2月27日(土)23時40分より、池脇千鶴主演、フジテレビ系オトナの土ドラ『その女、ジルバ』第8話が放送される。

ここまで、超高齢熟女BAR「OLD JACK&ROSE」の歴史がひも解かれ、大きな一歩を踏み出した新(池脇千鶴)やスミレ(江口のりこ)の選択に、視聴者から多くのエールが寄せられている。

第7話では、謎の男・白浜(竹財輝之助)が「OLD JACK&ROSE」を訪れたことをきっかけに、物語は急展開。「OLD JACK&ROSE」でかつて“チーママ”の源氏名で働き、今は直木賞作家の大田原真知(中尾ミエ)が、ジルバママ(池脇千鶴・2役)のブラジルでの悲しい過去を明かした。

中尾演じる真知は、派手な立ち回りと快活なトーク、着物とヒールのコーディネートなど強烈なキャラクターが注目され、登場するたび話題に。そんな中尾に話を聞いた。

<中尾ミエ インタビュー>

――『その女、ジルバ』の印象はいかがですか?

原作も全部読ませていただき大変面白かったですし、とても奥が深い作品だと思いました。まさに私が経験してきた時代背景とシンクロしているので、共感できます。

私の若いころには、ダンスホールというものがあちこちにあって、ジルバが大流行していました。ダンパ(ダンスパーティ)でジルバを踊るのが一番楽しかったですね。だから撮影現場に入ってBARのセットを見たとき、自分の青春時代に引き戻されたように感じました。

――共演者のみなさんとすぐに打ち解けていた様子でしたね。

長い間この世界にいらっしゃる方ばかりなので、みなさんとはこれまでにも別の現場でお会いしたことがありました。同世代という意識もありますし、この世代が一同に集まる現場は最近では珍しくて。草笛(光子)さんなど、今回のキャストのみなさんとご一緒することができてとても楽しかったです。

――今回の役をどのように捉えていますか?

真知は、場を仕切るのが好きで目立ちたがり屋という、なんとなく自分自身とオーバーラップするところを感じています。そういう意味では、派手に振る舞えばいいのかなと。とても私らしい役だと思いますね。

――ドラマでは、「もう40歳」と悲観していた新が、「まだ40歳」と思えるように、意識が変わっていきます。

そういう気持ちは、本当に素敵よね。人によって捉え方はさまざまだと思いますが、40歳は「人生80年」と言われる中では節目の年齢。みなさん自分の年齢についていろいろと考えると思います。そんな時期に、新はBAR「OLO JACK&ROSE」に出会って、高齢でも美しく生きている人に巡り合えた。とてもいい経験だと思います。

「OLD JACK&ROSE」は、新にとって思いもよらない世界だったのでしょうね。実際にこういう店があればいいなと私は思います。ご覧になっているみなさんもそう思っていらっしゃらないかしら?

――40歳のころのご自身を、少し振り返っていただけますか?

歌手活動のほかにバラエティ番組でトークなどの仕事をしていた時代で、ヒット曲はなかったけれど、それはそれで楽しかったですね。

人生はいろんなことがありますし、短いけれど長いです。長く生きていればいろいろと経験できるので、私はそれを楽しみたいと思っています。

――今年はどのような経験をしたいと思いますか?

昨年が(新型コロナウイルスの影響で)異常な1年だったので、みなさんも同じ気持ちだと思いますが、この“束縛”から抜け出せたらもうそれだけで幸せ。マスクを外してみんなで笑い合えればね(笑)。

やっぱり人間って、辛いことや制約があったりすると、それから解き放たれた時により一層うれしさを感じるものだと思います。だから、コロナ禍でのこの初めての経験を活かして明日につなげなくては、よね。

――中尾さんの元気の源は何でしょうか?

私の場合は「とにかく楽しく生きないともったいない」と思って何事にも臨んでいます。「自分はあと何年元気でいられるのか」と考えるタイミングが増えましたし、その気持ちは年々強くなっていくばかり。元気なうちにできる限り多くの楽しいことをやりたいので、やれることは何でも経験してみようと思っています。

そういう意味では、年を重ねるにつれて貪欲になっていますね。だから落ち込んだりする時間がもったいないのよ!だって、時間は取り戻せないじゃないの。1日1日が貴重ですからね(笑)。

――視聴者のみなさんにメッセージをお願いします。

自分の気の持ちようで、年を重ねるのが楽しくなるんだと思って見ていただけるとうれしいです。こういうお店が本当にあればいいんですけれどね。ぜひ、最後まで楽しんでください。

<第8話あらすじ>

ついに会社を辞めて「OLD JACK&ROSE」での仕事一本に絞る決意をした新(池脇千鶴)。退職届を提出し、バーでの仕事にひときわ気合いが入る新だったが、前園(山崎樹範)から、会社を辞めると今の社宅に住めなくなると指摘され、改めて退職という選択の重さに思い知る。

一方、スミレ(江口のりこ)も妊娠が判明、人生の大きな岐路を迎える。デレデレの浮かれ気分もつかの間、なぜか石動(水澤紳吾)と連絡が取れなくなり、不安にさいなまれ店にやってくるが…。