フジテレビが運営する動画配信サービスFODにて、ジャパニーズホラーの巨匠・鈴木光司が書き下ろした新作ホラードラマ『あの子が生まれる…』の制作および7月18日(土)からの配信が決定。森田望智が今作で初のドラマ主演を務める。
『あの子が生まれる…』は、日本のみならずハリウッドでも映画化された「リング」シリーズなどを手掛け、全世界にジャパニーズホラーブームを巻き起こした作家・鈴木光司の書き下ろしによる完全オリジナル作品。
本作の舞台は、郊外の新生病院。かつては由緒ある病院として人々から愛されていたが、あることをきっかけに歯車が狂い始め、病院の闇が次々と明らかに。地位や名誉、欲望と嫉妬、そして復讐…。病院を取り巻く人間模様が複雑に絡み合い、罪に罪を重ね衰退していく病院。そして、そこで誕生する美しきモンスター。この世で一番恐ろしいのは、我々人間なのかもしれない…。ジャパニーズホラーの巨匠が世に送り出す、人間の確執を描いたサスペンスホラー作品だ。
そうそうたる個性派俳優陣が恐怖の世界を体現
主人公・新生病院の看護師・今泉菜央(いまいずみ・なお)役は、ドラマ『パパ活』(2017年/フジテレビ)に出演し、『全裸監督』(2019年/Netflix)では、ヒロイン・恵美/黒木香役を演じ、2019年10月、第24回釜山国際映画祭「アジアコンテンツアワード」で最優秀新人賞を受賞した森田望智がドラマ初主演を務める。
さらに、謎の女・英子(えいこ)役を務めるのは、ドラマ『刑事ゆがみ』(2017年/フジテレビ)や、近日公開の映画「ぐらんぶる」にも出演する、グラビアアイドルとしても活躍する小倉優香。
主人公の菜央の彼氏、汐月勇馬(しおつき・ゆうま)役は、劇団番町ボーイズのメンバーでもあり、映画「PとJK」(2017年)やドラマ『結婚相手は抽選で』(2018年/フジテレビ)などに出演の松本大志。
新生病院の2代目院長・河本潤一郎(こうもと・じゅんいちろう)役を、舞台「ブラックorホワイト?-あなたの上司、訴えます!」(2019年)、ドラマ『ストロベリーナイト・サーガ』(2019年/フジテレビ)など舞台・ドラマ・映画と幅広く活躍する羽場裕一。
潤一郎の妻であり麻酔科医である河本和代(こうもと・かずよ)役を、映画「恋するふたり」(2019年)、ドラマ『八つ墓村』(2019年/NHK₋BS)などのほか、シリアス作品やホラー作品にも多数出演する山下容莉枝。
潤一郎の娘・河本美恵(こうもと・みえ)役を、ドラマ『テセウスの船』(2020年/TBS)、映画「AI崩壊」(2020年)など話題作に次々と出演する芦名星。
美恵の夫・河本秀明(こうもと・ひであき)役を、2015年1月四代目市川九團次を襲名し、世界各国で公演を行うほか、テレビCMやバラエティ番組など歌舞伎以外でも幅広く活躍中の市川九團次。
他に、鈴木光司作品には欠かせない女優のおぞねせいこ、演技派の大ベテラン女優の赤座美代子といった、そうそうたる個性派俳優陣が鈴木の描く恐怖の世界を体現する。
全世界を巻き込んでホラーブームを牽引する鈴木光司
鈴木光司作品の人気は日本国内にとどまらず、大ヒットした映画「リング」は、アメリカでも映画「ザ・リング」としてリメイクされ大ヒットし、アメリカ国内でジャパニーズホラーブームが巻き起こった。「ザ・リング」の成功を受けて、続編「リング2」が制作されたほか、「仄暗い水の底から」のリメイクとして「ダーク・ウォーター」が公開。
映画が次々と公開されヒットしたことから、鈴木の原作小説にも注目が集まり、アメリカを中心に多くの国々で翻訳。さらに、近年、鈴木が「リング」以来久々に手掛けた長編小説「エッジ」が、アメリカの文学賞であるシャーリイ・ジクスン賞を受賞。全世界を巻き込んでホラーブームを牽引している。
<森田望智 コメント>
この度、主演の菜央役を演じさせていただきました。初めてのドラマ主演ということで、驚きと不安と同時に、これから始まるんだという期待で胸がドキドキしました。
そして、私が小さい頃トラウマになるほど恐怖を覚えた作品たち。その作品を生み出している鈴木光司さんが脚本だと知り、良い意味で背筋がゾッとしました。このドラマはずばりビジュアル系リアルホラー。照明がカッコよかったり、どこかファンタジー要素もありながら、とても自然でリアルな作品です。
撮影では力強い共演者の皆さんが、どこかがおかしい個性的なキャラクターを演じて下さっていて、私は見ているだけで刺激的な毎日でした。その皆さんの流れに身を委ねているような、ふわっとした日々は心地よく、けれど起る出来事は毎度戦慄なので、とても不思議な撮影体験でした。
菜央の視点を通して、目まぐるしく起こっていくその出来事たちを一緒に体験して、一緒に怖がって頂けたら嬉しいです。
<鈴木光司 コメント>
「リング」「らせん」「ループ」の三部作は、1970年代に姿を消した恐るべき天然痘ウイルスが、貞子の怨念と神秘の力を得て、“呪いのビデオテープ”となって甦り、その後、突然変異を起こして“リング・ウイルス”“転移性ヒトガンウイルス”となって世界に蔓延するも、主人公の犠牲的行為によってウイルス発生のメカズムを突き止め、パンデミックが収束へと導かれる物語である。
小説を読むことによって、意識に変革が起こり、読者は目に見えない因子をしょい込んでしまったような感覚を覚えるだろう。
対岸の火事でない、読者巻き込み型の恐怖を描いたつもりである。
今回のドラマ『あの子が生まれる…』にも、映像という媒体を介して同じトリックを仕込んでおいた。
原作・脚本担当としては、より多くの人に見てもらいたいのはやまやまだが、そうもいかない。
驚愕のラストまで付き合っていただくには、それなりの覚悟が必要であると、警告を発するにとどめておこう。
<ストーリー>
郊外にそびえ立つ新生病院。先代から2代目に引き継がれた頃は、産婦人科を母体に総合病院として地域に根付いた医療を志し人々から愛されていた病院だったが、ある事がきっかけで衰退していく。
この病院の産婦人科で看護師をしている今泉菜央(森田望智)がいつものように勤務していると、故意に救急車に轢かれた妊婦・英子(小倉優香)が緊急搬送されてくる。その妊婦は、手首を自傷していたうえ、所持品もない身元不明患者だった。河本潤一郎院長(羽場裕一)の婿で医師の河本秀明(市川九團次)が治療のため救急処置室に入ってくるが、運ばれてきた英子の顔を見た瞬間、表情が固まる。
母子ともに大事には至らず、状態が落ち着くまでは入院することになったが、英子は一言も話さず不気味な笑みを浮かべるだけ(菜央は、そんな英子に自殺した同級生の記憶を重ねる)。潤一郎の娘で、秀明の妻である美恵(芦名星)は新生病院の看護師で現在妊娠中だが、英子の嘲笑うような態度に腹を立て、執拗に追い出そうとする。何かを隠している潤一郎と秀明、美恵の本心、そして英子の正体は?菜央を取り巻く人間たちの本性が少しずつ明らかになっていく…。