腕前はプロ並み?

放送開始(1969年10月5日)から50年の節目を迎えるアニメ『サザエさん』。

東京都内のホテルでは、放送開始当時に番組に携わっていたスタッフ・出演者など“新旧のチームサザエさん”が集まり、「放送50周年記念感謝の会」が開催された。

会場には、着ぐるみのサザエさんと波平さんも参加した。

サザエさんの父親・波平さんは、頑固だが優しい一面もあるキャラクター。多趣味で知られていて、アニメの中では休みの日に盆栽をいじっているシーンや釣りに出かけ場面がたびたび登場する。

その他の趣味では、サザエさんの夫・マスオさんや隣の家に住む伊佐坂先生さんなどと囲碁の対局をしているシーンが印象に残っている人もいるのではないだろうか。一部の視聴者の間では「波平の囲碁の腕前はプロ並み」というウワサもささやかれてきた。

そんな波平さんの囲碁への愛と、囲碁の普及・発展に協力してきたことが評価され、公益財団法人日本棋院東京棋士会会長の武宮正樹九段から、波平さんにアマ五段の段位免状が授与された。

さらに、波平さんの影響で囲碁を打つシーンがアニメで何度か描かれているサザエさんにも、日本棋院の小林千寿六段からアマ三段の免状が授与された。

日本棋院ではプロ棋士・支部などの推薦、大会成績、紙上問題合格などで日本棋院がアマチュアの段位・級位の認定を行っていて、25級〜1級の級位認定状・免状、初段〜八段の段位免状を発行している。

アニメのキャラクターに日本棋院から段位免状が授与されたのは今回が初めてとのこと。壇上ではサザエさん、波平さんが免状を受け取り、出席者から暖かい拍手が送られた。

会場では50年間の歴史を振り返りながらそれぞれ思い出話に華を咲かせ、最後は出席者全員で『サザエさん』のオープニング主題歌を合唱して終了した。

なお、フジテレビでは、11月24日には『サザエさん』の1.5時間のスペシャルアニメと、20年後のサザエさんを実写で描くスペシャルドラマ『磯野家の人々~20年後のサザエさん~』(主演・天海祐希)も放送される。

武宮正樹九段「私も癒されている」

このたびは『サザエさん』放送50周年おめでとうございます。半世紀も続いているアニメは他に聞いたことがございません。国民的なアニメとして、なにより多くの国民から長年愛されていればこその偉業だと、心からお祝いを申し上げます。

囲碁界としては、このような素晴らしいアニメの中で、碁を打つシーンをたびたび、お取り上げていただけるのは非常に嬉しいことで、囲碁普及の大きなお力添えを頂戴し、ただただ感謝しかございません。ほんわかした心地良い雰囲気に、私自身もいつも癒されております。今後のますますのご発展を心から祈念致します。