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望海風斗 トップで戦ってきた“強さ”ゆえ「人に甘えることに関してはまだまだ」

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望海風斗(のぞみ・ふうと)さんが、仕事やプライベートでの“欲”を明かしました。

<【写真10枚】この記事の写真を見る(アザーカットあり)>

宝塚歌劇団を退団後、「ガイズ&ドールズ」「DREAMGIRLS」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」など舞台を中心に、数々の人気作に出演している望海さん。

そんな望海さんが新たに挑むのが、ミュージカル「イザボー」。フランス王朝で欲望のままに生き、国を破滅へと導いた“最悪の王妃”イザボー・ド・バヴィエールの半生を描いたオリジナル作品です。

百年戦争の時代、イザボー(望海)の夫・シャルル6世(上原理生)は、ある出来事を境に狂気に陥ります。破綻した王政につけ入ろうとする勢力に立ち向かうため、イザボーはシャルル6世の弟・オルレアン公ルイ(上川一哉)と不貞関係になり、権力獲得を目指して生き抜きます。

フジテレビュー!!は望海さんにインタビュー。役作りや共演者の印象、プライベートで行きたいところなどを聞きました。

「懐かしい感覚」逆境に立ち向かう“最悪の王妃”役に手応え

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――脚本を読んで、イザボーはどんな人物だと感じましたか?

すごくパワーのある人だと思いました。女性が政治から遠ざけられていた時代において、イザボーはどうすれば自分が政治の世界に入り込んでいけるかを考え、彼女なりに道を切り開いていきました。自分のためだけではなく、夫である王や、国を支えるためでもあります。

資料などを調べると、イザボーについて良いことはほとんど書かれていないのですが、時代や境遇を考えると、彼女ほど行動力がある人は、いないのではと思います。決して屈しない、諦めない精神や、女性の可能性を広げるエネルギー、人間の根底にある強さを持っている女性という印象です。

――イザボーに共感する部分はありますか?

置かれた状況で大切なものを守り抜くにはどうしたらいいか、と考えることは、イザボーに限らず私たちにもあるのではないでしょうか。その時は「今やるべきことをやらなきゃ!」と必死で、限られた選択肢しか見えず、後から「ほかにも方法があったな」と気づくこともあると思います。

イザボーの場合、結果、あまり良くなかった行動もありますが、彼女なりに必死だったのだと想像します。そういう部分は共感できますし、きっとお客様にも理解していただけるところではないかなと思います。

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――“最悪の王妃”という役柄ですが、役作りについて、考えていることはありますか?

私が退団してからいただいてきた役は、あまり出会ったことがないタイプの女性が多くて、ある意味“挑戦”でした。自分のなかの、知らない扉を開けていくような感じです。でも、イザボーに関しては懐かしい感覚がするんです。

逆境がやってきて、それに立ち向かうと、さらに何かやってきて、また立ち向かわないといけない。宝塚のときもそういう役が多かったので、大きなものに向かうときの孤独感や人間の底力など、時代を超えても変わらないものを思い出しました。

私自身に眠っているそういう力も、イザボーを通して活性化できるんじゃないかなと感じています。

――何かに立ち向かっていく望海さんの姿が、また見られるのですね。

そうですね、すごい顔をしているかもしれないです(笑)。

共演の甲斐翔真は「お芝居の楽しさを思い出させてくれる」存在

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――本作は、日本発のオリジナルミュージカルを世に送り出す「MOJOプロジェクト」の第一弾です。望海さんにとっての、オリジナル作品の魅力を教えてください。

私は宝塚でも、多くのオリジナル作品に出演してきましたが、最初の頃は「ハマらなきゃ」と思っていました。その作品を作り出して、作品のことを一番知っている方が演出しているわけですから、その方の世界観にどうにかしてハマらなきゃと思っていたんです。

でもだんだん、生身の人間が動くことで、作り手も想像していなかった展開が起こることが、オリジナル作品の楽しみだと感じるようになりました。

その作品を誰よりも知っている方がいるというのは、何かあったら相談できるのでありがたいですが、理解の深さという点では、やっぱり敵わない部分もあります。でも、「そこを超えて行きたい」と思うことが、私のエネルギーになっているかもしれません。

今回、作・演出の末満健一さんとは初めてご一緒しますが、末満さんの世界観をくみ取って、かつオリジナリティを加えて、想像を超える世界を作り出せたらと思います。

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――本作には、イザボーの実子・シャルル7世役の甲斐翔真さんをはじめとした、実力派俳優が集結します。

知っている方が何人もいらっしゃるので、心強いです。個性豊かな方々ばかりなので、お互いに刺激し合いながら、それぞれの力を足していくというより、掛け算のような感じで膨らませていけるのではないかな、というのが楽しみです。

――甲斐さんとは「Next to Normal」「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」に続き、3度目の共演です。どんな印象を持っていますか?

すごく自然で、嘘がない方だと思います。セリフを交わしていると、お芝居をしている感覚を忘れるというか。ちゃんとまっすぐ向き合ってくれるので、安心感があります。

長く舞台に出演していると、だんだん自分の“型”ができたり、「こう見せたいな」と技術的な面を考えたりしてしまうときもあります。

でも、翔真くんとお芝居をしていると、そのときの感覚を大切にしたり、いま目の前で起きていることに素直に向き合うのがお芝居の楽しいところだ、というのを思い出させてくれたりするので、初心に帰ったような気持ちになれます。

「1人で頑張ろうとすることに慣れ」も 今は“人に委ねる”を意識

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――イザボーの役柄にちなみ、望海さん自身の最近の“欲”があれば教えてください。

たくさんありますが、プライベートでは”海外旅行に行きたい欲“がずっとあります。今年はニューヨークに行ったのですが、いつかヨーロッパにも行って、出演作にまつわる場所を巡りたいです。

特に、ドイツとウィーンに行きたいですね。宝塚でベートーヴェンの役を演じたときに、彼が生きてきた場所、見てきた景色を私も見たいと思っていたので、いつかぜひ叶えたいです。

私はもともと、建築物を見るのがすごく好きなんです。ヨーロッパにはお城や教会など古い建物がたくさんあるので、そこへ行って「これが建てられた時代は、どんな人たちが、どう過ごしていたんだろう」と、ボーッと想像しながら眺めたいです。

――お仕事面では、“欲”のようなものはありますか?

やっぱり女性としてまだまだ課題が多いといいますか…(苦笑)、自分自身が違和感を抱かないくらい、自然に女性を演じられるようになりたいです。

これは人それぞれだと思いますが、宝塚でトップ男役として、あの大きな羽を背負わせていただいて、劇場の大きな空間を埋めるというのは、なかなか出来ない経験でした。舞台で戦い抜いてきた“強さ”みたいなものを、宝塚では得られたと思います。

でも、今はそれが逆に強すぎてしまって。人に委ねるとか、甘えるとか、時の流れに身を任せるとか、そういうことに関してはまだまだだなと。1人で頑張ろうとすることに慣れてしまっているので、まだ意識しないと、人に委ねられないときもあります。

もちろん、そういうことが自然にできる元男役の方もいらっしゃると思うので、これは私自身の問題だと思いますが、こうやって今まで考えたことがなかった課題に出会えるのも幸せだな、と感じています。

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――人に自然に委ねられるよう、心がけていることはありますか?

うーん、なんでしょう…あまり1人で責任を負おうとしない。いい意味でちょっと適当さを持つ、でしょうか。

「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」のときに、海外の演出チームに言われたのが、「自分自身をすごく大切にして。あなたが素晴らしい人間であるから、その役が生きてくる」ということ。

自分を大切にするって、すごく難しいことだと思うんです。自分を甘やかすではないですけれど、自分自身にちゃんとゆとりを持たせるというか。「ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル」中から意識していますが、まだ難しいなと感じているので、自然にできるようになればと思います。

撮影:河井彩美
ヘアメイク:yuto
スタイリング:為井真野(KIND)

衣装:スヌード風ケープ¥24,200、シャツワンピース¥46,200(ともにモガ)/イヤリング¥2,100、リング¥12,600(ともにアビステ)/ブーツ(スタイリスト私物)

<MOJOプロジェクト -Musicals of Japan Origin project- ミュージカル「イザボー」概要>

作・演出:末満健一
音楽:和田俊輔
出演:望海風斗、甲斐翔真、上原理生、中河内雅貴、上川一哉、那須凛、石井一孝 ほか

【東京公演】2024年1月15日(月)~30日(火)/東京建物Brillia HALL
【大阪公演】2024年2月8日(木)~11日(日)/オリックス劇場

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