映画「大河への道」初日舞台挨拶が行われ、主演の中井貴一さん、共演の松山ケンイチさん、北川景子さん、岸井ゆきのさん、和田正人さん、田中美央さん、中西健二監督が出席しました。
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主演のみならず、企画にも名を連ねた中井さん。落語作品「大河への道―伊能忠敬物語―」を映画化するにあたり「今や時代劇がなくなり、民放でも放送されなくなってきました。僕としては時代劇に関わるもの、京都撮影所や、スタッフや俳優の知識を残さねばと思った」と使命感があったようで「でもそれはお客様にご覧いただけてこその話。そんな中で立川志の輔師匠の落語に出会い、この題材ならばコメディと悲劇を合わせ込められるのではないかと思った」と本作制作の出発点を明かしました。
中井さんと10年以上の付き合いがある松山さんは「貴一さんは包容力のある俳優さんで、安心と信頼がある。この作品にはそんな貴一さんの人間性や優しさが溢れています」とリスペクト。劇中で描かれる“地図作り”の偉業については「地図の完成に至るまでの熱意や困難は今に通じる部分があるのかもしれない。現代とのリンクを感じて見てもらえるはず」と期待を込めました。
北川さんは、伊能忠敬らの偉業に触れて「日本地図を作るということは、ピラミッドを作るのと同じくらい凄いことだと思った。当時は上から撮影することなんてできないし、人間だけで距離を測って作るのは気の遠くなる作業。凄いと思った」と感動。
撮影中の思い出を聞かれた岸井さんは「車の免許を取ったばかりだったので、私がどんな車に乗ったらカッコいいかを北川さん、松山さん、中井さんと話したのが楽しかった」とにっこり。北川さんから「(車)買ったの?」と聞かれて「まだです!乗りたい車がなかったので…」と笑わせました。
和田さんは本作について「地図を見る際に小さな感動を感じられるのではないか」と期待し、田中さんも「日本の原風景が見どころ。これを見たら海外旅行も行かなくていいのではと思えるくらい素敵な景色が映っています」と話しました。
玉置浩二さんによる書き下ろし主題曲「星路(みち)」の話題になると、中井さんは「本当にラッキー!玉置さんが映画をご覧になって楽曲を作ってくれたので、作品にマッチしています。本編が終わっても最後まで歌を聴き終わってから席を立っていただきたい」と呼び掛けました。
中西監督は「とにかく脚本が面白く、素晴らしい役者さんが集まってくれた。時代劇もあれば現代劇もある。映画1本で何本分も楽しめる作品になりました!」と手応え。主演の中井さんは「公開初日というのは、役者にとって育てた映画と別れる時で、育ててきた娘を届けるような気持ちです」としみじみと心境を吐露しました。
しかし、舞台挨拶を締める「鏡開き」ではハプニングが発生!木槌が樽の蓋にフライングして当たってしまい、和田さんが「今は撮らないで~!」と報道陣にお願いするなど、最後は笑いに包まれました。
映画「大河への道」作品概要
千葉県香取市では地元を盛り上げるために、郷土の偉人「伊能忠敬」を主役にした大河ドラマの開発が進むが、驚くべき新事実が発見される。それは1821年に史上初の日本地図を完成させたのは、あの伊能忠敬ではなかった、ということ。では一体、初の日本地図は誰が、どのように作ったのか。そこには、歴史に埋もれてしまった、涙なしには語れない秘密の物語が隠されていた。
出演:中井貴一、松山ケンイチ、北川景子/岸井ゆきの、和田正人、田中美央、溝口琢矢/立川志の輔、西村まさ彦、平田満、草刈正雄、橋爪功
原作:立川志の輔「大河への道-伊能忠敬物語−」
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