エンターテインメントの裏側に密着する番組『連続ドキュメンタリー RIDE ON TIME』。Season3のトリとして、V6が特集されている。
3月19日(金)は、Season3のフィナーレであり、V6特集の最終話 #4 Full Circleが放送された。
1995年11月1日にCDデビューしたV6。あれから25年がたった2020年11月1日、デビュー25周年の記念日であるまさにその日に、配信ライブ「V6 For the 25th anniversary」が開催された。
コロナ禍により、会場に観客を入れることは叶わなかったが、V6にとって、デビューした場所で“聖地”とも言える国立代々木競技場 第一体育館からの配信が実現。ファンへ今の自分たちの思いを届けるため、配信だからこそできる演出を考え抜いた。
番組は、その演出のために行われた楽曲の映像収録や、11月1日当日の6人の姿を追っていた。
過酷な撮影の中でも笑顔は絶えないV6
2020年10月19日。配信ライブ前夜祭用の映像を原宿で収録する6人の姿があった。原宿駅から国立代々木競技場 第一体育館までの道のりを歩いていく。
同館が望める歩道橋の上をゆっくりと歩きながら、井ノ原快彦が「(ファンは)『あ、会場見えた!』っていう感じなんじゃない?テンション上がるだろうね」と言えば、森田剛も「(テンション)上がるよな~」と同調。25年、何万人ものファンが通った道で、6人は思いをはせていた。
この日は、水が張られたステージでコンテンポラリーダンスを踊る楽曲「TL」のパフォーマンスも収録。
スタジオに集まったメンバーは、振りを確認したあと、いよいよステージへ。「冷たそう~!」と恐る恐る入水する三宅健に、森田は「冷たい。慣れないと…」と苦笑い。それでも6人で決め、あえて挑んだこの演出。撮影がスタートすると、繊細に、しなやかに、水しぶきを跳ね上げて力強く楽曲の世界観を表現していく。
常に全身が濡れた状態で、ときに水に足をとられ滑ってしまい、体も冷えきる過酷な撮影。しかし、そろって暖をとりながら、「たまり場みたい」という井ノ原に、長野博が「スタントマンの集まりみたい」と重ね、笑いあうひと幕もあった。
「TL」の収録を終え、そのまま配信ライブのセットリストの打ち合わせをするメンバー。スタッフから「(セットリストを)決めたい限界」と言われてしまった。“今”の6人を見せるためにはどの曲を、どう披露するのがいいのか、悩んでいる様子。
「『WALK』と『羽根』を大事に歌えればいいと思ったんだよね」(岡田)、「『SP』フル(サイズ)っていうのは、結構長いし…」(長野)、「頑張ってる感が出ちゃうのが嫌なんだよね。『SP』で『SPARK』くらいがいいんじゃないかな」(森田)などと、それぞれの意見が飛び交う。
スタッフから「曲を先行するのか、みんなのノリを優先するか」と、その思いを問われるも、そこで結論は出ず、この日、判断は持ち越しとなった。
「TL」収録の合間に見せた6人で暖をとる姿に、SNSには「みんなで温まってるのかわいい」と、ほっこりした様子のファンのコメントが。
また、V6の楽曲の中でも1、2を争う激しいダンスが魅力の「SP<エスピー>“Break The Wall”」がセットリストの候補に挙がっていたことには、「こんなギリギリまでSPが入っていたなんて…」「SPをやろうとしていたの衝撃すぎる」と、驚きの声が多く見られた。
本番直前まで妥協を許さない6人…そして手を取りあい本番へ
配信ライブ2日前。会場には彼らの特別な思いを込めたステージが組まれ始めていた。6つのVの文字がモチーフとなった硬質なメインステージ、MCの場所は木のぬくもりが感じられるステージなど、演出に則した舞台が、空間を最大に使って次々に作り上げられていく。
そして迎えた配信ライブ当日。ギリギリまで修正が続く中で、井ノ原が「メンバー同士のつながりが見えにくいような気がしていて。そういうシーンが少ないじゃん」と、不安げな表情を見せる。すると岡田が「合間の雰囲気ですよね」とフォロー。
さらに、本番に向けメイクをしながら、スタッフから演出の相談をされた岡田。「剛くんどう思う?」とメンバーに振りながら、最後には「まだ1時間あるから大丈夫だよ(演出の修正間に合うよ)」と語り、楽屋を和ませる場面も。
いよいよ配信がスタート。スタンバイをする6人は、人知れず手を取りあっていた。
本来なら客席で埋まるアリーナにLEDを仕込み、ダンスと鮮やかな映像を融合させ、客席や通路となる場所をメンバーが縦横無尽に移動、配信でライブを見る観客に代々木の空気感を届ける演出も取り入れたパフォーマンスが繰り広げられる。
そしてライブ終盤、メンバーにサプライズで動画が贈られた。たくさんのファンから感謝を伝える、心のこもったメッセージ。メンバーは、それを真剣なまなざしで見入っていた。
井ノ原:1人もメンバーが欠けることなく25年走り続けてきて、やっぱりずっとここを守り続けてきたっていうのは、俺たちの人生において、すごく大きな意味のあることだと思っています。そこにはファンのみんながいたし、スタッフのみんなが支えてくれたんだなと思います。
岡田:25年アイドルでいるってことは、大勢の人に愛される自分たちでいようとするってこと。それって、俺たちにしか分かんないと思っていることとかもあったけど、ファンや見てくれている人は分かってくれているんだなって、今気づいた感じがすごいあった、ありがとう。
長野:愛を感じますね。いつも少しでも皆さんの元気のもとになったらいいなと思って発信してますけど、改めてファンの方たちに支えられているからこそ、また次の発信ができるんだなと感じますね。うれしいです。
森田:やっぱりつながっているんだなって、改めて感じた。感謝ですね。(ファンの)みんながいたから25年間やってこられた、と改めて感じますね。
坂本昌行:(声を詰まらせながら)ずっとやってきて、今この瞬間を迎えられて、本当にファンの皆さんに勇気と元気をもらっているんだなって感じました。
三宅:会いたかったね、みんなに直接。本当に会いたかったな。
と、それぞれがファンへの感謝と思いを語った。
ライブ終了後、ステージで、そしてステージ裏に飾られたスタッフからのメッセージ入りの横断幕の前で記念撮影。6人は、26年目の一歩を笑顔で歩みだした。
今回、配信ライブ当日の密着ということもあり、「サンダーバード~your voice~」「PINEAPPLE」「Swing!」「TL」「GOLD」「Super Power」「It’ my life」「Full Circle」「羽根〜BEGINNING〜」と、彼らがこだわって作り上げたパフォーマンスをたっぷりと放送。これにSNSでは、「ナレーションも入れずダイジェストで見せてくれたのうれしいな」「配信見ていない人にも魅力が伝わるといいな」と、喜びのコメントがズラリ。
さらに、「クリア」の歌唱場面には、10周年のときに行われたライブの合宿映像や握手会、20周年のときのメイキング映像から、笑顔のメンバーの様子が差し込まれる演出も。これには「過去映像はあかんて!泣く」「大好きだV6」「映像ではみんな笑ってるけど、私は大号泣」と、涙する人が続出していた。