最終章 都知事長男誘拐事件！そして彼が覚醒する『シャーロック』第10話完全版

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江藤礼二（佐々木蔵之介）が誉獅子雄（ディーン・フジオカ）に、いつも以上に頭を下げて事件解明を頼み込んでいる。若宮潤一（岩田剛典）が誘拐事件では獅子雄への依頼は無理だと言うと、江藤は誘拐されたのが鵜飼昇平都知事（大鶴義丹）の息子だと明かす。鵜飼のもとには息子を預ったという脅迫メールが届いていた。江藤が必死になるのも無理はない。

さらに江藤が頼んでいると、獅子雄が珍しく報酬を取ると明言して引き受けた。不思議に思う若宮。すると、獅子雄は世話になったので少しは若宮に金を払っておかないと･･･と、意味深な言葉を告げる。

獅子雄は若宮と江藤、小暮クミコ（山田真歩）と鵜飼の息子、椋介（浦上晟周）が通う高校の寮へと向かう。迎えたのは、鵜飼の第二秘書、津崎洋平（松島庄汰）だ。津崎の案内で、獅子雄たちは椋介の部屋へ。

そこには、同部屋で椋介と同じバスケットボール部の竹内（佐久間悠）がいた。竹内は昨夜23時ごろまで椋介は部屋にいたが、その後は自分も寝てしまい分からないと証言している。その後に椋介がいなくなったのだが、竹内は室内で誰かと争うような物音は聞いていないと言う。

江藤と若宮は、椋介と犯人が知り合いか、椋介自身が自ら出て行ったと推測。だが、獅子雄は裏口には誰も通った形跡がないことを確認していた。

事務室で正門の防犯カメラを確認すると、椋介が寮から出て行く姿は映っていたが、戻った映像はなかった。次に獅子雄たちはバスケットボール部のコーチ、灰田聡（増田修一朗）に話を聞きに行く。その前に、生徒への厳しい指導を見ていた若宮は、灰田に関してある疑念を抱いた。

灰田に会うと、若宮は指導が厳しすぎてパワハラの域に達しているのではないかと迫る。しかし、灰田は教育だと受け入れなかった。

次に、獅子雄たちはバスケ部員たちに話を聞く。ここでも率先して質問するのは若宮だ。しかし、灰田のパワハラを疑う質問に部員たちは答えづらそう。すると、獅子雄が部員一人一人のプレーにアドバイスを始める。

さらに、部員たちとゲームをした獅子雄は彼らにバスケットボールのスカウトマンだと自己紹介。NBAまで持ち出す獅子雄に、部員たちはそれぞれに灰田のパワハラを訴え始めた。部員たちの話によると、灰田の椋介へのパワハラは酷かったらしい。

椋介は都知事でもある父の鵜飼に相談したが、それがさらに灰田を逆上させた。灰田の椋介へのパワハラこそ減ったが、その分、他の部員たちへのパワハラが酷くなったのだ。

そんな時、鵜飼都知事が到着し、獅子雄たちは会いに行く。そこに灰田もやって来て、自分の監督不行届きだと頭を下げた。

灰田は椋介はバスケ部の練習がキツくて逃げたのだと考えているようだ。そうであったら良いと言う鵜飼に、津崎が会見の準備のために戻るよう伝える。江藤が会見では犯人を刺激しないようにと言うのだが、鵜飼と津崎は何かを含んでいる様子だった。

翌日、都庁で知事の定例会見が行われる。そこで鵜飼は椋介が誘拐されたと発表してしまった。江藤とクミコは慌てて止めに行くのだが遅かった。そんな時、津崎にメールが着信。執務室に戻った鵜飼に津崎が見せたのは、犯人からの身代金受け渡し場所のメールだった。

鵜飼は自ら金を持って指示された場所へと向かう。鵜飼が必死に引き取り人を探す姿はネットにアップされて行く。受取人は現れず取引は失敗に終わったが、息子を思う鵜飼の高感度は上がった。

最近、鵜飼は不倫疑惑で支持率を降下させていた。獅子雄はこれで３ヵ月後の都知事選の再選もあるかもしれないと若宮に話す。若宮は、それには答えず週刊誌を差し出す。

鵜飼と守谷壬三が資本を出していたビジネススクールの繋がりを疑う記事だ。若宮は鵜飼を追えば守谷にたどり着くと考えたのではないかと獅子雄に尋ねる。獅子雄は今回の事件で守谷にたどり着く事はないが、メッセージにはなると答えた。そして、今まで以上の難問を投げてくるだろうと予想する獅子雄。

すると、若宮はこれ以上、守谷に関わるなと獅子雄に訴えた。本気で獅子雄を心配する若宮は、椋介誘拐事件は自分が解決すると言い切る。

若宮は寮にある灰田の私室に忍び込む。室内を探る若宮は、パソコンにバスケ部員たちが苦しむ様子を撮影した動画を発見した。

その頃、獅子雄はバスケ部の試合を観戦していた。椋介の代わりに竹内が出場している。そこに、江藤とクミコが来て灰田は椋介誘拐の疑いで連行された。観客席にいた獅子雄のもとに若宮が現れ、灰田はサディストなので椋介を拉致する理由があると伝えた。獅子雄は若宮の働きを褒めるのだが…。

試合終了後、体育館のラウンジに津崎と竹内の姿があった。津崎は鵜飼の支持率も上がり、竹内も試合に出られたのだから、もう椋介を開放しても良いと金を渡す。だが、竹内は椋介を隠したのは津崎だと思っていたようだ。

食い違う二人の話に、置き物と思われたサンタクロースが声をかける。獅子雄だ。獅子雄は鵜飼の支持率回復のために椋介誘拐を計画したのは津崎だと突きつける。 さらに、津崎は鵜飼が25年前に不倫した女性との間にもうけた隠し子なのだと。 つまり、今回の偽装誘拐の裏には津崎の椋介への嫉妬も加わっていた。そして、鵜飼は竹内に椋介を連れ出すよう頼んだのだ。

竹内は椋介がいなければレギュラーとして試合に参加することが出来て、さらに報酬ももらえる。津崎も竹内も獅子雄の話を認めるが、一つ問題が残る。では、誰が椋介を誘拐したのだろうか。

その夜、高校の寮で火災報知器が鳴る。充満する煙の中、椋介の部屋へと向かう消防士。すると屋根裏から咳き込む声が聞こえるではないか。屋根裏への扉が外れると、椋介が落ちて来た。消防士が装備を外すと獅子雄だった。煙は同じく消防士に扮した若宮が発煙筒で焚いていたもの。

獅子雄は、回の誘拐計画を立てたのは津崎と竹内だが、実行したのは椋介だろうと話し、そのカラクリを説明する。理由は灰田を陥れるためと、大人たちへの復讐だろうと言う獅子雄を椋介は認めた。

誘拐事件は解決し、江藤は念願の捜査一課長に、クミコは係長に昇進した。獅子雄に助けられて手柄を上げ続けた功績に疑問を持つクミコ。そんなクミコに、江藤は獅子雄が事件を解決しているわけではなく、解決するように自分たちが導いてやっているのだと語る。

獅子雄と若宮は鵜飼に会いに行く。真相を報告したいと言う獅子雄に、全て息子たちがやった事だと鵜飼が答える。だが、獅子雄は偽装誘拐は津崎の計画から始まったようになっているがそれは間違いだと言い出す。津崎が計画を立てるよう鵜飼が誘導したと言うのだ。

そんな時、テレビに拘置所から被告人が集団脱走したとの臨時ニュースが流れる。逃走犯人の写真には、市川利枝子（伊藤歩）もいたため、獅子雄と若宮の視線は画面に釘付けになった。

警視庁では早速、集団脱走の捜査本部が立ち上がる。だが、会議が始まろうとする時間に江藤は一人で…。