石川テレビ「SPEEDy」が金賞！第30回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」

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第30回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」で、石川テレビの「SPEEDy」が金賞を受賞。

10月3日（月）、フジテレビ系列各社の技術部門による、第30回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」が、FNS理事社技術責任者会議において決定しました。

FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」は、日常業務の中から生まれた身近なアイデアやちょっとした工夫から、独自の技術開発や研究までを対象としており、FNS系列全社のイベントとして定着。

今年は、系列18社から29件の応募がありました。

今年の「あんたが大賞」金賞は、石川テレビの「地震特番、初動はSPEEDy！A面／Automationによる地震特番の迅速化、B面／BLACKMAGIC、GSTREAMER、FFMPEGの活用」が選ばれました。

SPEEDyは（Special Program of Earthquake,Easy operating and Daring system：簡単操作で画期的な地震特番システム）の略。

本システムは、一定時間遡って地震で揺れた瞬間を録画したスキップバック映像と震度情報のファイルを、それぞれの外部システムから自動的に取得し、HD-SDI信号で送出するもの。

石川テレビの従来のワークフローでは、スキップバック映像と震度情報を放送するまでに手間と時間がかかっていました。

地震発生時には、スキップバック映像を編集機に取り込み、編集ソフトのタイムラインに並べてから送出サーバに転送しなければなりませんでした。

また、スキップバック映像が複数ある場合には、放送順に一本化して送出サーバに転送。それぞれの地点スーパーをセットする必要もあります。

これらの作業が完了して、ようやく送出担当者がサブでオペレートできました。また、送出の際にも、揺れた映像ごとに地点スーパーをチェンジする必要があるうえ、震度情報を放送するには、送出サーバと異なる送出機器を操作しなければならないなど、緊急時に少人数で特番を放送するのは、非常に困難な作業でした。

SPEEDyでは、スタンバイ作業をすべて自動化。準備の負担がなくなり、送出担当は地震が発生してすぐに報道スタジオサブでオペレートが可能に。

また、スキップバック映像には、自動で地点スーパーがつけられ、震度情報も同じ操作端末で切り替えられるようになり、送出の負担も減りました。

フジテレビ系列の28局で構成されるFNN（フジニュースネットワーク）では、全国で所有する200以上の情報カメラの映像を、フジテレビのサーバとクラウド上に一括収録し、地震発生時の切り出し作業を完全自動化するTOREZOというシステムを運用していますが、このTOREZOが動画を切り出すまでにかかる時間は、1～2分であり、SPEEDyがTOREZOからスキップバック映像を取得することにより、地震発生時にアナウンサーと送出者が持ち場に着くころには、特番を送出する準備が完了していることになります。

スタジオで、アナウンサーがSPEEDyを自ら操作すれば、1人で放送することもできます。

また、音声の自動送出についても、事前に準備した定型の音声ファイルの再生や、テキストによる合成音声の送出機能があり、深夜などアナウンサー不在時でも緊急放送が可能となっています。

SPEEDyは、地震特番の初動対応作業を画期的に簡易化し、深夜など職員の数が手薄となる時間帯でも、迅速に災害報道特番の一報を発信できる環境を整備したことが高く評価され、今回の金賞受賞となりました。

地震の規模や被害状況といった情報を、いち早く視聴者に届けることが二次被害を防ぐために重要です。

今回の受賞は「少しでも早く伝えたい」という姿勢が高く評価されたものと考えています。「一度でいいから、『あんたが大賞』（金賞）を取ってくれ！」。

引退した元上司が、20年ほど前によく言っていた言葉です。

部下のスキルアップへのモチベーションのために言ったのかはわかりませんが、それは私の心の中で呪文のようにリフレインされ、使命となりました。今では、自分の部下にも言うようにまでなりました。

本システムは、開発当初から金賞受賞を合言葉に1ヵ月という短期間で作成したものです。

結果、部内のスキルは大幅にアップしました。「あんたが大賞」の存在に感謝しております。金賞受賞は、感無量です。

第30回FNSテクニカルフェア「あんたが大賞」（金賞、銀賞、銅賞）、受賞事績

金賞：

石川テレビ

地震特番、初動はSPEEDy！

A面／Automation による地震特番の迅速化、B面／BLACKMAGIC、GSTREAMER、FFMPEGの活用

銀賞：

テレビ西日本

クラウドサービスを使った「読めるFNS一斉連絡」とその共有

銅賞：

北海道文化放送

AWSを使用した シンプルな構成で安価な視聴率と番組内容の可視化・DXツールの制作