リアル本棚も公開中！有野晋哉が読んでいるマンガが深すぎる

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2020年01月10日 |

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リアル本棚も公開中！有野晋哉が読んでいるマンガが深すぎる

めざましmedia編集部

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動画配信サービスFODで配信中の『世界をマンガでハッピーに！～セカハピ～』。

「生きていくことの難しさを実感した時に読むマンガ」「頑張りたいけど頑張れない時に読むマンガ」など、シチュエーションに合ったマンガを、司会の有野晋哉（よゐこ）と神田沙也加、ゲストの3人がランキング形式で紹介していく番組だ。

有野も毎回テーマに沿ったマンガを選んでくるのだが、意外＆絶妙なチョイスで神田を驚かせることもある。

フジテレビュー!!では、有野が番組で取り上げ、解説を聞くと読んでみたくなる、知られざる名作マンガを紹介する。（以下、有野の発言は番組中のコメント）

＜有野が選んだマンガ①＞

「人生の意味」を30年間考えたマンガ家の深く鋭いメッセージが凝縮

第11回の「生きていくことの難しさを実感した時に読むマンガ」で有野が選んだのは、業田良家『ゴーダ哲学堂悲劇排除システム』（小学館）。1話完結のオムニバス形式のマンガだ。

有野：（作者の業田は）息子に「人生とはなんだ？」「人生の意味はなんだ？」と聞かれた時に、答える術がないなぁと、30年考えてた人で、これをぜひ漫画にしたいって、ずっと考えてたところ、やっとできたものだそう。

人間の感情を勉強しようするロボットが、（人間が）「風が心地いいわ」と話しているのを見て、「風は心地がいいのか…」と調べたら、「風速5m/秒、6ｍ」と（出てきて）。「どれが“心地良い”風なんだ」「これは勉強することができないのか？」と（ロボットが悩む）。

「人生の意味とはなんだ？」と考えた、業田さんの答えは「真・善・美」だと。本物かどうか、善いかどうか、美しいかどうか、それを考える価値のあるものだと。

＜有野が選んだマンガ②＞

作者のちばてつやが、終戦～戦後にマンガ家を目指す物語

第12回の「人生に疲れ無気力な時何も考えずに読めるマンガ」で有野が選んだのは、ちばてつや『ひねもすのたり日記』（小学館）。1話4ページほどのオールカラーショートコミックだ。

有野：「あしたのジョー」のちばてつや先生が、いろんなところから連載の話が来るんだけど、「いやだ。いやだ」と言ってて、「4ページでいいから。水木しげる先生も4ページ書いてるよ」というのを聞いて始まった。（実際このマンガは）4ページで完結していて、自分が中国から日本に帰ってくる終戦の頃の話とか、そんな苦労とかも描いている。日常の病院に行った時の話もあって。終戦の話が軸になっているんですけどね。

このいかに（満州から）日本に帰ってきてからも大変やったかという話を、「人生に疲れて無気力な時」に、こういうおじいちゃんがおんねんで、というのを見たら、何も考えずに読めるけど、自分の気力になるんじゃないか。

＜有野が選んだマンガ③＞

「母親とは目線が違う」吉田戦車が父親目線で描く子育て奮闘記

第16回の「家事・育児に疲れた時に読むマンガ」で有野が選んだのは、吉田戦車『まんが親』（小学館）。夫婦揃ってマンガ家で、父親の吉田戦車の視点で描かれる子育て奮闘マンガだ。妻・伊藤理佐のコミックエッセイ「おかあさんの扉」（オレンジページ）では、40歳で母親になった伊藤の目線で子育ての奮闘が描かれている。

有野：お母さんが描いた側（「お母さんの扉」）の反対側が見られる。お父さん目線で、お母さんにはこう言われてるけども、自分はこう思うとか、お母さんがおらへん間、俺はこういうやり方をするぞとか、お母さんの実家に子供が一緒に帰省しちゃったから、俺は一人やから飲みに行くぞー！とかやってたり。

ちょっと（母親とは）目線が違うねんな、と思ってみると面白い。産まれる頃から始まってるから、（子供の）歳が上がっていくのが面白いですね。これも（小学校）3、4年生になったら終わるんやろなぁ。多感な時期になると「お前漫画になってるで」って（周りから）言われそうだから。今限定なんやろなぁって、この『おかあさんの扉』と『まんが親』は。

＜有野が選んだマンガ④＞

突然、漫画家を目指すも…全然、描かない。どうしようもないお父さんの物語

第18回の「頑張りたいのに頑張れない時に読むマンガ」で有野が選んだのは、青野春秋『俺はまだ本気出してないだけ』（小学館）。2013年に堤真一主演で実写映画にもなった本作。会社を辞めたバツイチ中年男が漫画家になると宣言したことで巻き起こる騒動を描く。

有野：40歳のお父さんが漫画家を目指す。高校生くらいの娘がいて、お父さんの父親の家に居候して3人で暮らしている。「もう俺は漫画家目指す」と、「今までの俺は本気出してなかっただけや。これから本気出す」と言って、始まるんですけど。全然、描かへん。

どうしようもないお父さん。たまたま入った風俗店でバイトをしている娘を見つけちゃったり。「あのバイト辞めろよ」っていったり。どんどん話が進んでいくんやけど、漫画のネタ集めで、いろんな人の話を聞いて、仲のいい幼馴染の同級生がパン屋を始めるとか。「俺何もしてないなぁ」と思うねんけど、友達からしたら「俺は独身やけど、お前は娘を育ててるやないか」とか。40歳のお父さんが47歳になるまでの話。

最後は、娘はずっとお金を貯めて留学をしたいんだけど、それをお父さんが邪魔したりとか、そんなのがありながら、留学して…。その最後の1巻が、全部の話を回収するくらいのええ話になっていく。

＜有野が選んだマンガ⑤＞

ある日、異国で亡くなった「夫」がやってきて…。戸惑い、悔恨する兄の物語

第21回の「逆境を乗り越える姿を見て頑張ろうと奮い立つマンガ」で有野が選んだのは、田亀源五郎『弟の夫』（双葉社）。ゲイ・エロティック・アーティストとして知られる田亀は、30年以上前からゲイ雑誌にマンガ、イラストレーション、小説などを発表している。本作では、日本人の異性愛者が、実際に当事者に出会うまでは気づかない、同性愛者に対する偏見や思い込みを丁寧に描いている。

有野：主人公は、双子の兄。娘さんと2人で暮らしているところに、カナダ人のムキムキのおじさんがやってきて、「弟さんと結婚していました」って言う。双子の弟はカナダで亡くなって、そのことは知っていたけれど、葬式とかは兄は行けなかった。

兄は、弟に高校の時にカミングアウトをされて、「俺は男のことが好きなんだ」と言われたんだけど、「へぇ、そうか」と軽く受け流したんだけど、弟からしたらかなりの覚悟を持って告白してくれたはずなのに、自分はそのことについて話さなかったなぁと思っていた。

（その後）弟はカナダに引っ越してしまう。そこで結婚して、そこの結婚式にも自分は行かず、気がついたら弟は亡くなってしまった。弟は（カナダ人の夫と）一緒にいつか日本に来たいって思ってたから、旦那さんはいなくなったけど、（カナダ人の夫は）一人で、弟の家族と弟が住んでいたところを紹介してもらう、という話。

これは面白かったね。こういうのを題材にするんだって（感心した）。この話ですごいなって思ったのが、「弟に俺はこういうことを言えたんじゃないか」とか、10年以上会っていなかったというのを兄はすごく気にしている。また、カナダの旦那さんからしたら普通のことなんだけど、（弟の夫だと）知人に紹介ができない。「弟の友達です」って言っちゃう自分に、ちょっとダメだなって思ったりとか。