世界各地の街角に描かれた、バンクシーさんのグラフィティ・アート。
反消費主義や反権力、反戦を訴えるグラフィティの多くが無断で描かれた落書きでもあります。その落書きに、なぜ世界中の人々は感動するのか…。
その謎を解くため、俳優・杏さんがバンクシーのグラフィティを探し求める旅に出ます。
BSフジで『杏が見た!“バンクシー”の世界と英国グラフィティ・アートの旅』(11月4日)が放送されます。
人々を魅了するグラフィティの秘密に迫る旅
今回訪れるのは、バンクシーさんの原点であり、今、世界中でストリート・アートが最も盛んな国・イギリス。
謎のアーティスト・バンクシーさんの出身地である、ブリストルや、グラフィティの発信地として世界から注目されているロンドンなどを訪れ、バンクシーさんオリジナルのグラフィティを探していきます。
バンクシーさんのようなアーティストが誕生した背景、政治や社会に対する強烈なメッセージはどこから生まれたのか、人々を魅了するグラフィティの秘密に迫ります。
さらに、現地のアーティストたちとの出会いを通じて、バンクシーさんから受けた影響、グラフィティの魅力や歴史についても探ります。
ストリート・アートとも呼ばれるグラフィティは、非合法を理由に消されたり、ほかのアーティストによって上書きされたり、売却目的で切り取られたり…。
マップなど存在しない手探りの旅。はたして、杏さんは、バンクシーさんのグラフィティを見つけることができるのでしょうか。
2007年、バンクシーさんがロンドン西に位置するノッティング・ヒルにあるレストランに描いた作品。
蝶ネクタイの背広の画家らしき西洋人の姿、そして背面にはバンクシーのタグいわゆる署名が描かれています。
2017年9月、シティ・オブ・ロンドンにある文化施設バービカン・センターの壁に描かれた「バスキアさんとの非公式コラボ」とされた二つの作品のうちの一つ。
バスキアさんは、1980年代にニューヨークで活躍した黒人アーティスト。27歳で死去。バスキアさんの代表作「ジョニー・ポンプの少年と犬」をモチーフに、警察の取り調べを受けるバスキアさんをイメージしていると言われています。
このグラフィティこそが、生前はバスキアさんを認めなかったバービカンへのバンクシーさんらしい皮肉であり、バスキアさんへのオマージュ。
杏さんに説明しているのは、ロンドンのストリート・アートガイドのジェシカ・オニールさん。
2016年6月、バンクシーさんはブリストルのブリッジファーム小学校に早朝忍び込み、校舎の壁にグラフィティを残しました。
現場には、バンクシーさん直筆の手紙が添えてあり、ハウス(寄宿舎)に自分の名前をつけてくれたことへのお礼が書かれていました。
杏さんは、グラフィティの最初の発見者で、小学校管理人ジェイソン・ブレディさんに当時の様子を聞きます。
『杏が見た!“バンクシー”の世界と英国グラフィティ・アートの旅』は、11月4日(土)20時よりBSフジで放送されます。
<杏 コメント>
日常世界にふと現れるストリート・アートの価値は、はたして誰がジャッジするのか。世界の人々はなぜバンクシーさんに魅了されるのか。
今、目の前にあるアートは、いつまでここにあるのか誰にもわからない。イギリス各地の作品たちを見つめながら、バンクシーさん、そしてストリート・アート、ひいては今まで人が生み出した物すべてについて考える大きなきっかけとなり、自分自身も初めて触れることが多い世界だった。
せひ、2023年の今このときしか映像に残せていないかもしれないアートの数々を、一緒にご覧いただきたい。
日本と比べると、やはりヨーロッパのほうがさまざまな価値観や、国・人種が入り混じるような社会ということが大きく影響していると思うが、その分いろいろな人の思いが多面的で主張しなければならないことや、主張していきたいことがうずまく環境なのだろうと思った。
ただ、必ずしも日本にまったくないというわけではないと思うので、日本に帰国したときに、どのようなグラフィティ・アートが表現されているのか見てみたい。