大西利空“憧れの存在”広瀬すずの相手役に「自分にできるかな」

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大西利空さんが、映画への出演で得たものを語りました。

26歳の会社員と16歳の男子高校生を中心とした、クセ者揃いのシェアハウスのにぎやかな日常を描く映画「水は海に向かって流れる」が、6月9日（金）に公開されます。

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通学のため、叔父の家に居候することになった高校生の熊沢直達（大西）は、どしゃぶりの雨の中、駅に迎えに来た女性・榊千紗（広瀬すず）と出会う。実は叔父の家はシェアハウスで、榊をはじめ男女4人が暮らしていた。

想定外の共同生活のなか、やがて直達は榊に淡い思いを抱き始める。過去のある出来事から「恋愛はしない」と宣言する榊と直達の間には、思いもよらぬ因縁があって…。

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フジテレビュー!!は、本作で恋に鈍感な男子高校生・直達を演じる大西利空さんにインタビュー。広瀬さんの印象や撮影で思い出に残っていること、最近ときめいたことなどを聞きました。

──原作や台本を読んだ感想と、直達を演じると決まったときの心境を聞かせてください。

オーディションに受かったと聞いてから原作を読んだのですが、鮮やかで、爽やかな作品だなと感じました。

実は、どの役を演じるかは知らないままオーディションを受けていたので、直達というすごく大事な役を演じると聞いて、びっくりしました。広瀬すずさんが演じる榊さんの相手役なので、「自分にできるかな…」という不安が最初の感情です。

──直達は、どのような役と捉えて演じましたか？

自分の芯をしっかり持っていて、すごく正直な子だなと思い、そこに近づけられるように演じました。

──共感できる点はありましたか？

両親と離れて、学校に近い叔父さん・歌川茂道（高良健吾）の家で暮らすことになり、その家が実はシェアハウスで。その時点で直達を取り巻く環境は、普通の高校生とはちょっと違いますよね。だから、自然と大人に対する意見も、僕自身や同年代の人とはちょっと違っていて。年齢に対して、考え方はちょっと大人なんだろうなと感じていました。

そういう環境のなかで直達は、年上の女性・榊さんに恋心というか…憧れを抱くのですが、そこに関しては実はあまり共感しませんでした（笑）。僕自身は同い年のほうが分かり合える部分が多いのかなと思っているところがあって。その点は違うからこそ演じられて楽しかったです。

劇中、前半の直達はあまり感情を出さず、人に意見することはないんです。内に秘めるタイプの子に見えると思うのですが、一度バッと感情を出してからは、正直に自分が思っていることを言うようになります。僕もズバッと意見するタイプなので、その点は共感できました。

──撮影で一番印象に残っているシーンはどこですか？

感情が溢れてしまう泣きのシーンは、本当は1日で撮り終る予定だったのですが、うまくいかず、2日間かけて撮りました。監督が「もう1回やろう」と言ってくださって。

──2日目になり、納得のいく“泣き”ができたのでしょうか？

1日目にうまくいかなくて、悔しくて。いろいろな感情がありました。その日は高良さんや監督、スタッフの皆さんからたくさん励ましていただいたので、気持ちを切り替えて。家に帰ってから、次の日まで、そのシーンのことは考えず、真っ白な状態で撮影に臨みました。

──そうすることで、イメージ通りの芝居ができましたか？

はい。もともと、あまり考えすぎずに演じることが、自分に合っているなと思ってやってきていました。

でも、今回、台本を最初に読んだときから、そのシーンは大事だと感じていましたし、クランクインからずっと「あのシーンはいつ撮るんだろう」と気にしてしまっていて。自分らしくなかったんですよね。「考えちゃいけない」と思っても、考えずにはいられなかったので。

だから、1日目はうまくいかなかったんです。そこで落ち込んでいても仕方がないので、気持ちを切り替えて、ゆっくりお風呂に入りました（笑）。

──主人公・榊千紗を演じる広瀬すずさんの印象を聞かせてください。

本当にいろいろな作品に出演されていて、すごく存在感のある女優さん。テレビをつけるといつも出ていらっしゃるし、表現力も圧倒的で、憧れの存在でした。

その広瀬さんと並んで作品を成り立たせていく役割を担うことは、もちろんうれしかったのですが、すごくプレッシャーでした。

──直達はやがて榊に惹かれていきますが、榊の魅力はどこにあると思いますか？

普段は愛想がなくてちょっと怖い（笑）、でも、ご飯を振る舞ってくれることもあって。波が激しいのですが、掴み切れない、ミステリアスな雰囲気に直達は惹かれたのかなと思います。

──榊が豪快に作る料理は、食欲をそそるものばかりですよね。

直達がシェアハウスに入った初日に食べさせてもらったポトラッチ丼（牛丼）は、とてつもなくおいしかったです（笑）。いいお肉を使っていて、味付けがシンプルなので、素材の味が生かされている感じ。

僕は普段あまり料理はしないのですが、あのポトラッチ丼は簡単にできそうだったので、家で作ってみたいなと思っています。

──本作に携わったことで、何か自分の中で変化はありましたか？

先ほど、泣きのシーンがうまくできなかったという話をしましたが、あの“つまずき”は僕にとってすごく大きな出来事でした。

そういう重要なシーンに向けての心構えは大事だと思うのですが、今まで当たり前にできていたことが、今回はできなかった。たくさんの人に迷惑をかけてしまったけど、切り替えてあの日を乗り越えられたことで、また一つ、新しい自分を知ることができたなと思っています。

──映画の見どころをお願いします。

直達が感情をあらわにして涙を流すシーン、直達としてはそこが重要なシーンだと思うので見てほしいです。溜めていたものが溢れる瞬間ということもそうですし、それが榊さんにどう響いていくのか、注目して見てください。

――直達は、人に対して心を閉ざしている榊にも積極的にコミュニケーションをとりますが、ご自身はいかがですか？

積極的にガンガンいくタイプです（笑）。それは、恋愛でも、友だちに対してもそうですね。基本的に僕から話しかけることが多いです。

──本作の主題歌は、スピッツの「ときめきpart1」。最近ときめいたことを聞かせてください。

先日、男子4人で海沿いに遊びに行ったのですが、そこで（石などを水面に投げる）水切りを延々とやってはしゃいで。高校生になっても、そういう遊びで楽しめる自分にときめきました（笑）。

──もうすぐ父の日です。父の日、もしくは父親との思い出を聞かせてください。

父は明るくて、すごく好奇心旺盛で、今も子ども心を持っている人。父の日に何かプレゼントをするとか、そういうことはあまりできていないのですが、父はゴルフが好きなので、よく一緒に打ちっぱなしに行っています。

──大西さん自身も好奇心旺盛だそうですが、父親から受け継いでいるのですね。

そうかもしれません…いや、よく考えたら、父だけじゃなくて母も、家族そろって好奇心旺盛でした！

そんな両親から生まれた僕は、好奇心の塊ですから大変です（笑）。でも、僕がやりたいと思ったことは基本的にやらせてくれて、自由な環境で育ててくれて、本当に感謝しています。

──5月に17歳になったばかり。17歳の目標は？

何にも縛られることなく、いろいろなことに挑戦していきたいです。

私生活では成人まであと1年という年齢なので、“できること”を増やしていかなければと思っていて。

先ほど、料理はあまりしないと言ったのですが、料理動画を見るのはすごく好きなんです。作ってみたいという気持ちもありますし、もともと食べることが好きなので「お腹すいたな」と思ったときに動画を見ると満たされるんですよね（笑）。

今後は、“できること”の一つとして、動画を見るだけじゃなくて、料理ももっと作れるようになりたいなと思っています。

──年齢＝芸歴で、出演作も多いですが、今後やってみたい役柄、作品のジャンルなどはありますか？

スポーツ系とコメディ系の作品はやってみたいです。

特にスポーツは、野球、バスケットボール、フェンシングだとうれしいです。経験したことのある競技だと、ありのままの自分を出すことができるので、楽しめそうです。

撮影：河井彩美
スタイリスト：MASAYA
ヘアメイク：Emiy