『ナンバMG5』第5話完全版
難破剛(間宮祥太朗)が帰宅すると、見知らぬ男が家に上がりこんでいた。市松高校の剛のツレだとうそぶくその男を警戒する剛。
男の正体は、他校のヤンキーたちからも恐れられている市松高校のアタマ・陣内一久(栁俊太郎)だった。
難破家の母・ナオミ(鈴木紗理奈)の手料理でもてなされた陣内は、帰り際、兄・猛(満島真之介)から名前を尋ねられる。そこで初めて名を名乗ると、「途中まで送る」と言って一緒に難破家を出た剛に対し、「調子に乗るなよ、特服」と言い放つ陣内。
猛は、陣内が市松のアタマだと気づいていた。
一方、剛の妹・吟子(原菜乃華)は、高浜一中3年の佐藤淳一(小田将聖)と知り合う。佐藤が吟子の後をつけていると勘違いした難破家の愛犬の松が、彼に吠えたことがきっかけだった。
佐藤と親しくなった吟子は、ひょんなことから彼に勉強を教えてもらうことになる。が、実は佐藤はヤンキー嫌いらしく…。
伍代直樹(神尾楓珠)と一緒にラーメン店に立ち寄った剛は、陣内が訪ねてきたことを打ち明ける。伍代から、陣内が市松のアタマだと教えられて驚く剛。
続けて伍代は、陣内に関する数々の“ヤバい伝説”を剛に話して聞かせる。
「OLをしている彼女が5人もいる」「スロットで得た資金を元手に株で1000万円稼いだ」「餃子150個を平らげる記録を作った」などという伝説とともに語られていたのは、スケボー事件。
ギャング同士の抗争があった際、彼らが投げたスケートボードが近くにいた陣内の彼女に当たった。それに激怒した陣内は、2チーム30人を半殺しにしたのだという。
伍代は、陣内に会いに行き、「なぜ剛を狙うのか」と尋ねた。剛の前に、「まず自分とやるのが先ではないのか」と。
2人はその場で手合わせするが、伍代が陣内の釣竿を折ってしまったことが原因で、それ以上の争いにはならなかった。
そこで陣内は、「もうすぐ卒業だぜ。最後は難破で締めてーんだよ」と伍代に告げた。
剛が美術部に行くと、なぜかそこに陣内がいた。「作品が見たい」といってやってきた陣内は、藤田深雪(森川葵)や剛の絵を褒めると、去り際、剛に「額の傷が治るまで時間をやる。治ったらタイマンだ」と宣戦布告。
剛は、その勝負を受けなかったら、「深雪に剛の正体をバラす」と脅される。
1ヵ月後、猛、剛、吟子の3人は、父・勝(宇梶剛士)と母・ナオミへのクリスマスプレゼントを何にするか話し合っていた。そこで剛はあるアイデアを思いつく。
「行くところがある」といって剛たちと別れた吟子が、遅れて帰宅した。勝とナオミから、「何をしていたのか」と問い詰められた吟子は、「勉強をしてた」と答える。
猛からさらに問い詰められた吟子は、佐藤に教えてもらっていることを隠せなかった。それを聞き、「一度家に連れて来い」と言いだす猛。困り果てた吟子は、ある条件を出す。
クリスマス・イヴの夜、難破家に佐藤がやってくる。
勝、ナオミ、猛は、吟子に言われてヤンキー一家だとバレないよう変装していた。だが、そもそも無理な設定だったためにあっという間にほころびが出てしまう勝たち。
隠すのを諦めた吟子は、泣きそうな顔で佐藤に真実を打ち明けようとした。すると佐藤は、「僕、全部知っているんだ。吟子ちゃんのご家族のこと」と言いだし…。
同じころ、勝たちへのプレゼントを取りに行っていた剛は、陣内に呼び止められる。
陣内は、人気のない場所まで剛を誘うと、いきなりプレゼントが入った紙袋にパンチを入れた。そして陣内は、本当に勝負したい相手は猛であり、剛はそのためのエサだと言い放つ。
陣内は、1年ほど前に、仲間のかたきを討つために、黒い特攻服をまとって市松高校に乗り込んできた猛の、圧倒的な強さを目の当たりにしたのだという。
そんな陣内の勝手な言い分に怒った剛は、「お前の拳は兄ちゃんには届かねえ。難破に手出ししたことを後悔させてやるよ」と告げる。その言葉を合図に、激しいバトルが始まった。
佐藤は、友人から、難破家が関東に名を轟かすヤンキー一家だと教えてもらったと告白する。だが、吟子のために変装までする勝たちの姿を見て、「羨ましいと思った」と続けた。
吟子に対する佐藤の気持ちと、勉強したいという吟子の真剣な思いを知った勝たちは、難破家でやることを条件に、2人が一緒に勉強することを許可した。
剛と陣内は、互いにボロボロになりながら、ケンカを楽しんでいた。やがて、勝負がつく。勝ったのは剛だった。
自宅に戻った剛は、猛、吟子とともに、勝とナオミにプレゼントを渡した。それは、高校時代の勝とナオミの写真をパネルにしたもの。
が、その中央には、陣内に破壊された跡も残っていた。それを見た勝たちは、「ケンカの証。粋な演出だ」といって大喜びし…。
数日後、猛は陣内に会っていた。陣内は、学校を辞めて旅に出るのだと言う。
猛は、「剛は全国制覇できると思うか」と陣内に尋ねた。それに対して陣内は、「その気があれば可能性はある」と返す。
「アイツにとって、全国制覇なんてくだらねえことなんじゃねえのか」。陣内はそう猛に告げ…。
大みそかの日、剛や島崎(春本ヒロ)とともにラーメン店を訪れた伍代は、陣内の記録を破る151個の餃子をたいらげる。
「家族で年越しそばを食べるから」といって席を立った剛は、「お前らと大丸(大助/森本慎太郎)のおかげでこの1年楽しかったわ。ありがとな」と言い残して去っていった。