5月16日(土)放送の『週刊フジテレビ批評』は、「“コロナ”をどう乗り切る?春ドラマ徹底放談」の前編。
現在、春ドラマの多くが、新型コロナの影響で撮影が休止され、放送が中断・延期に。代わりに過去の人気作を再放送するなど、各局が対応に追われている。
そうした状況を踏まえつつ、ドラマ解説者・木村隆志氏、日刊スポーツ芸能担当記者・梅田恵子氏、ライター・吉田潮氏が、奮闘する春ドラマに評価を下した。
「着慣れない服を着てる気持ち悪さがいい感じにブラッシュアップ」(梅田)『SUITS/スーツ2』
各人がオススメドラマを1つあげる中、まずはフジテレビのドラマとして、梅田氏が選んだ『SUITS/スーツ2』 の話題から。
2話までで放送中断となっているものの、 アメリカの人気ドラマを原作に、織田裕二演じる主人公の弁護士・甲斐正午と、 中島裕翔(Hey! Say! JUMP)演じる明晰(めいせき)な頭脳と驚異的な完全記憶能力を持つ天才青年・鈴木大輔がバディを組んで活躍するドラマのシーズン2。
梅田:面白いです。2になって格段に見やすくなって。 シーズン1のときは、海外ドラマのテイストがまだ板についておらず、着慣れない服を着てる気持ち悪さが感じられたんですけど、2ではそれがいい感じにブラッシュアップされて。1で事務所を追い出された上杉(吉田鋼太郎)が戻ってくるという大波乱を経て、パワーゲームがギラギラしてきたところで残念ながら中断。早く続きが見たいです。
吉田:私も対立の構図がわかりやすくなったな、と思いました。ただ、まだテンションがあがりきらないうちに中断されてしまい、「この先を待つ!」という感じです。
木村:やっぱり面白いです。刑事事件や法廷シーンにまったく頼らずに、これだけ面白い弁護士ドラマを作れるというのは、他の弁護士ドラマとの次元の違いを感じます。案件の解決方法に少し強引なところがあったりするんですけど、最後は必ずスカッとするところも見やすくていいと思います。
全員が高評価『隕石家族』はコロナ禍の日本を暗示!?
そして軒並み高評価だったのが、東海テレビが制作する羽田美智子主演の『隕石家族』(フジテレビ)。
木村:いいタイトルですよね~(笑)。もうそのまんま、地球に巨大隕石が近づいてきて150日後に滅亡してしまうという話。荒唐無稽なんですけど、よく見るとコロナ禍と似てるところがあって。思ってもみないことが起きるとか、人々が精神的に追い込まれるとか、人格が試されるというのが見ていて身につまされるし。あと半年で死んでしまう!となったとき、家族を捨てて恋愛に生きるとか、お金を使いまくるとか、東大受験をしちゃうとか、ディテールが細かくて異常に楽しいです。
梅田:これは面白いです。地球滅亡まであと半年だからこそ言える家族それぞれの秘密が、どれも切なかったり面白かったりで。そこからの展開が、ほろっとしていいんですよね。毎週の“全力告白”はけっこう楽しみにしていて(笑)。誰かの告白が、誰かの幸せになっているという着地や後味も、とても素敵。
吉田:不倫、認知症、LGBTQ…といろんな要素がてんこ盛りなんだけど、それぞれそんなに深掘りしないまま詰め込んでいるので面白いです。でもこれは、途中からじゃなく、最初から全部見てほしいなと思って、イチオシにはできなかった。
リアルとファンタジーのミックス具合が絶妙な『捨ててよ、安達さん。』
中断が惜しまれる作品がある一方、順調に放送を重ね、好評を得ている作品も。 吉田氏がオススメに挙げたのが、 『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京)。
吉田:『捨ててよ、安達さん。』(テレビ東京)は、安達祐実が本人役で出ていて、物語としては、彼女がモノを捨てていくだけなんです。だけど、その捨てていくモノたちがなぜか夢の中に擬人化して登場し、それに対して安達祐実がどう対応するかという話。
飾り気のないファンタジーなんですけど、安達祐実の人生のすごくいろんなものが垣間見えるし、モノを捨てるという行為の日常感についても考えさせられる。(家で過ごす)この時期にとてもピッタリだなと思って、イチオシです。
ただね、ものを捨てられない人が見ちゃうと、また言い訳して捨てなくなるかもしれないのがちょっと心配(笑)。
梅田:メルカリとのタイアップなので、フリマアプリの宣伝っぽかったらヤだなぁと思って、ちょっと警戒しながら見始めたんですけど、全然そうじゃなかった(笑)。輪ゴムだとか書店のレジ袋とか、捨てられる物体の気持ちが、最後にけっこうほっこりきて、面白いです。
木村:安達祐実さんの人生とドラマがうまくオーバーラップしていますよね。子役時代から結婚、離婚、出産、子育てと、僕たちけっこう見てきていて。そこがリンクしているので、やっぱり安達さんってみんな知ってる、心の中にいるんだな、という感じがして楽しいです。
また、吉田氏から「新美ちゃん、捨てられる人?」と聞かれた新美有加フジテレビアナウンサーは、「私、捨てられないんです。それこそ、物が人に見えてくるタイプなので。『ああ、ごめんね。今までほっといて』みたいな。私生活とリンクするところが…」と、このドラマの安達に共感していた。
話題性という目標は達成!?『M 愛すべき人がいて』
ほかにも、気になる作品として、歌姫・浜崎あゆみの誕生秘話と秘められた恋を描く『M 愛すべき人がいて』(テレビ朝日)を推す声が。
木村:これはある意味、大オススメなんですけど(笑)。“質”という面で見たら、オススメできるかというと疑問なんですが、やりきっている。どの世代でも見られるようにしてある。あるいは、話題性をとことん追求している。
そういう意味では、大映ドラマのテイストやJ-POPの部分、あるいはドロドロの恋愛があったり。話題性という意味で、こういうドラマが今後増えていくのかもしれないな、という感じがします。
梅田:不思議とクセになる感じですよね。人工着色料とか保存料がドバドバ入ってる食べ物って、けっこうクセになったりするじゃないですか(笑)。「なんじゃ、こりゃ~!?」と思って見続けていると、プロデューサーのマックスマサ(三浦翔平)の深いのか安いのかよくわからない名言がバンバン出てきて、それがクセになるんです。
吉田:や~すいんですよ(笑)。「大映に謝れ!」とかって思うんですけども、ネットで話題になってるのはコレですからね。話題をかっさらうという目標をちゃんと達してる時点で、狙いは当たってたんだなとは思います。
再放送ドラマのセレクトは…
そして、各局が展開する「名作再放送」についてもさまざまな意見が。
木村:評判がいいのは『JIN-仁-』(TBS)とか『野ブタ。をプロデュース』(日本テレビ)なんですね。いずれも10年とかそれ以上前の作品で、覚えているのかいないのか、というところがもう一回見たい動機にもなるし、人気俳優の過去の姿もまた見たい。子どもなどに見せるのにも、名作だからちょうどいいんじゃないか、というところもありますので、非常にセレクトが難しいと思うんですけれども、そういうチョイスをどう編成していくかも大事だと思います。
梅田:『野ブタ。をプロデュース』なんかは、年齢が変わってきた今、改めて見ると、「コレ、こんなに面白かったか!」という驚きもあります。個人的には、NHKが『アシガール』を放送してくれたのがうれしいなぁ。何回見ても疾走感があって、元気でホントに面白い。今はこういうのが見たいかなっていう感じがします。
吉田:まぁずっと見てるんでね…2、3年前のものには、そんなに心ときめかないわけですよ。『野ブタ。』とか『仁』が人気があるのはすごくよくわかるんですけど、年取った人間からすると、もっと前の作品にときめくわけです。
BS12(トゥエルビ)っていう放送局がありましてね。そちらで『ムー一族』(TBS)というのをやってるんですが、もう昔すぎて!でも、そこに心ときめく私がおります。
こんな時だからこそ、より真摯かつ丹念にドラマと向き合う識者たち。後編は、5月30日(土)に放送。
モキュメンタリー形式の韓国BLドラマ『CITYBOY_LOG』Vol.1~3をFODプレミアムで独占配信!
2024年11月22日 |
14:00
『火曜は全力!華大さんと千鳥くん』と『かまいたちの机上の空論城』が6連単企画でコラボ『8ちゃめちゃ生テレビ』メンバーが生放送で予想
2024年11月22日 |
10:00
河合郁人が初出場&スペシャルMCは篠原涼子!歴代王者7組が参戦…2024年日本一のものまね王者は誰だ!?
2024年11月22日 |
06:00
【おめざめ脳トレ】漢字を足すと出来上がる二字熟語は何でしょう?【『クイズ!脳ベルSHOW』より】
2024年11月22日 |
06:00
『オーソレ』×『フットマップ』がコラボ!モモコ&重岡大毅&あのアイドル3人の食事会のエピソードも『8ちゃめちゃ生テレビ』
2024年11月21日 |
19:00
フジテレビ宇宙プロジェクト始動!第一弾は、東京科学大学・地球生命研究所(ELSI)と宇宙教育セミナー開催
2024年11月21日 |
17:00