宮野真守さんが、自身の“青春”について語りました。

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月9ドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(読み:テミスのきょうしつ/フジテレビ)は、未来の法曹界を担う若者たちが通うロースクール(法科大学院)を舞台にしたリーガル&ロースクールエンターテインメント作品。

裁判官で実務家教員の主人公・柊木雫(ひいらぎ・しずく/北川景子)が「人を知らなければいい法律家にはなれない」をモットーに、ロースクールで「法」だけでなく「人」を学ぶ授業を展開。毎週、柊木流の授業を受けて成長していく学生たちの姿にも注目が集まっています。

本作で、柊木のロースクール時代の同期で検察官の横溝太一(よこみぞ・たいち)を演じている宮野さんにインタビュー。撮影現場の様子や役への思い、宮野さんにとっての“青春”について聞きました。

「作品において、すごく大事な部分を担わせてもらっている」

<宮野真守 インタビュー>

──撮影も中盤を過ぎたそうですが、現場の雰囲気はいかがですか?

法律を扱うシリアスな面もある作品ですが、現場はとても和やかです。

僕は特にロースクール時代の同期である北川(景子)さん演じる柊木と、佐藤(仁美)さん演じる麻理恵とのシーンが多いのですが、3人でしゃべっていると笑いが絶えず、でも、本番が始まるとビシッと集中するという、とても良い空気感のなかで撮影ができています。

──演じている検察官・横溝太一と共通点や共感できるポイントはありますか?

まっすぐさには共感しますね。彼は感情豊かで、人の感情も敏感に感じ取れるからこそ、流されやすい人だはと思うんです。でも、検察官としては、流されてはいけないと奮闘していて。

3話で少し検察官として法廷に立つ姿が描かれましたが、被告人を強く糾弾するわけではなく、導くことをポリシーとしていて、そのポリシーを貫く姿に、まっすぐさと芯の強さを感じました。

そんな彼の姿は、僕自身としても「自分の信じる道を突き通したいな」と思わせてくれましたね。

──検察官の役を演じるために勉強したことや意識していることはありますか?

3話で、検察官はヒーローのようにかっこよく犯人を追い詰めるイメージがあったけど…と言う桐矢(前田旺志郎)に対して、横溝が「地味だった?」と切り出すシーンがあったのですが、あれは印象的でした。検察官という職業に対するイメージは、桐矢の言う通りだな、と。

横溝自身、ロースクール時代に“かっこいい検察官になりたい”という思いがあったと思うんです。そこを目指して頑張っていたけど、ロースクール時代にも、検察官になってからもいろいろと大変なことがあって、苦労をして。

それでも仕事をするなかで、検察官として自分の信じる道を見つけたんだろうなと思うんです。その過程を想像して、役の準備はしていました。

もちろん、裁判において、検察官、弁護人、裁判官でどうやって話を進めていくか、どういう立場で法廷に立っているのかということも事前に勉強しました。

でも、それよりも横溝に関しては、柊木と麻理恵との関係性が重要だなと感じています。柊木は、ロースクール時代の同期である横溝と麻理恵との時間をすごく大事にしていますし、それを生徒たちにも伝えていて。横溝たちが出てくるシーンは、お酒を飲んでばかりいますが(笑)、今回のドラマにおいてはすごく大事な部分を担わせてもらっている気がしています。

──柊木が壁にぶち当たったときに、3人での食事シーンがありますね。

そうなんです。柊木も完ぺきではないので、心が乱れたときの“安らぎ”である仲間がどれだけ大事か、ということを横溝と麻理恵は担っています。

ドラマや舞台への出演増加「表現者としては楽しくてしょうがない」

──本作のテーマの一つに「効率の良さ、悪さ」がありますが、宮野さんは、効率を意識して行動するタイプですか?

うーん…一番難しいと思いますが、間(あいだ)をいきたいなと思っています。合理的なだけでも良くないことはあると思うし、非効率すぎてのんびり屋さんでも困りますし。

僕、本を読むのが苦手なのですが、それはすごく非効率な読み方をするから。一行一行、書かれていることを想像しないと次の行にいけなくて。芸能をやるうえで、この非効率さはとても重要なイマジネーションにはなっていますが、時間かかりすぎてしまうんですよね(笑)。

──本作への出演が発表されたときに「まさか月9に出演できるとは」とコメントしていましたが、改めて月9ドラマに出演した心境を聞かせてください。

本当に俳優人生で、こんなことがあると思っていなかったので、すごくうれしいです。テレビっ子だったので、月9ドラマもたくさん見ていました。だから、小さい頃の自分に言ってあげたいです。「月9に出るよ」と。

──月9ドラマで特に印象に残っている作品はありますか?

『ロングバケーション』ですね。2階の窓からスーパーボールを投げてキャッチする名場面、マネしましたよね…絶対うまく跳ね返ってこないやつ(笑)。

──近年、俳優としてドラマや舞台に出演する機会が増えていると思いますが、仕事に対する心境に変化はありましたか?

変化というより、お芝居の面白さ、奥深さを感じています。

用意する感情は同じですが、アウトプットの仕方がまったく違うんですよね。声優では表情や体で表現ができない分、言葉にさまざまな色合いをつけた芝居をします。舞台では何百人もの人に伝わる芝居、ドラマではカメラにどう映っているかを計算した繊細な芝居が求められる。

声優も舞台もドラマもやらせていただくことで、自分のイマジネーションというか、経験値はすごく上がったと思いますし、表現の幅は広がっていて。それぞれ迷うことも多いですが、表現者としては楽しくてしょうがないです。

──最後に、本作のサブタイトルにかけて、宮野さんにとっての“青春を教えてください。

僕の青春は、高校時代です。高校時代につるんだ仲間は永遠だなと思います。今はなかなか会えないですけど、会うとすぐ当時の空気感に戻れますし、一番はしゃいで笑い合った仲間なので、そのときの思い出がずっと自分を支えてくれている感覚があって。

だから、柊木が学生たちに仲間の大切さを伝えたい気持ちもよく分かります。ロースクールを卒業したらみんなバラバラになってしまうけど、そこで出会った仲間が学生たちにとって宝になればいいなと思いながら、これからも彼らの成長を見守りたいと思います。