚えた憧れの俳優”だと明かし、「小さい頃に『マルモのおきて』を見て、『この俳優さんは誰だろう？』と思って調べたことがあったので、そんな阿部さんと共演できてうれしかったです」と2011年に阿部が主演し、大ヒットしたドラマ『マルモのおきて』（フジテレビ系）の思い出を振り返った。

物語は、シングルマザーの秋子が仕事も育児もすることなく、ただその日暮らしを繰り返しながら堕ちていき、やがてショッキングな結末へと向かっていくヘビーな作品。

出演の決め手を長澤は、「題名にも『MOTHER』とあるように、私自身も母から受けた影響というのがとても大きく、親が子をつくるという事を考えさせられたし、脚本を読んだ時に他人事に感じないという思いが生まれ、演じてみたいと思った」と回顧。

阿部は「今までこんなにひどい人の役はやったことがなく、『ふざけるんじゃない！』と思われる人になりたい、秋子のそばに行ってみたいと思った」とのことから遼役を引き受けたと明かし、長澤との共演には「すごいっすね、長澤まさみという人は。ラストは長澤さんのアップで終わるじゃないですか。あの顔が怖くて、印象に残ってます」とその怪演ぶりを話した。

また、自粛期間をどんなふうに過ごしていたかという話題に、長澤は「映画を見たり、ドラマを見たり、いつもより丁寧に料理を作るみたいなことをしていました」とコメント。

阿部は「ボーっとしていました」と苦笑し、「おいしいラーメンや煮卵の作り方を勉強しましたけど、もうやってないですね。（何ごとも）続くタイプじゃないということがわかりました。マンガ『鬼滅の刃』は4巻で止まってますし、韓国ドラマの『梨泰院クラス』も2話ぐらいで止まってます。結局、芝居が一番好きだって思いました」と“俳優魂”をのぞかせていた。

映画「MOTHER マザー」　7月3日（金）TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

配給：スターサンズ／KADOKAWA　©2020「MOTHER」製作委員会