小さなブランディング会社が「対話」をテーマにした宿泊施設を作ったわけ。「ヒュッゲの森 Hostel & Workspace」オープンまでの軌跡。
2019年創業のイロドリブランディング株式会社は、「違いに誇りを。 らしさに愛を。」をコンセプトにした、小さなブランディング会社です。
「ブランディング」というと、「盛って良く見せる印象操作」のように考えられてしまうことがありますが、私たちの考える「ブランディング」とは、「人や商品、サービスが本来持つ良さにスポットライトを当て、育むこと」と定義しており、その「本来持つ良さ」を確認する行程では「これまでの当たり前に囚われず、視点を変える」ことが一番大切であると感じています。
2023年8月、私たちは山梨県北杜市に宿泊機能付きのコワーキング&交流スペース「ヒュッゲの森 Hostel & Workspace」をオープンする運びとなりました。本ストーリーでは、代表の村本彩が施設誕生までの裏側やその特徴についてお伝えします。
irodori Branding株式会社 代表 村本
これまでの「当たり前」が崩れた世界的なパンデミック
2020年に始まったコロナによるパンデミックは、私たちの生活スタイルを始め、価値観にも大きな変化をもたらし、働き方やコミュニケーションの在り方、家族との過ごし方、お金の使い方、健康についてなどを改めて見つめ直すきっかけになりました。
世界規模で様々な「当たり前」が崩れたこの3年間を通し、多くの人々が「これからの時代、自分は一体何を信じて、どう生きるのか?」を考えさせられたことと思います。しかしその時間は決してマイナスばかりではなく、「これまでの当たり前」に囚われず「自分にとって本当に大切なもの」に気付くことができた時間になった人もいることでしょう。
そして、世界的なパンデミックが収束を見せ、感染対策と社会経済活動の両立(ウィズコロナ)が進んだ今、元の生活に戻ったことを喜ぶ声が聞かれる一方で、私の中には見過ごすことのできない違和感が生まれました。それは、“3年前の日常が戻ってきた訳ではない”ということです。この3年間をなかったことにするのか、それともコロナ禍で人類に向けられたメッセージを自分なりに咀嚼し、「新たな視点」を得て、どう意味を見出していくのかによって差が出てくるのは、皆同じように自粛・制約を強いられていたこれまでの期間以上に、むしろここからだと感じています。
そのような危機感の中、私たちイロドリブランディングにできることは何か?を考えた時に出てきた答えが、「新たな視点を得るために必要な対話を体験できる場所」を作ることでした。
なぜブランディング会社が宿泊施設を作るのか?
私たちイロドリブランディングでは、社内ミーティングや顧客のブランディングを行う際も、またプライベートにおいても、「こんな話をして一体何の意味がある?」と思うようなところまで話を広げたり深めたりして問い続け、対話を重ねます。それは時に、出口の見えない時間、無駄にも思える時間です。しかし、「生産性」や「効率化」というものさしでは決して計る事のできない、回り道とも思える時間こそが、「当たり前」に囚われず、新しい視点を得て、価値創造するために必要なクリエイティブプロセスであると考えており、このクリエイティブプロセスは「問い」と「対話」なしには成立しません。
また、世界規模で「当たり前」が崩れた3年の間に、私たちに投げかけられた大きな問いの答えは、ただ世の中に溢れている知識や情報をインプットするだけでは見つかるはずもなく、かといって忙しい日常の中で一人で問い続けるというのは、決して簡単なことではありません。だからこそ、意図的に足を止めて五感を取り戻しながら、新たな視点を得るための対話ができる、安心安全な「場所」と「仲間」の存在が大切であると思いました。
「現代のような予測困難な時代であっても幸せに生きていくために、『Life』も『Work』も含めた深い対話が生まれる場所を作ろう」、その想いが定まった時、私自身も建設地となる山梨県北杜市へ家族と共に移住。
北杜市にて家族と
宿泊機能付きコワーキング&交流スペース「ヒュッゲの森 Hostel & Workspace」建設がスタートしました。
「ヒュッゲの森」建設模型
「ヒュッゲの森」で展開される3つの対話
「ヒュッゲの森」では、従来の宿泊施設やコワーキングスペース、ワ―ケーションに囚われないフレキシブルな活用を見出せる場として、多様な価値観が融合することを尊重しています。そして、この場所で得られる対話の価値は、以下の3つであると考えています。
①自分のコアと向き合う対話の価値
「対話」というと相手の顔が必要と考える方も多いかもしれませんが、「ヒュッゲの森」で一番大切にして欲しい対話の相手は「自分自身」です。
豊かな自然に囲まれた環境では、まず第一に目や耳から入ってくる情報そのものの質が都会とは全く異なります。そこにあるのはきっと、最近感じていなかった心の平穏と「今ここ」を感じて、忙しい毎日の中で置き去りにしていた仕事や暮らしの中にある“緊急ではないけれど、人生において本当に大切なもの”。
この場所で自分とゆっくり対話することで、普段であれば出てこないような考えや気持ちがどんどん湧き出てくることを感じられると思います。
②心がほぐれた状態で他者と向き合う対話の価値
一般的なコワーキングスペースのイメージは、一人で黙々とパソコンに向かい業務に打ち込む姿をイメージする方も多いかもしれませんが、「ヒュッゲの森」では、ぜひスマホやパソコンを閉じて、大きな窓から見える青い空と緑、風を感じながら、仲間との対話の時間を過ごして下さい。ジャッジのない対話の時間、あえてゴールを置かないミーティング、結果や成果ではなく、プロセスや在り方を尊重する姿勢。
その世界はとても穏やかで温かく、エネルギーに満ち溢れています。対話の質と量が変わると仕事の密度が上がり、これからの時代に必要な形と言われる「シェアドリーダーシップ」(チームメンバーそれぞれがリーダーの役割を共有している組織の状態)を発揮し、自走する組織へと変化していくターニングポイントになるでしょう。
③普段の生活では交わることのない人たちとの対話の価値
生き方、働き方が多様化する社会においては、時に「このままずっとこの場所で、この仕事をしていていいのだろうか?」という葛藤を抱くこともあるでしょう。大人になればなるほど意図せずとも固定化されてしまう、仕事や人間関係、そして自分の考え方。
「ヒュッゲの森」で普段の生活では決して交わることのない人たちが、偶然同じ場所に来たことで一緒に作業をしたり、新しい体験をしてみる。そんな経験の中で、自分の固定概念を打破し既存の枠を超える経験も、この場所で味わってもらいたいことの一つです。
働きがいや生きがいを持てる人や組織が増える社会作りに貢献したい
「ヒュッゲ」とはデンマーク語で「居心地の良さ」や「大切な人やモノとのつながり・一体感」と言った、心が満たされる感覚を表す言葉です。物質や地位といったもので満たされるのではなく、「どんな在り方でどんな時間を過ごしたいか?」という”自分にとっての幸せ“に目を向ける事を大切にした考え方になります。
変化の激しい時代においては、目の前の変わりゆくものを追うことも必要ですが、地に足のついた幸せを求める人たちにとっては、“変わらずそこにあるもの”に目を向けていくことが、より一層大切な要素になってくるのではないかと思っています。「ヒュッゲの森」を訪れる方々にとって“自分の原点を思い出すような場”、日常から離れすぎない“心の拠り所”となり、予測困難な時代であっても、働きがいや生きがいを感じられる人や組織が増える社会作りに貢献していきたいと考えています。
プロジェクトメンバーと共に(前列中央・村本)
【ヒュッゲの森 HP】
【ヒュッゲの森 Instagram】
https://www.instagram.com/hygge_the_forest/
施設外観
ワークスペース
ウッドデッキ
共有のリビングスペース
共用のキッチンスペース
ベットルーム
【運営会社HP】
行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ

国際女性デーにちなんだミモザのアイテムで女性支援! フェアトレード専門ブランド「ピープルツリー」が生産団体とともに手掛ける手刺繍アイテムの制作ストーリー
2025年03月06日 |
13:05

開かれた研究農場であるために。未来ある子どもたちに向けて
2025年03月04日 |
09:30

自然な甘さと腹持ちの良さで女性の心を掴んだ「Fibee むぎゅっとワッフル」開発者の思いと奮闘
2025年03月03日 |
14:00

予防相続で争族に備える【後編】
2025年03月03日 |
11:00

育て上げネットによる若者向け自己理解を深めるプログラム「シル・ミル・テミル」の事業開発ストーリー
2025年03月03日 |
10:00

将来的なクラウドシフトを見据えた、新たな監査の仕組みを形に―データベース監査システム刷新プロジェクト
2025年02月28日 |
11:00