3月24日(水)24時55分より放送される、第32回フジテレビヤングシナリオ大賞『サロガシー』(※関東ローカル)。

サロガシー(代理母出産)やLGBTQを描いたこの作品で、ゲイである兄のために代理母として妊娠出産することを決意する主人公・江島環役を、注目の女優・堀田真由が演じる。

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堀田は、新人発掘イベント「アミューズオーディションフェス2014」で3万2214人の中から選ばれ、16歳で芸能界デビュー。以降、ドラマに映画に引く手あまたで、女性ファッション誌「non-no」専属モデル、結婚情報誌「ゼクシィ」の13代目CMガールに選ばれるなど、結婚情報誌「ゼクシィ」の13代目CMガールに選ばれるなど、多方面で活躍している。

今回、ドラマ初主演となる堀田に『サロガシー』への意気込みや、自身の家族とのエピソード、順風満帆ではなかったという過去についても、たっぷりと聞いた。

「家族って何だと思う?」母にいきなり電話で質問

――ドラマ初主演ですが、オファーを受けたときはどんな気持ちでしたか?

映画では主演をやらせていただく機会がありましたが、ドラマでは初めてなので、本当にうれしかったです。脚本にすごくひかれたので、主演を私に託してくださったことも本当にありがたいと思いました。

――脚本のどんなところに惹かれましたか?

私はずっと、「女性だからこそできる表現をしたい。社会的にまだフォーカスされてない職業を演じたり、LGBTQをテーマにした作品に携わったりしたい」と思っていました。なので、今回その目標をひとつ叶えられることに、喜びを感じました。また「誰かの希望になる作品を作りたい」とも思っていたので、うれしかったですね。

――今回演じる江島環は、母親との関係にもゆがみがあり、複雑な事情を抱えた難役かと思います。

台本を読んで、何より彼女の良さを伝えたいなと思いました。ひとつの家族の形が描かれ、その中で環が成長していく物語なので、台本に書かれていない環のバックボーンまで、視聴者の方に届くようなお芝居をしたいと思っています。

私は子どもを産んだ経験がないので役作りにあたって、母に、私が生まれたときの話を聞きました。また、母の友人やマネージャーさんのお知り合いに助産師さんが何人かいらっしゃるので、出産についてお聞きしたり、本を読んだりして準備しました。

――作品は「家族」がテーマのひとつですが、堀田さん自身はご家族とよくお話ししますか?

毎日のように電話をしています。特に母とは友だちのように仲が良いんですよ。昨日は、いきなり「家族ってなんだと思う?」と聞いてみました(笑)。このインタビューに備えて自分でもいろいろ考えていたのですが、母の意見も聞きたくて。「家族であっても、気を遣う部分は大事にしている」というのが母の考えでした。

――環と同様、堀田さんにもお兄さまがいらっしゃいます。

兄とも普段から連絡をとっています。実際に私と兄は、環と聡(環の兄/細田善彦)と同じく、すごくいい関係性だと思っています。環が「代理母として産んであげよう」という選択ができたのは、環と聡にお互い思いやりがあるからだと思っていて。相手を思いやるところは、私と兄との関係性にすごく似ているなと感じました。

――もし実際にお兄さまから代理母出産をお願いされたら、どうしますか?

それについても、母と話しました。私が代理母出産をするかというと、ちょっとわからないですが…もし兄がほかの誰かに代理母出産をお願いすることがあるならば、私はやっぱり家族として兄の1番の理解者でいたいから、受け入れる努力をすると思います。

けれども今の日本は、「サロガシー」とか「代理母出産」という言葉が広まってはいますが、実際には「兄が同性愛者で、子どもを持ちたいから第三者に代理母をお願いして…」と人に伝え、受け入れられる世の中になっていないと思います。そこはちょっと悲しいですね。ですから、この作品を通して、より多くの方に正しい情報を知っていただきたいです。

――ご自身が、環と似ているなと感じる部分はありますか?

根が明るいところ、人に気を遣うよう意識するところでしょうか。普段から、一緒に居る人を楽しませよう、できるだけ周り全体を見ようという気遣いは意識していますね。

逆に、環は芯が通ってさっぱりした性格ですが、私はよく「ふにゃふにゃしてる」と言われます(笑)。環はハキハキしゃべりますが、私は「えっ?」と聞き返されることが多いので、そこは違うかもしれません。

――これまで順調にキャリアを積んでいるとお見受けしますが、過去に苦しい経験もありましたか?

昔、オーディションに落ちて続けていたときはつらかったですね。最後の2人まで残って落ちたときが一番悔しかったです。悔しくて悔しくて、商店街を泣きながら歩いて帰ったこともあります。でも、その気持ちが原動力になって今があると思っています。

――悔しさを乗り越える秘訣は?

基本的には母か、地元の親友か、マネージャーさんに話を聞いてもらったりします。素の私を知っている人から意見をもらえると「そうだよな」と納得できて、ホッとするんです。

日頃から、自分の中に溜まっている“毒”みたいなものを溜め込みすぎないように、心がけています。外に出したほうが身体に良いと思うので。実際、言葉にしてみると「意外とそんなに悩んでいなかったな」と気づけることもあります。

なので、もし側に悩みや苦しさを聞いてくれる人がいたら話すか、そうでなければ「疲れたなぁ」と独り言をつぶやくだけでも全然いいと思います。とにかく自分の身体や思考を感じ取って、“毒”を溜めないことが大事ではないでしょうか。

インタビュー後半では、堀田が今ハマっていることや美の秘訣、今後やってみたい仕事などについてお届けする。

『サロガシー』の最新情報は公式サイトまで

撮影:河井彩美 取材・文:松木優子