AEON(以下、イオン)と関東のローカルスーパーを「安さ」「鮮度」「惣菜」の三部門で比較、紹介しました。
5月3日(火)放送の『所JAPAN』(カンテレ・フジテレビ系)は、スーパーマーケット界の絶対王者・イオンと、独自サービスが売りの関東のローカルスーパーを勝手に比較!
「安さ」「鮮度」「惣菜」…どこをとっても高いレベルを誇るイオンのこだわりと、「ここだけは負けない!」という個性的なサービスを提供する、ローカルスーパーを紹介しました。
スタジオには、所ジョージさん、佐々木希さん、カズレーザー(メイプル超合金)さん、田中直樹(ココリコ)さん、バカリズムさん、若槻千夏さんが登場しました。
イオンは、店舗数が全国で2万店超え、年間の来訪者数は14億人以上。
魚介類から、種類豊富な惣菜、自社農場から24時間以内に届く新鮮な野菜まで、店に並ぶ商品は10万点以上を取り揃えています。
今回は、イオンのヘビーユーザーである横澤夏子さんが、イオンの秘密を調査するため、千葉県にある「イオンスタイル 幕張新都心」へ。
ここだけは負けない!「安さ」部門
イオンといえば、安さが目を引く自社ブランド「トップバリュ」。1万点以上の商品が存在し、種類が豊富で何を買うべきか迷ってしまいます。
そこで番組では、イオンで働くパートのみなさんに「仕事終わりに買ってしまう商品は?」と質問。パートさんオススメの“買わなきゃ損する3大トップバリュ商品”を紹介しました。
1つ目は、昨年の10月から発売が開始された「プロのひと品シリーズ」。
レンジで温めるだけで、一流シェフの味が手軽に楽しめる、忙しい主婦にはありがたい商品です。
2つ目は、昨年5月から発売されている「パパッとできるお魚おかず」。
魚の骨を取り除いて冷凍し、キューブ状にカット。そこに打ち粉をまぶして、下ごしらえの必要をなくした商品。家庭料理でよく使用する、あじ、さば、ぶり、たらの4種類が用意されています。
3つ目は、「お米のかわりに食べるカリフラワー」。
カリフラワーがお米サイズにカットされており、電子レンジで温めて、ご飯に混ぜれば、カロリーや糖質がカットできる、若い女性や中高年層に人気の商品です。
また、「トップバリュ」商品で気になるのは品質。
イオンでは、自社で研究所(生活品質科学研究所)を持っており、工場でできた商品の品質を、およそ100人のスタッフでチェックしています。
生活品質科学研究所では、商品の硬さを数値化して測る機械でおいしい食感になっているかを調べたり、CTのX線を当てて、おにぎりのほぐれやすさなどをチェックしていました。
一方の「安さだけは負けない!」と、地元民が通い詰めるローカルスーパーが、昨年オープンした埼玉県飯能市にある「フーコット 飯能店」。
その安さが話題となり、今年の3月には早くも東京に進出しています。どれほど安いのか、番組は東京都昭島市にある「フーコット 昭島店」に調査に向かいました。
店内を確認すると、相場130円の小松菜1袋が49円(税別)、相場880円のトマト(8個)が199円(税別)、相場700円のあまおう(1パック)が299円(税別)と、とにかく激安。
店舗運営部トレーナーの鈴木宏幸さんは「イオンさんには、価格では絶対に負けません」と、自信をのぞかせました。
しかし、気になるのは、その品質。
鈴木さんは「90%以上の野菜は、国産品を販売しています。等級を下げたり、規格外品を使ったりはしていません。原価はあまり変わらないんですが、“ローコストオペレーション”で値段を下げることができます」と説明しました。
“ローコストオペレーション”とは、一体どのようなシステムなのか確認してみると、フーコットの陳列棚の広さに秘密が。
バナナの棚では、約1000袋が、キャベツの陳列棚では、500個が山盛りに。
この大量陳列がなぜ安さにつながるのかというと、フーコット陳列部門の仕事の多くは、開店前まで。
大きな棚に商品を3時間かけて一気に並べたら、そこで仕事は終了。オープン後の商品の補充をなるべく減らし、最低限の人数でお店を回していました。
また、フーコットでは、季節や天気を考慮して、開店前に売り切れる分だけを仕入れ。商品が残っている際の値下げや廃棄などの無駄な作業をなくし、その分を売価に安く反映していたのです。
ほかにも、スーパーなどで目にする販促POPは、シーズンごとに取り換える手間がかかるため一切なし、冷蔵コーナーでは、常温でも品質が保てる飲み物は棚に並べて、光熱費、機材費を節約。
いろいろなお店で使える、電子マネーやクレジットカードなどのキャッシュレス決済も、手数料がかかるため現金のみにしていました。
鈴木さんは、「ご不便をかけてしまうのですが、その分、商品を安く販売できる」と明かしました。
ここだけは負けない!「鮮度」部門
イオンの鮮魚コーナーでは、およそ20種類の新鮮な魚介類が陳列。「よろこんで調理承ります」と書かれた看板が掲げられており、鮮魚士と呼ばれる魚のエキスパートが、焼き魚や煮つけ用に無料でさばいてくれます。
また、追加で500円支払えば、好きな魚で刺身の盛り合わせを作ってくれるサービスも行っています。
鮮魚士は、魚をさばくスピードや正確性で3級から1級のランク分けされており、1級を持つのは、イオン全従業員12万人中の23人と狭き門。
1級の鮮魚士になると、お客さんのニーズに合わせて全国の漁港で目利きを行い、早ければ朝に獲れた魚が、お昼には店頭に並びます。
一方の「魚の鮮度だけは負けない!」と、地元民に愛されているローカルスーパーが、群馬県に6店舗展開している、創業42年の「すーぱーこいけ」。
海から130km離れた内陸に位置する群馬県で、いったいどんな珍しい魚が買えるのでしょうか。
お昼の12時30分に、店長の小池翔さんの仕入れに同行。向かった先は、群馬県渋川市にある渋川駅ロータリー。
そこに、乗客のいる高速バスが到着すると、運転手さんが荷台から「羽田市場」と書いてある箱を取り出しました。
箱の中には新鮮な魚が入っており、小池さんは「今朝、九州で獲れた魚です。九州の魚であれば、イオンさんには負けない」と力強く語りました。
「すーぱーこいけ」では週に一度、日本各地で獲れた魚を空輸で羽田に集め、その日のうちに各地へ配送している“羽田市場”という卸システムを利用しているそう。
“羽田市場”は、昨年度8億円を売り上げた、今急成長の卸売業者。JRと提携して運送費を抑え、海が遠い草津の温泉や個人商店にも、新鮮な魚を低価格で卸しています。
「すーぱーこいけ」の場合。朝5時に九州で水揚げされた魚を福岡空港へ送り、9時には羽田空港に到着。
羽田から新宿のバスターミナルへ届け、11時には高速バスの荷台に積み込み、14時には群馬のスーパーに到着します。
店に戻ると、小池さんは届いた魚をチェック。珍しい魚が納品されると、ネット画像を確認しながら種類を確認。
オススメの食べ方などを調べて、調理方法をお客さんに知らせています。
実は、「すーぱーこいけ」は、もともと精肉店。小池店長は、肉の知識はあるけど魚の知識はほぼゼロの状態だったといいます。
しかし、「海なし県だからこそおいしい魚、いろんな種類をお客さんに『食べてほしい』」と、日々努力を重ねていたのでした。
ここだけは負けない!「惣菜」部門
イオンの売り場面積の20%を占める、惣菜売り場。500種類以上の商品が並びます。
イオンのお惣菜の多くは、店内で調理しているとのこと。
オープン前の朝7時の厨房では、お弁当にご飯を詰めるスタッフや、メンチカツを揚げ続けるスタッフ、天ぷら担当やピザ担当など、お惣菜ごとに作業を細かく分担していました。
また、約10人のスタッフが、その場を離れずに効率的に調理。これにより、できたてのお惣菜を素早くお客さんに提供していました。
一方の「お惣菜だけは負けない!」と、地元民に愛されているローカルスーパーが、群馬県高崎市にある創業54年の「スーパーまるおか」。
「イオンモール高崎」の目と鼻の先、徒歩30秒という立地ながら、おいしいお総菜の評判を聞き、土曜日には開店前から大行列ができます。
中には、埼玉県からお惣菜目当てで遠征してくるお客さんも。
「スーパーまるおか」のお惣菜コーナーでは、1000円や1500円などの少し強気な価格設定のお弁当が並んでいました。
店長の丸岡史明さんは、「全国から選りすぐりの材料を集めて、惣菜部で調理しています。(値段が)高くなってしまうけど、おいしいものをそろえています。お惣菜のクオリティでは、イオンさんに負けません!」と語りました。
「スーパーまるおか」は、全国から厳選した“おいしい物だけを売る”スーパー。
こだわり抜いた結果、大手メーカーの商品は一切販売しおらず、お惣菜も厳選した食材を使用して調理しています。
おいしさの秘けつ①
こだわりすぎた食材
「上州牛のサーロインすき焼き重」(1500円)は、店内でも売られている、100g1500円以上の上州牛サーロインを使用。
1日300個を販売する、「おにぎり(鮭)」(250円)。
具に使われる鮭は、「紅鮭荒ほぐし」(小川屋/80g864円)を、約10g(100円分)も使い、仕上げののりは「田庄の焼きのり」(540円/1帖)のものを使用しています。
丸岡さんは、「材料がいいものを使わないと、おいしいものは作れない」と説明。これらの高級食材を使っているため、一般的なスーパーよりも商品の値段は高いが、原価を考えると儲けは少ないそうです。
おいしさの秘けつ②
早朝からすべて手作業
イオンでは、お惣菜づくりを各セクションで効率よく作業分担していますが、「スーパーまるおか」では、惣菜スタッフ総出で手作業で仕込みを行います。
「カット野菜などは、素材の旨味がなくなる」との理由から使用しておらず、「大変で面倒くさいけど、味は全然違う。それで、お客さんに喜んでいただける」と語りました。
お弁当の仕上げも徹底して手作りにこだわり、11時オープンにもかかわらず朝の5時から調理をスタート。5人で約80種類の料理を、6時間かけて作っています。
そんな惣菜部のスタッフは、もともと有名店で働いていたプロの料理人たち。
一般的なスーパーでは、ソースを絡めるだけのパスタも、「スーパーまるおか」の場合は、カルボナーラソースも一から手作りしています。
イタリアン出身の庄司さんの場合は、本格的なピザ窯を導入。「ピザ専用の窯なので、温度も450℃までいきます。ここで作るもの以上においしいものはできない」と自ら太鼓判を押しました。
また、元燻製職人の近藤さんは、燻製機を導入。現在、お店で出すための試作中とのこと。
イタリアン出身の剣持さんは、「(ミシュランガイドで)星がついている店で使っているようなものを使って、料理できるというのは、料理人にとってやりがいがある。プラスアルファ、日々勉強になる」と語りました。
イオンとローカルスーパーには、それぞれの店舗の特色を活かした「安さ」「鮮度」「惣菜」に対するこだわりや、熱い思いがありました。
ほかにも番組では、神奈川県の「魚卓」、埼玉県の「スーパーマルサン」を紹介しました。