恩田心(松下奈緒)と梶山薫(木村佳乃)が担当する、すい臓がんの患者、佐伯芳雄(相島一之)の弟、隼人(丸山智巳)が、兄を転院させると申し出てきた。芳雄はこのまま横浜みなと総合病院で手術で良いと思っているのだが、隼人はより腕の良い外科医がいる有馬総合病院への転院を譲らない。心と薫は引き止める事はせず、患者家族の意向に従うことにした。
一方、結城涼(清原翔)と夏樹奈海(岡崎紗絵)の研修期間がそろそろ終わろうとしている。阿久津晃(木下ほうか)はこのまま腫瘍内科に来て欲しいのだが、結城は外科、奈海は小児科と当初からの希望は変わっていない様子。阿久津にはどうしても腫瘍内科を強化せねばらならない理由があるようだ。阿久津は心のスキルアップを考慮して国立がん医療センターに推薦、それが認められたからだ。阿久津から話を聞いた心だが、すぐには返事が出来ない。
そんな中、薫が腫瘍内科に女性を連れて来る。女性は有馬総合病院の理事、結城美紀子(とよた真帆)と名乗り、佐伯兄弟に対し、現場の医師が勝手に承諾したことで、病院としては先に待ってい患者を差し置いて手術を請け負うことはできない旨の謝罪に来たのだと言う。丁寧な美紀子の対応に感心する心。すると、美紀子は出向いて来たのは、息子の職場も見ておきたいからだと言う。美紀子は結城の母だった。
その頃、結城は佐倉莉子(小川紗良)を診察していた。診察を終えた莉子は、思い切って結城をカラオケに誘う。その様子を見ていた美紀子は結城に患者とは距離を置けと釘を刺す。また、美紀子は結城の弟でアメリカに留学している駿(若林拓也)が帰国しているので、今夜は家に帰るようにと伝えた。
結城は美紀子が芳雄の手術を断りに来たと察し、心、薫とともに相談をするため病室へ。隼人はこの病院で手術が出来るのかと不安を隠さない。しかし、芳雄は隼人を制して、心たちに治療を頼んだ。医局に戻った結城は光野守男(藤井隆)に、有馬総合病院の御曹司であったことを囃し立てられる。夏樹奈海(岡崎紗絵)に進路は決まっていると言われた結城の表情が曇った。
その夜、実家に帰った結城は、美紀子に研修後は有馬総合病院に勤めるように言われる。返事はせずに、芳雄の手術を断ったことを確認する結城は、父なら断らなかっただろうとつぶやいた。
芳雄の手術や治療方針についてのカンファレンスが行われる。珍しく遅刻して来た薫の説明で手術の手順などが決まって行く。カンファレンスの後、心は結城を手術に参加させて欲しいと薫に頼んだ。結城に手術の説明をする薫は研修後は有馬総合病院に行くのかと尋ねる。しかし、結城は悩んでいた。
すると、薫は美紀子が転院を断ったが、しっかりと横浜みなと総合病院の体制を見極めたことを話す。そして、薫は行くべきか?ではなく、行きたいかどうか?で進路を決めた方が良いのではないかと結城にアドバイスした。同じ頃、心は奈海に芳雄の術後治療スケジュールを作らせていた。
芳雄の手術が始まる。兄を心配する隼人は、今までの芳雄の苦労を話し、助けて欲しいと心に頭を下げた。結城は間近で薫の手術を手伝う。手術は終わったが、がんが周囲に広がっていたため根治させることは出来なかった。
心は結城とともに芳雄の今後の治療を説明する。有馬総合病院だったらと嘆く隼人。心は有馬総合病院で根治できたかどうかはわからないが、芳雄なら今後の治療を乗り越えられると話し、一緒に乗り越えて行こうと促した。
心と結城が芳雄の病室で診療していると、隼人が家族を連れて見舞いに来た。そこで、心と結城は兄弟の互いへの思いやりを知る。
心は結城と二人になると、家族の期待が重荷になることはあるが、それは本当に背負わなければいけないものか?と尋ねる。続けて心は、どんな医者になりたいのかと結城に聞く。すると結城は、そう聞かれて思うのは父だと答える。結城の父親は患者のことばかり考えているような医師で、有馬総合病院理事長の祖父とは合わず、今は地方の病院で働いていた。
しっかりした目標があるのならそれに向かって進めばいいと心に言われた結城の思いは固まった。実家に立ち寄った結城は、美紀子に横浜みなと総合病院で外科を目指すと告げる。父のような医者になると言い、立ち去ろうとする結城。そんな結城に美紀子は、夫はとても良い医者だと微笑んだ。
心は薫とお洒落なレストランで食事。約束していた薫の記念日だった。それは、薫の乳がん手術から無事に5年が経過した日。実は心も知っていて、薫へのプレゼントを用意していた。しかし、そこで薫は心にがんの再発を告白する。驚く心に、一緒に戦って欲しいと頼む薫。もちろん、心は承知して…。