「那須川天心くんを倒すのは僕しかいない」兄そして同級生の三浦春馬と夢追いかける…江幡塁選手とは

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今年の大晦日の「RIZIN」で、神童・那須川天心（21）と激突するのがRIZIN初参戦の江幡塁（28）だ。新日本キックボクシング協会のエースで、WKBA世界スーパーバンタム級王者。今まで交わることのなかった日本軽量級のドリームマッチとなる。

那須川天心が「とても強い相手だと思う」と語る江幡塁とは、一体何者なのか？

12月8日（日）、フジテレビュー!!は、東京・後楽園ホールへ。そこでは、江幡塁と双子の兄の睦（むつき）が1ラウンド限定のエキシビジョンマッチを行っていた。会場からは割れんばかりの歓声が―。

“打倒ムエタイ”を掲げ35年の歴史を誇る新日本キックボクシング協会のエースであるふたり。07年、睦と共にプロデビューすると、ずば抜けた攻撃力で頭角を現し“ 江幡ツインズ”、“ツインドラゴン”として注目されてきた。

エキシビジョンマッチが終わると、塁はマイクを持ち観客に向かって挨拶。

江幡塁： 大みそかはRIZINの大舞台に立ちます。那須川天心選手は日本の格闘技を引っ張る一人ですが、天心くんを倒せるのは僕しかいないと思っています。応援よろしくお願いいたします！

塁がこれまでに挙げた勝ち星36勝のうち半分がKO勝利、とその破壊力に絶対の自信を持っているという。

リングを後にした江幡兄弟に話を聞いた。

――お疲れさまでした！エキシビションマッチとはいえ、兄弟での対決はいかがでしたか？

睦： 僕と塁が後楽園ホールで試合したのは13年ぶりなんです。13年前はまだプロではなかった頃ですね。相手のコーナーに塁がいるということが面白かったけど緊張感もありました。

塁： 12月31日の本番と同じような緊張感を味わいたかったので。１Ｒだけど楽しかったです。

睦： 弟が大晦日にRIZINという大きい試合を、そして僕も来年から世界に向けて戦う準備をしていて。ふたりにとって大きな節目なんです。タイミングってあるんだな、と。

――天心選手と肩を並べたRIZINの会見（12月5日）の反響はいかがでしたか？

塁：会見後、皆が喜んでくれました。緊張ですか？いいえ、ようやく僕たちの信念を見ていただける、余すことなくお伝えできたら、という気持ちでいました。天心選手は好青年で、まだ若いのにキックボクシング界を背負っていて、それを実行している。尊敬に値します。

――そもそも、おふたりはなぜ格闘技の道へ？

睦： 9歳から格闘技を始めていたのですが、17歳の時、ふたり揃って母親に「高校を辞めて格闘家になりたい」と相談しました。母は「夢を追うのであれば協力する」と答えてくれて…。

睦：実は、俳優になった三浦春馬くんが僕たちの中学のときからの親友で、「これから僕たちは何をやっていこうか」と当時いつも話し合っていて。彼は俳優で、僕たちはキックボクシングでトップに、と夢を語っていたんです。春馬くんが先に東京に行って俳優の道を志したので、僕たちも「動かなきゃ」と。それですぐに茨城から上京し（現在所属する）伊原道場にアポなしで訪問、「伊原道場に入れて下さい」と頼みこんで入れてもらったんです。高校を辞めて住むところもない僕たちを、伊原信一会長は寮に入れてくれました。学校と同じ時間ということで8時にジムへ行き、トレーニングをさせてもらいました。

伊原信一氏は、伊原道場の長であり、新日本キックボクシング協会の代表を務める。 28歳でWKBA世界ウェルター級王座を獲得した元キックボクサーで、塁は憧れの人、と名前を挙げている。

塁：田舎から来た僕たちに、礼儀作法から、チャンピオンたるものはこういうものだと伊原会長は教えてくれました。来年は兄がもっともっとでかいチャレンジをしますので、12月31日は、最高の形でスタートを切りたいと思います。RIZINでの勝利を、またここ後楽園ホールに戻ってきて皆さんに報告するつもりです！

この日のエキシビションマッチの後、睦は伊原会長と公開ミット打ちを行い、会場を沸かせていた。尊敬する師匠、そして“父”である伊原会長が見守る大晦日の大舞台で、江幡塁はどんな戦いを見せてくれるのか――。