竹中直人、山田孝之、齊藤工の3人が監督を務めたことで話題の映画「ゾッキ」が、4月2日(金)に全国公開される。

映画では「嘘と秘密」をテーマに、“寄せ集められた”数々の小さな物語が描かれる。やがてストーリーは重なり、まさかの感動のフィナーレへと突き進んでいく!?「なんだかわからないけど、“あなたの明日がちょっと楽しくなる”映画」とのこと。

豪華な監督陣に加え、吉岡里帆をはじめ、鈴木福、満島真之介、安藤政信、松田龍平といった、多くのキャストが集結し、映画を彩っている。

そんな中、竹中監督のパートに松井玲奈が出演。松井が演じるのは、夜の校舎で出会う“幽霊のような女”という、不可思議な難役。

3月20日(土)に行われた公開直前イベントにて、竹中は「“幽霊のような女”の声の音色と振り向き姿を想像すると、松井玲奈さんしか考えられなかった」と、キャスティングの理由を明かした。

そんな松井にフジテレビューがインタビュー。撮影時のエピソードに加え、映画のテーマ「嘘と秘密」についても聞いた。

<松井玲奈 インタビュー>

――今回、映画「ゾッキ」の出演に至ったのはどのような経緯からですか?

竹中さんが“幽霊のような女”という不思議な役を「松井さんにやってほしい」と話しているということを、人伝いに聞きました。“幽霊のような女”とは、どんなキャラクターなのかと漫画で調べてみると、ものすごくインパクトの強いキャラクターだったので、「こんな役、今後2度とやることはないだろうな」と思って、すぐに「やります」と返事をしました。

竹中さんから直々にご指名いただいたので、すごく光栄だなと思っていました。

――“幽霊のような女”を演じられたということですが、印象的だったエピソードはありますか?

私の役は、特殊メイクで、スキンヘッドというかツルッとした頭にしなければならなかったので、事前に特殊メイク用の型をとったりしました。当日もメイクに2〜3時間かかって、私よりも、特殊メイクチームがすごく大変そうでした。

メイクが完成すると、撮影中の4〜5時間は、(全身白塗りの)色が落ちてしまうため、どこにも触れられない状態で、それが大変でした。

また、寒い時期でしたが、結構肌が出る衣装での撮影だったので、震えそうになるのを我慢しながら、撮影していました。

――撮影現場での、竹中監督の様子はいかがでしたか?

衣装が薄着だったので「寒くない?」とか、防寒に関してすごく気を遣ってくださるなど、とても優しかったです。現場に私と同じレプリカの人形があったので、人形と私と竹中さんの3人で写真を撮ったりして、楽しんでました(笑)。

役作りについては、竹中さんから「人間のような人間じゃないような、異質っぽい感じを出したい。だから、まばたきはしないでほしい」と言われていました。

――松井さんの登場シーンは、夜の学校が舞台でしたが、なんだか不気味で独特の雰囲気がありましたね。

はい、怖いなと思ってました。実際には学校と距離はあったんですけど、あまり夜の学校には来ることがないので、不気味だなと思ってました。

オムニバスのストーリーがまとまり、1つの映画に「映像で見ると、こんなに引きつけられる」

――完成した映画を観た感想を教えてください。

原作では別々の物語であったものが、1つの物語のようにまとまっていて、「こんなにも引きつけられる作品になったんだな」と思いました。原作を読んで内容を知っていたからこそ、素晴らしいまとまり方をしているなと思ったのが、観終わって1番の感想でした。

――本当にすごくまとまっていて、3人の監督で撮ったようには思えなかったですね。

観ている途中も「このエピソードは誰が監督しているんだろう」と考える隙もなく、どんどん話が展開していくので、夢中になって観ていました。

――松井さんの中で、印象的だったエピソードはありますか?

自分が演じた“幽霊のような女”が出てくる話も、すごく印象的でした。鈴木福くんが演じていた「レンタルビデオショップの店員さんの話」も、最初台本を読んだときは、理解が追いつかなくて…。何回も読んで、自分なりに解釈しました。

――映画を観終わってからも「あれは、どういうことだったんだろう?」と考えさせられる部分が多いですよね

1つの作品として、どの話も「秘密」を共有していると思うんですけど。「あれはどういうことだったんだ、あのシーンの意味は?」といったことを観ている最中も、観終わってからも考えさせられるので、フックがある作品だなと思います。

「嘘」がきっかけで、かくれんぼがトラウマに…

――映画では「嘘と秘密」がテーマになっていますが、松井さんが過去に体験した“嘘にまつわるエピソード”はありますか?

(少し考えて)ハッピーなエピソードがいいですよね?(笑)。暗いエピソードが多すぎて(苦笑)。

小学校2年生のときに、公園でかくれんぼをしていて、私が鬼になり、みんな「隠れる」と言って隠れたんですけど。いくら探しても見つけられずに、そうしている間に日が暮れてしまって…。実はみんな、私に嘘をついて家に帰っていたっていう…。それが話せる範囲の、嘘エピソードです。

――小学生とはいえ残酷なエピソードですが、その経験は、トラウマになりませんでしたか?

トラウマになりました。かくれんぼが嫌いになりました。どれだけ探しても見つからないので、悲しかったです。

――もう1つのテーマ「秘密」について、松井さんは今、秘密をお持ちですか?

あります。3つ、4つはあるんじゃないですかね?

――その中に、お話いただける範囲の秘密はありますか?

言えないです、秘密だから。全部、墓場まで持っていく秘密ですね(笑)。

「テニスの王子様」に夢中だった学生時代

――映画の中には「会ったこともない友達の姉に夢中になる」というエピソードもありましたが、松井さんが学生時代に夢中になったものはありますか?

アニメ、漫画かなと思います。特に「テニスの王子様」が好きで、“テニプリ”にめっちゃハマってました。グッズもめちゃめちゃ集めたり、インターネット上でファンが描いたイラストを探したり。ちょうど「テニスの王子様」のミュージカルも始まった時期だったので、それも観に行ったりしてました。

“テニミュ”は音楽も良くて、世界観を歌に落とし込んでいたので、その歌を聴くのも大好きでした。もともと二次元のものを、2.5次元という形で、半立体的に表現していただいて「ありがたい」という感覚で観ていました。

――推しのキャラクターはいましたか?

みんな素晴らしいキャラクターでしたけど、特に氷帝学園が好きだったので、氷帝の鳳長太郎くんというキャラクターがとても好きでした。

鳳くんは、すごく好きな先輩とダブルスを組んでいて。その先輩をすごく慕っていて、身長も高くて一見しっかりしているように見えるんですけど、実はヘタレなところがかわいくて、すごく好きでした。これ、なんの話をしているんですか、恥ずかしい(笑)。

――今後の活動について、教えてください。

お芝居をメインに頑張りながら、舞台がとても好きなので年に1度は舞台に参加したいです。文章を書くこともずっと続けていきたいので、小説もまたちゃんとした形で出せたらいいなと考えています。

――映画を楽しみにしている方に、メッセージをお願いします。

物語はもちろん楽しいんですけど、次から次に豪華なキャストの方が出てきます。「ここにも、あそこにも知っている人が出てる」という驚きと、エンドクレジットを見たときに「あれ?この人、どこに出ていたの?」という驚きもあると思います。

単純に何回観ても楽しめて、気付きもあったりするので、豪華キャストの登場を楽しんでいただけたら、うれしいなと思います。

映画「ゾッキ」は、4月2日(金)より全国公開。3月20日(土)蒲郡市先行公開、3月26日(金)愛知県先行公開 ※一部劇場除く

最新情報は、映画「ゾッキ」公式サイトまで。

©️ 2020「ゾッキ」製作委員会 配給:イオンエンターテイメント