Bose「昔の、男ばっかりが集まって朝まで遊ぶ部屋」はいつまでも神聖な場所

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4月16日（日）の『ボクらの時代』は、プロデューサー・トラックメイカーのSTUTSさん、Bose（スチャダラパー）さん、ラッパー・プロデューサーのPUNPEEさんが登場しました。

STUTSさんとPUNPEEさんは、Boseさんが出演していた『ポンキッキーズ』（フジテレビ）を見て育った世代。

PUNPEEさんは「ヒップホップとかラップを、自分たちみたいな若い子どもの世代に理想の形でイントロデュースしてくださった」とその影響を語りました。

そんななか、「子どものころはゲームしかしていなかった」と明かしたSTUTSさんは、「やっぱり、ゲーム音楽の影響みたいなのもある気がしている」と。

Bose：一番好きだったのは？

STUTS：「ファイナルファンタジー」をやったり。ちょっとマイナーなんですけど、「天地創造」というゲームがあって、そのBGMとかは結構…。

Bose：あ、「天地創造」ね。今もやりますか？ゲーム。

PUNPEE：やります。

STUTS：最近、ちょこちょこ、またやるようになりました。

Bose：僕も、まだ、やるよ（笑）。

STUTS：やっぱり、ゲームはゲームでしか得られない刺激みたいなものがあるような気がします。

Bose：あるよね。

STUTS：それこそ、僕は寮生活でゲーム禁止だったんで。それでゲーム離れしちゃって。

Bose：寮生活か。中高、賢い学校で、寮生活みたいなやつか。

STUTS：パソコンもケータイも禁止だったので。

Bose：ああ、そう！？

PUNPEE：（笑）。

Bose：それは、この時代にだいぶつらいですね（笑）。

STUTS：そうですね。十何年前とかなんですけど…。

PUNPEE：外部との関わりが何もない？

STUTS：なかったですね。学校と寮が同じ敷地内なので。

STUTSさんは、進学校の寮生活の「閉鎖的な中でもヒップホップだけは、のめり込めた」と振り返りました。

Bose：サンプラーは、いつ買ったの？

（※）サンプラー：収録、サンプリングした音を音源として、任意で出力できる装置。

STUTS：中3か高1のときです。

Bose：寮生活のときにあるんだ。

STUTS：そうですね。

Bose：それで、すごくのめり込めたんだ。あれは無限にのめり込めるじゃない。それが閉鎖されたところにあったのは、いいね。

STUTS：そうですね、良かったなって。

PUNPEE：ゲームはダメだったけど、MPCは大丈夫なんだ。

（※）MPC…Music Production Center。アカイ・プロフェッショナル社から発売されているサンプラー／シーケンサー（順番を制御するコントローラー）。STUTSさんが愛用していることでも有名。

STUTS：大丈夫でした。

PUNPEE：それは、抜け道だね。

STUTSさんは「今になって思うと、スマホみたいに集中力が分散しちゃうものが側にない、気持ちをそらすものがない状況でのめり込めるような教育っていいかもしれない」と述懐。

すると、PUNPEEさんが「（当時の様子を）ミュージックビデオとかにした方がいいんじゃない？」と言って、笑わせました。

その流れで、3人は好みの細分化や、受け取る側の選択肢の多さについても言及しました。

STUTS：昔の方が、集中できていたかもしれないなって思うときもあって。

PUNPEE：ああ（と、うなずく）。

STUTS：「あんまり、スマホ触らないようにしよう」とか、そういう制限を設けてみようかなって、今日も改めて思いました。

Bose：そうだね。それはみんなの問題でもあると思いますけど。自分らは、作って提供する側だったりするし。こんなに、面白そうなものがいっぱいあり過ぎてさ…。

STUTS：そりゃあ、気も散っちゃいますよね。

Bose：ね。その中で、どれだけその時間をいただけるかっていうと、本当に難しいと思う。

PUNPEE：最初にサビが急に来る曲とかになる理由も、わかりますよね。

Bose：なる。わかる。15秒で何とかしないとって（笑）。

PUNPEE：何とかしないと。

STUTSさんが「そういう時代の流れではあると思うんですけど、必ずしもそこだけを狙っていたくはない」と語ると、Boseさん、PUNPEEさんも大きくうなずきました。

PUNPEEさんの音楽との出合いは…。

Bose：すごい若いときからクラブとか行ってた？

PUNPEE：それが、全然行ってなくて。

Bose：あ、行ってないんだ！

PUNPEE：CD聴いたりとか、家で何かコツコツ作るとか…。

Bose：最初から、そうだったんだ。

PUNPEE：MTRとかで。

（※）MTR：マルチトラックレコーダー。音楽制作に用いる録音機器。

Bose：宅録だ。

PUNPEE：宅録が好きで。親父がそれを持ってたんで。

Bose：あ、お父さんもそういうの好きだったのか。

PUNPEE：親父がやってたんです。

Bose：じゃあ、「外でやろう」みたいになるのは、どういうタイミングだったの？

PUNPEE：高校の学祭とか…。

Bose：やっぱそうか。そのときは、バンドをカバーする感じだったの？

PUNPEE：L’Arc～en～Cielさんとか、GLAYさんとか、友だちはやっていて。「どうしてもベースがいないから入ってほしい」と言われて。

Bose：だって扮装がまず…。

STUTS：（笑）。

PUNPEE：自分も、お化粧してやりました（笑）。それを手伝いながら、自分の趣味（宅録）は趣味として、家でこそこそやったり。

PUNPEEさんは、STUTSさんと「自分たちが（音楽制作を）始めたときは、全然、お金にならない時代（00年代後半）。食えてる人がほとんどいなかった」と振り返り、「やってる人も少ない中でね。そのくらいの時代に（STUTSさんに）出会った」といいます。

STUTS：高校生のころから知っていて。UMB（ULTIMATE MC BATTLE）っていう、MCバトルで。

Bose：ああ、MCバトルだ。

PUNPEE：それがちょっと広がったときかな。

Bose：KREVAくんとか、有名な人も出て、それもひとつのヒップホップの本流になって。

PUNPEE：そうですね。MCバトルが好きな若い方、多いですね。

Bose：そっちから、みたいなのも多いじゃん。

3人は、「ディスる」という言葉が一般に浸透したと、ラップバトルの影響を語りました。

Boseさんは、結婚、子どもの誕生を機に生活の拠点を鎌倉に移して「10年近く」といいます。

Bose：「東京じゃなくてもいいかな」みたいな思いがあって。

PUNPEE：遠くないですか？

Bose：行く前はさ、「遠くない？」「来られなくない？」ってなるんだけど、住んだ瞬間に「あ、来れる」って。だって、今日だって別に（家から）1時間でここに来てるし。

STUTS：電車とかも便がいいですよね。

Bose：電車乗っちゃえば、1時間で来れるし。普段は、車だし。むしろ、全然いい。

PUNPEE：楽じゃん、みたいな。

Bose：単純に家賃が安いとか、環境が…家を出たら、すぐに海とか。

STUTS：最高ですね。

Bose：プライスレス感はありますね。

Boseさんは、「東京は新しいものをキャッチしやすい」というイメージがあったというものの、「今は、通販がどこまでも来てくれるようになったから、（暮らしは）あんまり変わらなくなっちゃった」と言及。

その一方で「昔の、男ばっかりが集まって朝まで遊ぶ部屋が、いつまでも神聖な場所として残ってる」とも打ち明けました。

Bose：あそこでしか生まれない空気とか、くだらなさみたいなものが、結局、一番美しいと思ってるんだけど。

PUNPEE：そこで生まれた曲の方が、思い入れがあったり…。

Bose：そう、大好き！

PUNPEE：ノリで生まれたものとか。

Bose：朝までバカなこと言って、思いついたくだらないアイデアができるのは、限られた時間しかなくて。

STUTS：なるほど。

Bose：あれを思い出して、今もできるように、その時間みたいになれるように、いつも頑張るというか。あの空気になるまでどうしたらいいんだろうっていう。本当に、結婚とかと一番遠い発想というかさ。

STUTS：一般的には、ですね。

PUNPEE：大人になると、そういうものに興味がなくなるのかなって思ってたら、全然変わらないということにびっくりしているかも。

STUTS：ああ、確かにそうですね。

Bose：たぶん、10年後だってそうだから。

STUTS：でも、周りの友だちとか見ていると、結構変わっていってるかもしれないな、みたいな。

Boseさんは「こういう仕事していると、ずっとこれが地続きになるから、いつまでも自分らだけが子どもみたいな感じ」と、実感を込めて語りました。

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