視聴者が“今最も見たい女性”に密着し、彼女が自身に課す“7つのルール=こだわり”を手がかりに、その女性の強さ、弱さ、美しさ、人生観を映し出すドキュメントバラエティ『7RULES(セブンルール)』。
5月11日(火)の放送では、駒澤大学陸上競技部の寮母・大八木京子に密着した。
陸上競技部員50人以上が暮らす寮で、寮母として27年務めている大八木。食事作りを中心に選手のサポートをしている。
これまで日本を代表する多くのアスリートを育ててきた、夫の大八木弘明監督は、「女房の食事がなかったら、駒澤大学陸上競技部はないというくらい。大事な人です」と話す。選手も「裏でのサポートがあるから自分たちがしっかり走れている」と感謝を明かす。そんな駒澤大学陸上競技部の寮母・大八木京子の7つのルールとは。
ルール①:メニューのカロリー計算はしない
約50人分の選手の食事を作る大八木。駒大の伝統として、簡単な調理や盛り付けは、当番の女子マネージャーが手伝う。
食事メニューは全て彼女が考えるが、そこにはあるこだわりが。「栄養のバランスは考えるんですけど、細かいカロリー計算はしていない」と大八木。それは、「厳しい練習をして帰ってくるので、ルールを作って食事を楽しめなくなってしまったらかわいそう」との思いからだ。
強豪校では徹底したカロリー計算のもと、食事管理を行うことも多いが、駒大の食事は、「食事のときくらいは陸上を忘れ、リラックスしてほしい」という、願いが込められている。
ルール②:インスタグラムに差し入れと選手の姿をアップする
コロナ禍で大学の講義はすべてリモートのため、選手たちの日々は、練習場と寮の往復となっている。だからこそ、選手たちにとって夕食は、楽しいひととき。
この時間で大八木が必ず行うのが、差し入れされたものと選手との写真撮影。駒大陸上競技部には、OBや後援会、全国のファンから多くの差し入れが届く。撮った写真は、感謝とお礼の気持ちを込めて、インスタグラムにアップしている。
「インスタグラムに学生の姿が写ると、離れて暮らす家族の方々が『自分の息子が写ってるな』って見てくれるかな」と、部員たちの親への近況報告の役割も兼ねていると、親心をのぞかせた。
この話を受けて、スタジオのYOUが「SNSで必ずチェックしているもの」について振ると、スタジオゲストのナイツ・塙宣之は「『芸人が解散した』みたいな記事は確実に見にいきますね。『1組ライバルが減った』と、気が楽になるというか…」と正直に回答。さらに、「好きなんですよ、解散するのが。性格悪いんですけどね(笑)」と続けた。
すると、尾崎世界観が「僕もバンドメンバーが脱退したりするときの、コメントをよく見る」と共感を示した。「あまり仲が良くなくて、バンドでまとめてコメントを出したパターンと、1人1人が『これからもよろしくお願いします』と言っているときの違いを、よく見てます」と話すと、笑いが起こった。
ルール③:箱根駅伝は現地観戦しない
神奈川県横浜市生まれの大八木は、1983年に駒澤大学に入学し、陸上競技部でマネージャーをしていた。そこで、年齢は違うが同期の夫と出会った。そして、卒業後のOB会で「いつまで経っても、お互い(相手が)いないな」と、2人は急接近し、29歳のときに結婚した。
そんなとき、大学から夫に「母校を立て直してほしい」と依頼が。夫婦で話した結果、「食事を作る人がいないとダメだよね」ということになり、彼女が選手の食事担当となった。
監督の指導と大八木の食事により、駒大は箱根で上位に食い込むようになり、寮母となって5年目の年に初の総合優勝を成し遂げた。
しかし大八木は、「箱根駅伝には行ったことがない」と話す。当日、選手は走る4時間前に食事をとるため、1区〜5区の選手の時間ごとに朝食を作り、寮から送り出すという仕事があり、現地での観戦はできないのだ。
ルール④:月に1回 地域のゴミ拾いをする
寮には「上級生と下級生の2人部屋(例外あり)」「午後8時から全員で掃除」といったルールがある中、月に1度、日曜日に行われるのが、寮周辺のゴミ拾い。
寮は住宅地にあるため、朝早くから活動する選手たちは、近隣に多少迷惑をかけているかもしれない。さらに、応援もしてもらっていることから、せめてもの恩返しの気持ちで行っているという。
ルール⑤:箱根の景色を見て充電する
旅行好きの大八木がよく足を運ぶのが、駅伝の折り返しでもある箱根町。暇を見つけては、2人の娘と訪れている。中でも好きな場所が、成川美術館。館内からの景色を楽しみ「箱根に行って充電する感じです」と語った。
山があり、温泉もあり、湖があり、神社もある箱根について「すごくお得感のある観光地だなと思います」と笑みを浮かべた。
スタジオでは箱根駅伝から、正月の話に。塙は「1月1日は必ず、フジテレビの『爆笑ヒットパレード』の生放送があって。そのあと池袋演芸場と新宿末廣亭で出番があって…」と、コンビのスケジュールを紹介。
そんな塙に尾崎が、後輩へのお年玉事情について聞くと、塙は「お年玉、全員に渡すんですよ」と苦い顔を見せた。
ルール⑥:誕生日ケーキは学年ごとに変える
50名以上の選手が暮らす寮では、1週間に1人は誕生日を迎える。誕生日の選手には、いつも手書きの手紙と、スイーツを渡す。取材時に誕生日を迎えた2年生は、ケーキを受け取ると「去年よりレベルアップした!」と喜んだ。
ケーキは学年によって少しずつ違うのだという。「たくさん選手がいるので、誰にどのケーキをあげたか忘れないように」と、細やかな気遣いが明かされた。
ルール⑦:選手を主役にする
4年生が部を去る卒部式。4年生から「毎日おいしいご飯を作ってくださった奥さんには、感謝しかありません」「奥さんが栄養を考えて、作ってくれたので、ここまでやってこれたと思います」と、大八木への感謝の言葉が上がった。
今やメディアからも注目される彼女だが、密着初日に「主役は選手だと思っているので、選手たちの練習の様子や食事をしている様子を映していただけたらありがたい」と話すように、あくまでも裏方に徹する。
また、スタッフが印象に残っている選手について聞くと「どの選手も覚えています」と、ともに暮らしてきた選手との絆を見せた。
スタジオでは、YOUが「良いですね」と声を上げ、青木崇高は涙をぬぐった。長濱ねるは「部員たちが、(自分と)同い年くらいの子だったので、こんなに頑張ってるんだな」と感心していた。
うれしそうな尾崎に、長濱、YOU、青木が一斉攻撃
さらに、「心の充電ができる時間」について、YOUが話を振ると、塙は「車を運転しているときですね。1人で自分の好きな音楽やラジオを聴いているときが1番楽しい」と明かした。さらに、「クリープハイプ(尾崎のバンド)の音楽も聞いている」という塙は「ファンだったので、前にラジオにきていただいたりとか…」と、尾崎との交流関係に触れた。
うれしそうな尾崎に、長濱が「にやけてます!」とツッコミを入れると、尾崎は「なんで喜んじゃいけないんですか!そんな『犯罪を見つけた』みたいな(言い方)」と噛み付いた。
そんな尾崎のリアクションに、「にやけたの?」(青木)、「にやけた!」(YOU)、「喜んでる!」(長濱)と、さまざまなガヤが飛んだ。
※記事内、敬称略。
次回、5月18日(火)の『7RULES(セブンルール)』は、わずか1年で累計30万部を突破し、大ヒットとなった「パンどろぼう」シリーズの絵本作家・柴田ケイコに密着。
「50年後も語り継ぎたい」と称えられ、「第1回TSUTAYAえほん大賞」第1位を受賞。憧れの絵本の世界に身を投じ、自由な発想で絵に命を吹き込んでいく絵本作家・柴田ケイコの7つのルールとは。