ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』のスタッフが、最終話の見どころを語りました。
橋本環奈さんが主演を務める月10ドラマ『トクメイ!警視庁特別会計係』(カンテレ・フジテレビ系)は、経費削減の“特別命令(トクメイ)”を背負って、本庁から“お荷物所轄”と呼ばれる万町署に派遣された特別会計係の女性警察官・一円(はじめ・まどか/橋本)が、刑事たちとぶつかり合いながらも協力して事件を解明していく警察エンターテインメント。
これまで、万町署を守るために経費削減を押し進める円と「捜査に金は必要」と主張する強行犯係係長・湯川哲郎(沢村一樹)ら湯川班の対立、次第にお互いの存在を理解して絆を強めていく様子が描かれ、高まるチームワークの良さが話題になっています。
さらに、物語が後半に入ると、これまで警察内部の不正を暴き、その当事者を脅迫してきた“脅迫者X”の正体に注目が集まるように。
第10話で、それが円を優しく見守っていた警務課の元上司・須賀安吾(佐藤二朗)だったことが判明。まさかの展開に、SNSでも驚きの声があがりました。
衝撃の展開が続く本作の最終回直前。フジテレビュー!!は、近藤匡プロデューサー、小林宙プロデューサー、城宝秀則監督へインタビュー。橋本さんをはじめとするキャストの撮影現場での様子、こだわりが詰まっているというオープニング映像について、また、最終回前に見返してほしいポイントなどを聞きました。
キャストが「楽しい」と口を揃えた現場の中心にいた橋本環奈
<近藤匡P、小林宙P、城宝秀則監督 インタビュー>
──間もなく最終回ですが、ここまでどのような反響が届いていますか?
近藤:物語の序盤はすごくコミカルでしたが、7話、8話くらいからシリアスな展開になってきたこともあり、「あれ?『トクメイ!』ってこんな色合いだったっけ?」「まさか『トクメイ!』で泣かされるとは思わなかった」と、よく言えば面白がってくださっている、逆に言うと戸惑っている方が多いのかな、と受け取っています。
でも、物語の展開は皆さんのリアクションを見て変えたわけではなく、最初から決めていたこと。やりたかったことをやってきて、いろいろなリアクションをもらえてうれしいです。
小林:皆さんの声を拝見していると、当初はコメディなのか、サスペンスなのか、分かりづらくて、見にくかったかもしれないと思っていました。でも、近しい人からの反響で言うと、齢70を超える僕の母が、今まで僕が担当した連続ドラマの中で一番好きだと言ってくれていて(笑)。
近藤:うれしい!
小林:橋本環奈さんが可愛いし、見やすい刑事ドラマの中に変な設定もあって新鮮ですし、単純に面白がって見てくれていたのかなと思っています。
城宝:実は、うちの親も好きだと言っていたんです。
小林:おいくつですか?
城宝: 86歳(笑)。みんなのキャラクターが面白いと。
近藤:うれしいですね。
──橋本環奈さんをはじめ、キャストの皆さんとそういった反響について話しますか?
小林:あまりしませんね。ただ、1話が放送されたあとくらいに環奈さんは「すごく評判がいい」と喜んでいました。
もともとキャストの皆さんは、台本を面白いと思い、ご自身の役も面白いと信じて演じてくださっていて。反響によって芝居を変えるような皆さんではないですし、あまり気にしていなかったのかもしれません。
とにかく皆さんがご自身の役を愛しながら、「楽しい」と日々撮影に臨んでいたことが印象的な現場でしたね。
──皆さんを「キャスティングしてよかったな」と思ったエピソードはありますか?
近藤:皆さん、本当にキャスティングしてよかったですよね。何よりも、主演の環奈さんがずっと前室(スタジオ前の待合スペース)にいて、そこにみんなが集まってきて和気あいあいとしていて。楽屋があるのに戻らず、ずっとそこでしゃべっているんです、楽しそうに。撮影の初日から。
実はメインキャストの環奈さん、佐藤二朗さん、湯川班の面々を演じている沢村一樹さん、松本まりかさん、JPさん、前田拳太郎さん、徳重聡さんはほとんどの人が初共演だったんですけど、最初からチームワークがいいというか、皆さんの振る舞いやお芝居に“作った感”がなくて。その空気感は環奈さんが中心にいたからなんだろうなと感じています。
小林:たしか、環奈さんと二朗さん、二朗さんと沢村さん以外は初対面なんですよね。
──撮影の序盤の頃に行われた制作発表も、皆さん息ぴったりでしたね。
城宝:初日から息ぴったりでした(笑)。僕の経験上では、一番チームになるのが早かった気がしています。
僕は以前、まりかさんとご一緒したことがあるのですが、ここまで早く現場に馴染めたことがなかったようで、今回は初日から「楽しい」とずっと言っていたことが印象に残っています。おおらかな人ばかりでしたし、すごくいい空気感でしたね。
小林:円や湯川班以外の方も楽しんでくださっていましたね。
近藤:鶴見(辰吾)さん、楽しんでいましたね(笑)。
小林:そうそう!鶴見さんが演じる中塚は、ちゃんと役割がある役なのですが…台本上、どうしても円や湯川班の動きを細かく書いていることが多く、中塚に関して何も書いていないことがあって。皆さんが現場に立ってリハーサルをしているなかで、「鶴見さん、最初しかしゃべってないけど、どうするの?」っていうときがあったんです。
城宝:そうそう!
小林:本来はちゃんと台本に書いておくべきなんですけど、どうしてもそうなってしまったときに、鶴見さんは後ろでちゃんと芝居をしてくださるんですよね。それが素晴らしいなと思って。
あれだけキャリアのある方が、演出される部分以外でもご自分で考えて動かれていて、しかもメインで撮られている人の邪魔にならないような配慮もしてくださる。
円や湯川班だけでなく、周囲のすべてのキャストがそうやって前向きに作品と向き合ってくださったことが、いい空気感につながったんだろうなと思っています。
──実は撮影が大変だった、もしくはチームワークがあって撮れた奇跡的なシーンはありますか?
近藤:オープニングで円と湯川班と須賀が走っているシーンがあるのですが、あれは尋常じゃない暑さのなかで撮影をしていて。現場が橋の上だったので日陰もなくて、数秒立っているだけで汗ダラダラになるような環境なのに、秋ドラマなので皆さんには着込んで何度か走ってもらいました。
クランクインしてすぐに撮影したので、少し不安もあったんです。暑さでピリピリしてしまわないかな、と。でも、皆さん「暑いよ!」と言いながら、冗談を言い合ったり、励まし合ったり、監督や僕らをいじったりして、ピリピリという空気はまったくなく、順調に撮影ができました。
まぁ、後々「尋常じゃない暑さだったから、やめてほしかった」とは言われましたが(笑)。
小林:この作品は、クランクインのときには最終話くらいまでの見通しがほとんどできていました。すでに最終話のオンエアを残すところなのでお話できますが、縦線に一番関わっているのは二朗さんが演じる須賀。ですから、二朗さんには最初にいろいろと説明をさせていただいていたんです。
警務課のお父さんであり、いい上司なんだけど、最後は悪役ではないものの円たちが追っている脅迫者Xであると明かされる、と。それを最初から理解していただいたうえで、二朗さんには須賀を演じていただいていました。
でも、クランクインの日、最初のテストが終わった段階で僕のところに「最初から俺は(警察庁長官官房長の)榊山(福井晶一)を追い詰めようとしてるんだよね?」と、走って確認しに来て。ものすごく当たり前のことを聞かれたから、ちょっと不安に思っちゃいましたね(笑)。でも、それは二朗さんの茶目っ気でもあると思いますし、実際は完ぺきに演じられるのですごいなと思いました。
城宝:最終話はお芝居の感じがガラッと変わります。その中心にいるのは二朗さん。すごくシリアスで、シーン自体も長いので、撮影をするまではどうなるのか心配でした。
でも、環奈さんと二朗さんの対応力がすごくて。あれは、お2人の関係性があってこそだと思いましたね。
パロディ満載のオープニング!その制作理由は…?
──『SPEC〜警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿〜』(TBS)、『あぶない刑事』(日本テレビ)、「タイタニック」、「アナと雪の女王」、「E.T.」などのオマージュが散りばめられたオープニングが話題ですが、あのようなオープニングを作った理由を聞かせてください。
小林:理由…なんだと思いますか?何か物語に関連があったり、意味があったりすると思うかもしれませんが…まったくありません(笑)。
近藤:最終話を見たら、「E.T.」をオープニングに入れた意味が分かる…っていうことはないんですよね(笑)。
小林:そうですね。一人ひとり楽しいキャラクターを作ってきて、僕らも一人ひとりをすごく愛しているので、そのキャラクターで遊びたいなと思っただけなんです。
近藤:面白いことやりたいな、と。
小林:でも、ただ遊んでいるだけではなくて、「こういう物語もあるんじゃないか」と期待感を持ってもらえたらいいなという思いもあります。
前田くんと徳重さんが本編で『あぶない刑事』みたいに銃を撃つシーンはないし、環奈さんと前田くんや松本さんとJPさんで「タイタニック」のワンシーンを再現しているけど本編にはラブストーリーはないですし。でも、あのオープニングを見ると「もしかしたら…?」とも思えますよね。
あと、9話のオープニングで『ワンピース』のオマージュを入れたのは、「須賀はいなくなるけど、みんな仲間だよ」という思いを込めていて。最終話には湯川と須賀がバチバチにやり合うけど、その2人が『あぶない刑事』みたいなことをやっていたらジーンとくるものがあるのではという思いもあります。
何も意味はないと言いましたが、そうした思いを込めている部分はありましたね。…ただ、「アナと雪の女王」や「E.T.」は完全に遊びです(笑)。
──ネタ元と本作にどういう関連があるのか、不思議に思っていた視聴者も多かったと思います。
小林:不思議ですよね(笑)。でも、僕もスタッフやキャストにいろいろ聞かれると思っていたのに、意外と皆さん疑問は持たなかったようで、すんなりと撮影をしてくれて。
近藤:皆さん、面白がってやっていたと思います。
小林:「なんでこれをやるんですか?」とか、誰にも聞かれませんでした。
城宝:普通聞かれるよね(笑)。でも、実際に『あぶない刑事』に関わっていたスタッフに来てもらって、拳銃からの煙の出方にもこだわって作っていて。
近藤:そうそう!実はこだわってるんですよね。
城宝:拳銃の音も『あぶない刑事』の効果音をつけていた人が来て、まったく同じ音をつけていますし。ムダにこだわっているっていう(笑)。
近藤:くだらないことにこだわって(笑)。
小林:7話の本編では「新世紀エヴァンゲリオン」のオマージュも差し込んでいますが、そこで使った効果音も本物です(笑)。
近藤:せっかくやるなら、真面目にふざけようという思いからのこだわりです(笑)。
──制作している皆さんの、個人的に好きなキャラクターを教えてください。
近藤:僕は徳重さんが演じている中西が大好きです。最初からいじられる感じのキャラクターコンセプトではあったのですが、やればやるほどいじられる感じになってしまって。あまり徳重さんのそういう役柄を見たことがなかったので、どんな感じになるんだろうと思っていたのですが、ステキなキャラクターになりましたよね。
最初は、どんなに中西がかっこよくても、それを俯瞰で視聴者や周りの人が見るとちょっと面白いという感じを意識してキャラクターを作っていました。でも、徳重さんが中西を演じて、それを見て修正された次の話の台本に書かれた中西を見るとより深い部分でいじられていて。そんな中西を演じる徳重さんは「中西に追いつくのが大変だった」と言いつつ「やっていくうちに愛せるようになりました」と言ってくださって。
徳重さんが追いかけ続けて、作り上げてくださった中西だからこそ、大好きなキャラクターになりました。
小林:僕は湯川と須賀ですね。これまでにも連続ドラマをいくつか担当していますが、沢村さんと二朗さんとこんなにガッツリと作品を作るのは初めてでした。
お2人のすごいところは、役になりきっているところ。勝手に「あ、これはこういう言い方にしますから」、「これ言いません」とおっしゃることがあって(笑)。演出家は困るかもしれないですけど、僕はいいと思っているんです。一番、湯川と須賀というキャラクターを分かっているのはお2人ですから。
もちろん最初のほうは演出家に任せてくださることが多く、話が進むにつれてご自身の意見を出されるようになるのですが、それはちゃんとお2人がキャラクターを育ててきたからだと思うんです。最後は自分で引き取ろうとしている、というか。
今回は特に、1話の段階で最終話までの本ができていて、演じているものを見て台本を作ったわけではないので、僕らは見通せていない部分もあったんですよね。でも、お2人は演じながら、肉付けをし、「本当にこういう人、いるんじゃないか」という人物に落とし込んでくださった。お2人に連ドラの醍醐味を見た感じがしています。
城宝:僕は円です。環奈さんとご一緒するのは初めてでしたが、あの年代で初めてのタイプの女優さんでした。“橋本環奈”というジャンルだな、と。
白目をむいて倒れたり、変な動きをしたり。他の女優さんでは見たことがない、いろいろな表現の仕方をするのですが、それがだんだん一円になっていく感じが新鮮で面白かったです。
──最終話目前ですので、見返しておいたほうがいいポイント、最終話の見どころをお願いします。
小林:6話で円のデスクに置いてあるサボテンが動いたと思いますが、11話でもう一度動きます。ですから、サボテンを見返しておいていただきたいです。もうなんで動くか、忘れちゃってますよね(笑)。
近藤:確かに(笑)。
小林:以前、「このドラマは回をまたいで伏線を張ってるから、分からなくなる」と沢村さんにも言われたのですが、サボテンも最終話の伏線回収ポイントです(笑)。
城宝:サボテンは1話から出てきてるんですよね。
近藤:1話で振って、6話で動いた感じですね。
小林:細かいことを小ネタでやっているので、最終話前に見返してほしいです。
近藤:僕からは最終話の見どころを。円、湯川、須賀の3人がものすごくいいお芝居をしているので、それを見ていただきたいです。
物語の途中から、警察の正義、円が考える正義、“正義ってなんだ”というテーマが見えていたかと思います。円、湯川、須賀の3人にもそれぞれが思う正義があって。誰かの思いや正義に乗っかることができるんじゃないかと思いますし、誰かに寄り添って見てもらえたらグッとくると思うので、3人のシーンはしっかりと見て受け止めていただけたらうれしいです。
城宝:そうですね。その3人のシーンは、現場で見ていて泣きそうになりました。環奈さんも二朗さんもすごいお芝居をされていますし、受ける沢村さんもステキで。楽しみにしていてほしいです。
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