EXILE・松本利夫さんが、ボールルームダンス(社交ダンス)に初挑戦します。

9月17日・9月18日に東京、11月18日・19日に大阪にて上演する、「舞台FOCUS2022『アップデート』」。本作は、国内を代表するボールルームダンスのトップダンサーたちと、各分野で活躍するアーティストや役者たちのコラボレーションが話題の舞台。

2017年に誕生し、ボールルームダンス×演劇、という今までにない切り口でエンターテイメントの新たな可能性に挑戦し続け、毎年公演を重ねて今回で5作目となります。

今作の主人公の慎太郎を演じる松本さんは、EXILEのパフォーマー・MATSUとして活躍するストリートダンス界のレジェンドですが、ボールルームダンスには、この度が初挑戦となります。そして、ヒロインには守屋茜さん、加えて春海四方さん、金井勇太さんといった実力派俳優が演劇に奥行きを与えます。

さらに、タップダンス界の第一人者でありながら、ボールルームダンスには初挑戦となるHideboHさんが参加するなど、様々なジャンルから一流のエンターテイナーたちが集結します。

FOCUS 2022「アップデート」稽古場レポート

「お芝居として踊らないと、いまのままではダンスがハリボテのように見えてしまう気がします」。

そのように演出家と何度もディスカッションを重ねるのは、EXILEのメンバーであり俳優としても活躍中のMATSUこと松本利夫だ。

そこは、松本が主演をつとめる舞台FOCUS2022「アップデート」の稽古場。同作は、ボールルームダンス(社交ダンス)と演劇を融合させるという新しい切り口のなかで、47歳の独身社長・桑田慎太郎(松本)とAIパートナー・マリモ(守屋茜)の恋愛を描いていく。桑田は、自分の理想に近いマリモにのめりこむが、一緒に暮らすなかでさまざまな違和感を抱えていくことに。いつか現実になりそうな出来事を題材としながら、「自分は誰と、どのように生きていくのか」を考えさせる物語となっている。

この日の稽古では、9月17日に初日を迎える東京公演に向けてさまざまなブラッシュアップが行われていた。特に松本が強く意識していたのが、前述したボールルームダンスと演劇をどのように組み合わせていくかである。

たとえば桑田が出社する場面でのミュージカルシーン。社員役のダンサーたちが、踊りながら桑田に企画書などを見せにいくという展開だが、松本は「いまのやり方だと、(ダンサーたちのなかに)入っていけるタイミングがない」とし、「もっと、日常の動作っぽく踊りをみせた方が良いんじゃないか。現状は、『みんながダンスをやっています』『じゃあ次に桑田がそこへ出て来ます』という風に、すべての動きが切り分けられている感じがします。ダンサーのみなさんがどう桑田を迎え入れるか、桑田は社員たちにどういう目線を投げかけるのか。ダンスも物語のひとつにならないといけない気がします」とかなりアグレッシブに意見を出していた。

さらに松本は「ただ踊るだけになってしまうと、この作品的には違うと思うんです。観ている人に『なんでこの人たちは踊っているんだろう』と疑問を持たせてはいけない。すべて意味のある画にしていきたい。たとえば社員も、それぞれの役柄をあらわしたような踊りになった方が良いのかなって。みんなが仕事をしている風景がダンスとして見えるように、より細かく構成していきたいです」と、休憩時間もそっちのけで熱を込めて話し込む。

マドンナ的な存在・橘まりあ(土屋炎伽)が冗談で桑田の結婚相手に立候補し、それを桑田が鵜呑みにして言い寄る場面でも、松本は「いまどき壁ドンって古くない?と思いますよね」と苦笑い。「いまは押した感じでいったけど、引いた感じも試してみましょうか」とアプローチのパターンもいろいろと模索。 このように、稽古場は良い意味で役者と演出チームの垣根が取っ払われている。結婚相談所スタッフ・三沢役の金井勇太も、マリモの起動場面では「マリモが立ち上がるまで、データ画面に視線を落としている方が良いかもしれない。立ち上がるまで異常があるかどうか、確認しているみたいに」とマリモの制作者・五木田役の中島健の仕草についてアドバイス。そういった光景がたくさん見られ、キャスト、スタッフが一丸となって舞台を作り上げているように映った。

ちなみにこのマリモの起動シーンは、序盤のポイントになりそうだ。マリモ役・守屋の芝居が絶妙なのである。守屋は稽古でもAIになりきっている。ぎこちない伸びの仕方、インストールされた言葉を喋るときの口調など、その一挙手一投足にグッと見入ってしまう。「果たしてどんな感じでマリモは動き出して声を発するのか」と、思わず息を飲むような緊張感も漂う。慎太郎の名前を3回ほど呼んでから、スッと人間ぽくなっていくその変化は、守屋の芝居のひとつの見せ場になりそうだ。この場面は守屋がペースを握っており、間合いの取り方が大きな鍵になるのではないか。

稽古を取材する限り、ダンスシーンがふんだんにあり、コメディ要素も満載。独身者の老後問題など現代的なメッセージも散りばめられている。また、松本が表現する桑田の勘違いぶりは痛々しくもクスッとさせられる。なにより台詞の一つひとつがおもしろい。本番で期待したいところは、情報量が多い作品のなかでどういう要素が際立っていくのかという部分だ。

タイトル通り、公演期間中も内容がどんどん「アップデート」されていきそうな気配がする同作。だからこそ何度観ても楽しく、そして発見がある作品になるのではないか。

取材・文:田辺ユウキ

<作品概要>

舞台FOCUS2022「アップデート」

脚本:樫田正剛
振付・監修 大竹辰郎
振付・演出:大西大輔

出演:松本利夫
守屋茜、金井勇太、HideboH、中島健、春海四方
土屋炎伽、春名真依、新垣幸三ほか

最新情報は、舞台FOCUS2022「アップデート」公式サイトまで。

「開幕直前!舞台FOCUS「アップデート」限定公開ウラ話」

VODにて期間限定のトーク番組の配信も決定!松本さんをMCに、他キャストが日替わりでゲストとして登場し、ここでしか聞けない舞台のウラ話が続々登場します。

出演者
トークA:松本利夫(EXILE)/守屋茜/春海四方
トークB:松本利夫(EXILE)/HideboH/中島健/春名真依
トークC:松本利夫(EXILE)/金井勇太/土屋炎伽

配信期間:9月10日(土) 18:00~9月13日(火)23:59まで

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