現在、フジテレビで放送中の『レンアイ漫画家』。顔出しは一切せず、女性名のペンネームで活動する天才少女漫画家と、“ダメ男ホイホイ”と呼ばれる崖っぷちアラサー女子の笑えて、ほろっとくるコミック・ラブストーリーだ。

本作で主人公・刈部清一郎(かりべ・せいいちろう/鈴木亮平)から、「漫画のために疑似恋愛をしろ」と無茶ぶりをされる久遠あいこ(くおん・あいこ)を演じる吉岡里帆にインタビュー。自身がキュンとしたシーンや、撮影現場でのエピソードなどを聞いた。

<吉岡里帆 インタビュー>

──まずは、出演が決まったときの心境をお聞かせください。

王道ラブコメではあるのですが、ちょっと異色な設定に惹かれて、面白そうだなと思ったのが第一印象でした。コロナ禍ということもありますが、気楽に見られて楽しいエンタメ作品を自分自身が求めていたので、声をかけていただけたことはすごくうれしかったです。

──演じているあいこは、どんな役ですか?

あいこはとにかく根アカ(根が明るい性格)で、陽気な人(笑)。仕事を失ったり、彼氏ができなかったり、年相応の悩みを持っていて、うまくいかないことも多いのですが、そういう悩みを全部吹っ飛ばすくらいの陽気なパワーがあって…魅力的です。

良くも悪くも、あっけらかんとしていて、「まぁ、なんとかなるだろう」と、その日しか見ていない感じが演じていても面白かったですね。

仕事を失うとか、結構悲惨な状況でもあいこは、次の日にはケロッと“つらい感情”を忘れているんですよね。その引きずらない感じは、実は、自分と共通している部分でもあります(笑)。

──引きずらないというのもすごいですが、あいこは行動力もありますね。

そうなんです。清一郎に「俺の漫画のために疑似恋愛をしてこい」と言われて、最初は拒んでいましたが、結局は請け負っていて。普通だったら、見ず知らずの人にそんなこと頼まれたら「怖い」と思いますよね(笑)。でも、あいこは意外と柔軟に対応していて。その飛び込んでいく力はすごいなと思いました。

──もし吉岡さんが、あいこと同じ状況になったら…清一郎に協力しますか?

相手がすごくお世話になった方とか、恩があれば一度話は聞いてみます。知らない人だったら、絶対に協力はしないです。怖い(笑)。

──吉岡さんから見て、主人公・清一郎の魅力はどこにありますか?

清一郎さんは、漫画家としてのストイックさが最大の魅力。家に引きこもりがちではありますが、ストイックで影のある感じがかっこいいんですよね。でも、あいことふれあうようになり、ギャップが垣間見える瞬間があって。不器用で不愛想な男が繰り出す“かわいい一面”は、視聴者の皆さんにもキュンとしてもらえるのではないかと思っています!

──吉岡さんご自身がキュンとしたシーンはありますか?

清一郎さんは基本的にインドアで、根暗で、とにかく外に出ない引きこもり体質なんですけど、たまに外に出るシーンがあるんです。外に出ると、とにかく不器用ですごくかわいいんですよね。タクシーが全然止まってくれないとか(笑)。「本当にダメだなぁ」っていう感じが、かわいくてキュンときます。

──そんな清一郎を演じる、鈴木亮平さんの印象をお聞かせください。

お会いする前は、ストイックで厳しい方なのかなと思っていましたが、実際一緒にお仕事をさせていただくと本当に明るくて、面白い、三枚目な方でした。ちょっと変わってるというか…言葉にするのは難しいんですけど、“極めすぎて面白い人”という感じでしょうか(笑)。

──その鈴木さんと、清一郎の甥・レン役の岩田琉聖さんとのシーンが多かったと思いますが、撮影中の印象に残っている出来事はありますか?

もうとにかくレンくんがかわいすぎて!私にとって、毎日の癒しでした(笑)。最初に会ったときは、本当に真面目でお行儀の良い子という印象で。でも、撮影を重ねるにつれて、だんだん子どもの一面を出してくれるようになったんです。

すっごく変な顔をして私を笑わせようとしてきたり、小道具のうちわを隠すいたずらをしてきたり(笑)。楽しかったです。

──さまざまなタイプの女性に扮(ふん)した、疑似恋愛シーンの撮影はいかがでしたか?

疑似恋愛は、竜星涼さんをはじめ相手の方によって全然シーンの雰囲気も、あいこの見た目や性格も変えていました。会社員やあざとかわいいキャラやギャルにも挑戦しましたが、一つの作品でいろんな女性を演じたことがなかったので面白かったですね。

──いろいろな擬似恋愛を体験して、吉岡さんご自身が「いいな」と思った恋愛はありましたか?

どの恋愛も普通ではないから…正直、いいなとは思いませんでした(笑)。ただ、清一郎さんに、その恋愛で「何にキュンとしたか」を報告することがミッションになっているので、見ている方には、とにかく“キュン”をたくさん感じてもらえると思います。個性豊かな相手役の皆さんと、“キュン”に関しては全力で作りましたので、楽しんでいただきたいです。

──あいこは男運がなく、“ダメ男ホイホイ”と呼ばれていますが、吉岡さんが“知らぬ間に引き付けてしまう人”はいますか?

私、“愛嬌ある人ホイホイ”ですね。いつも仕事終わりに、その日に会った人のことをマネージャーさんと話しながら帰るのですが、振り返ると話ながらつい笑顔になってしまう愛嬌のある人とたくさん出会えているなと思います。

今回のドラマの現場で言うと、(片岡)愛之助さんや竜星涼くんは、とくに愛嬌のある方ですね。…エピソードがうまく説明できなくてもどかしいのですが(笑)。でも、毎回、撮影でお会いするたびに癒されていました。

──最後にドラマの見どころをお願いします。

序盤は、あいこが疑似恋愛のミッションをこなしていくシーンに注目してください。いろいろな恋愛をはちゃめちゃに体験するのですが、本当に笑えますし、いろいろなタイプの“キュン”を感じてもらえると思います。

そして、後半は清一郎とあいこの関係性の変化に注目していただきたいです。疑似恋愛のミッションを通して、徐々に心の距離が近づいていく2人の変化は、愛おしく見ていただけると思いますので、お楽しみに!

撮影:河井彩美