『監察医 朝顔』(第2シーズン)第15話完全版

朝顔(上野樹里)、桑原(風間俊介)、そして娘のつぐみ(加藤柚凪)は、仙ノ浦から戻り、また一緒に暮らすことになった平(時任三郎)と一家4人、水入らずで年末年始を過ごす。朝顔は、三が日明けに訪ねてくる桑原の両親や忍(ともさかりえ)一家を迎える準備も進めていた。

そんな折、朝顔のもとに茶子(山口智子)から連絡が入る。承諾解剖の相談だった。興雲大学法医学教室にやってきた茶子と若林(大谷亮平)は、今回の案件に関して朝顔たちに説明をする。

遺体は猿渡正夫という65歳の男性。猿渡は、ヨーロッパのとある国のホテルで亡くなっていた。猿渡は、妻の佳織(美保純)、ひとり娘の優香(菅野莉央)と3人で暮らしていたが、ある日突然姿を消し、家族から捜索願が出されていた。

猿渡の遺体には首をつった痕跡があり、現地での解剖の結果、自殺と断定されていた。佳織たちは、若林らにエンバーミングのやり直しを依頼した際に、再解剖を希望したという。

佳織と優香から事情聴くと、再解剖を強く希望しているのは娘の優香だった。現地に遺体を引き取りに行った優香は、ホテルのスタッフと警察の会話から、正夫が女性と一緒だったらしいことを知り、その女性に殺害されたのかもしれないと言い出す。その女性に心当たりはないが、正夫はかつて愛人を作ったこともあるというのだ。

実は優香は、野毛山署強行犯係の刑事・森本(森本慎太郎)の学生時代の友人だった。森本は、父が自殺したことを信じられないでいる優香に、再解剖という選択肢があると助言していた。朝顔たちは、再解剖では得られる情報が少ない可能性があること、また無償ではないことを説明した上で依頼を受け、猿渡の解剖を行うことにする。

法医学教室に検視官の伊東(三宅弘城)がやってくる。藤堂(板尾創路)は、伊東を通じて県警にも話を通し、解剖後、遺族に綺麗な形で遺体を返すために、非常勤のエンバーマ―として茶子と連携しようと考え、大学側の了解を得ていた。その申し出を快諾する茶子。

朝顔は、そんな茶子に、平がアルツハイマー型認知症であることを打ち明ける。そこで朝顔は、平に会ってあげてほしい、と茶子に頼んだ。

その夜、帰宅した朝顔は、正夫の再解剖のことを平に伝える。すると平は、その男性にも事情があるかもしれないのだから調べなくても良いのではないか、と言い出す。朝顔は、自殺した男性の気持ちが少しわかる、という平に反発するが、口論するのを避け、風呂に入る。だが、朝顔が入浴を終えて戻ると、平はもうその話を覚えておらず…。

あくる日、万木家には、桑原家の面々がやってくる。朝顔と桑原は、先に到着した忍と忍の夫・博人(塙宣之)に平のことを打ち明けた。忍は、そんな朝顔に、大変なことがあったら何でも言って欲しい、と申し出る。

ほどなく、桑原の父・誠(螢雪次朗)、母・静子(岡まゆみ)、妹の志保(高野渚)、忍たちの息子の勇太(奥智哉)がやってくる。テーブルの上に並ぶご馳走を囲んで、楽しいひと時を過ごす一同。そこで朝顔は、みんなで旅行に行こうと提案する。平は、テーブルの下で「桑原一家といつか旅行の約束」とメモしていた。

同じころ、山倉(戸次重幸)は、意外な人物の訪問を受ける。監察官の五十嵐(松角洋平)だった。

ほどなく朝顔たちは、猿渡正夫の再解剖を行う。正夫の遺体は、防腐処理が十分でなかったせいもあり、かなり変色しており、腐敗も始まっているようだった。執刀した朝顔は、正夫の腹部から、ビニール袋に入れられたメモを見つける。そこには「もう調べないでください」と書かれていた。

朝顔は、佳織と優香に会い、メモのことは伝えずに、死因は頸部圧迫による窒息死であることを告げた。しかし優香は納得せず、もう一度解剖してほしいと主張する。朝顔は、即答を避け、考えさせてほしいと告げた。

そのころ平は、警察時代の同期で、いまは相談員をしている糀谷(肥後克広)から誘われて飲みに行く。後輩の矢神(宇梶剛士)、本宮(神尾佑)も一緒だった。

迎えに来た桑原と帰路についた平は、いろいろと迷惑をかけていることを謝った。すると桑原は、自分たちが一緒に住みたいから戻ってきてもらったのだからもう謝るのは止めようと告げ、これから「ごめん」と言ったら罰金制にしようと提案する。

あくる日、朝顔と茶子は、森本に頼んで佳織を呼び出す。朝顔たちは、正夫の腹部から見つかったメモを見せ、正夫がある女性に依頼し、現地の解剖医にも謝礼を払って遺言としてこれを腹部に入れさせたことがわかったと告げる。

すると佳織は、優香が正夫との子ではないことを告白する。佳織はそれを死ぬまで隠し通すつもりでいたが、黙っていることができず、正夫に懺悔したのだという。だが正夫は姿を消し、自殺してしまったのだ。「これは夫なりの復讐だと思います」。そう続ける佳織。朝顔は、正夫の本当の気持ちはわからないが、これ以上、体を傷つけるのは止めにするべきだと告げ…。

夕方、朝顔と平は、つぐみを保育園に迎えに行った帰りに公園に立ち寄る。朝顔は、佳織が優香にどういう話をしたのかまではわからないが、ふたりが再解剖しないことを了承してくれた、と平に話す。

続けて朝顔は、平が正夫の気持ちが何となくわかると言っていたことに触れ、怖かったと告白する。平がもう生きていたくないと考えているのではないかと思ったのだ。それに対して朝顔は、妻の里子(石田ひかり)がいなくなったときや、自分の病気のことは堪えたと言いながらも、残された時間を朝顔たちと楽しく生きると決めた、と返す。

その夜、朝顔は、つぐみにも平の病気のことを伝える。覚えることが苦手になっただけで、つぐみのことが大好きだということは忘れていないから大丈夫、と。

つぐみが寝た後、朝顔たちはビールで乾杯する。そこで桑原は、神奈川県警に戻れることになったと報告する。平の仲間の糀谷たちや、五十嵐管理官が尽力してくれたのだという。

すると朝顔も、報告することがあると言い出す。岩手県警から連絡があり、調べてもらっていた歯は里子のものではなく、宮城県の方のものだと判明したのだ。それをメモする平に、朝顔は、里子の話を聞かせてほしいと頼んだ。

あくる日、朝顔のもとに祖父・浩之(柄本明)が入院している病院から電話が入る。浩之の容体が悪化し、危篤だという知らせだった。

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