フィギュアスケーター3人が意外な告白をしました。
12月17日(日)の『ボクらの時代』は、プロフィギュアスケーターの高橋大輔さん、荒川静香さん、鈴木明子さんが登場しました。
高橋大輔「ずっとエンターテインメントの世界に関わっていたい」
2014年に一度引退。その4年後に復帰し、今年5月に二度目の引退を発表した高橋さんは、今後の展望について語りました。
荒川:競技者としては、二度目の引退したじゃない?そうすると、もう完全に競技会からは引退だけど、(今後)こういうことやっていきたいっていうのは、もうビジョンがある?
高橋:ずっとエンターテインメントの世界に関わっていきたいっていう、それだけかな。形はなんであれ。
荒川:ショーをつくったり、パフォーマンス…。
高橋:ショーをつくったり、パフォーマンスしたり。それこそサポート、裏方に回ったりとか。それは、時期によって変わってくると思うから。でも、何かしらに関わっていけたら。ただそれが、例えばキャスターとかのしゃべりになってくると、テンパり過ぎちゃって…。
鈴木:自分の言葉で話したりとか?
高橋:言葉で話したりとか、ギュッとまとめるとか。「あ、好きじゃないんだな」って。
荒川:そういう仕事するときは、何かに憑依(ひょうい)したらいいんじゃない?
高橋:いや、ダメなの。もう今、トラウマだから。例えば、こうやって「対談します」じゃなくて、僕がインタビュアーになってインタビューするとするじゃない?今でもなんだけど、こういう話の中で質問してくださいみたいなのになると、もう耳鳴りじゃないけど、聞こえちゃうの。
鈴木:そんなに?
高橋:そう。カンペでちょっと助けられても、ドキドキするの。結構、トラウマなの。
鈴木:じゃあ、やったことのないことで、やってみたいことは?
高橋:お芝居。舞台でのお芝居とかは、すごく興味ある。
鈴木:(舞台に立っているところを)観たい、観たい。
高橋:でもね、40歳がすぐくるし。いろいろ何かに挑戦するにしても、ラストチャンスだと思ってる。
高橋さんは「だから、まだ何も(オファーは)来てないけど、こういう場所で言うようにしている(笑)」と語りました。
現役復帰で「やっぱりスケートが好きなんだ」
12月21日(木)に「全日本フィギュアスケート選手権2023」が開幕します。
3人は「初めて出たときの、あの喜びはなんだったの?」と思うほど、出場を重ねるにつれ、さまざまなプレッシャーから「年に1回、一番嫌な試合だった」と口をそろえました。
高橋:でも、現役復帰してから出たときは「うれしい!」ってなったよ。「行けた、全日本」みたいな。
荒川:ああ、それはいいよね。
鈴木:それ、いいね。
荒川:そこを越えたんだね。
高橋:越えたんだと思う。
鈴木さんは、一度目の引退後の高橋さんに「ちょこちょこ会っていた」といい、その様子が「すごくストレスを感じているようだった」と、心配していたことを打ち明けました。
高橋:自分でも、自分のことを「大丈夫かな」って思っていた時期(笑)。本当に、顔色も、表情も悪いし。
鈴木:確かに。
高橋:「あ、俺ってこんなブサイクなんだ」と思っちゃって。
荒川:むくんでたよね、会うたびに。
高橋:そう(笑)。
鈴木:(苦笑)。
高橋:引退して、やることも、やりたいこともなくて。スケートも嫌過ぎて、ニューヨークとか行ったりとかしたんだけど。とりあえず、いろいろやってみようと思って、キャスターみたいなことをやらせてもらったりして。「全日本」とか、それこそ毎回、間近で見させてもらって。今までは「出るなら、勝たなきゃいけない」「トップにいかなきゃいけない」という感じだったんだけど。
でも、それぞれの子たちの目標の中で頑張って戦ってるわけじゃない?それを見て、ちょっと感動したんです。「あ、これだ」と思って。僕も、別に勝てなくてもいいけど、自分の思い描くもののために、スケートをもう一度、取り戻さなきゃと思って。それにはちょっと、現役復帰するくらいやらないと、たぶん取り戻せないなと。中途半端になっちゃうな、と思ったから。
鈴木:そういう環境下に身を置かないと…。
高橋:そう。あんまりいろんなことができるタイプじゃないから、ひとつのことでもう1回作り直して、自分の自信も取り戻そう、みたいな気持ちで再スタートしたっていう感じ。
荒川:やってみて、実際どうだった?
高橋:めちゃくちゃ、楽しかったです。
荒川:楽しかったんだ?
高橋:うん。(それまで)「スケートが好き」って言えなかったんです。「嫌いではないんですよ」とは言っていたけど。(復帰して)「ああ、やっぱり好きなんだな」と思いました。
鈴木さんは、高橋さんに「またスケートが見られてよかった」と語りましたが、復帰宣言には「めっちゃびっくりした。4月じゃなかったけど、エイプリルフールかと思ったよ」と、当時の驚きを振り返りました。
荒川静香「スケートに満足できる気がしない」
高橋さんが、スケートを続けてきたモチベーションについて荒川さんに聞くと…。
荒川:やめる=負けだった。
高橋:ああ、自分に?
鈴木:へぇー。
荒川:そう。「ああ、やめちゃうんだ、私」っていうのが。
高橋:「納得してないのに」みたいな?
荒川:そう。だから、やりたいというよりは、やめられなかった。
鈴木:(笑)。
荒川:いまだにかもしれないけど。だから、満足したらやめるときだなって本当に思うんだけど。
高橋:満足できた?スケートに。
荒川:全然。だから、まだ(プロフィギュアスケーターとして)やっちゃっている。
高橋:あ、そういうことね。
荒川さんは「どうしようかと思ってる。満足できる気がしない」と笑いました。
鈴木明子が語る空白の1年「試合に出ていくことがつらかった」
鈴木さんは、スケーター人生の中での葛藤を明かしました。
荒川:スケートをやってきた人生の中で、一番うまくいかなかったときって、いつですか?
鈴木:スケート人生で考えると、やっぱり(摂食障害で休養していた)空白の1年。「全日本」の結果が、そこだけないので。ずっと出ていた「全日本」が…。何がつらかったかって、病気もつらいんだけれども、試合に出ていくことがすごくつらかったの。もう結果が絶対に出ないのがわかっていて、ギリギリ通るか通らないかっていうのを初めて経験するわけ。でもみんなは、それこそトリノオリンピック前ですごかった。特に女子が…。
高橋:女子、そうだね。
荒川:白熱していたからね。
鈴木:そう。白熱していた。
荒川:新しい世代も、どんどん台頭してきていたし。
鈴木:そう。で、(鈴木は)「終わった」って思われている。「もう自分ってダメなんだ、落ちこぼれちゃったんだ」みたいなところは、すごくあった。でも、それって結構、過去に引きずられていて。「(安藤)美姫とか、(浅田)真央とかと、みんなで戦ってたのに」って思っていたけど、それを捨てちゃったら楽になった。過去の小さなプライドとか、「あのときできていた」という思いを全部なしにして、「今から新しい自分としてやっていこう」みたいな。
荒川:本当に、すべてを捨てきれたならばって思うけど、でも捨てきらなかったから、プライドがあったから、それがまた動力になったところもあるのかな…今思えば、だけどね。
鈴木:うん、今思えば。
荒川さんは「1回何かを経験して、また這い上がってきた人たちのスケートって、面白いもので、そこに味が出る。深みが出るから、それは見ていて、すごく感じるよね」と、鈴木さんを代表する、苦難を乗り越えたスケーターたちへの思いを吐露しました。
公式HP:https://www.fujitv.co.jp/jidai/index.html
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