5月23日(日)14時から、フジテレビでは『ザ・ノンフィクション「夢と涙の六本木 2~ミレイとモモの上京物語~」』が放送され、語りを小芝風花が担当する。

東京・六本木――。華やかなスポットライトの下で踊るのは、ショーダンサーのミレイ(20歳)。ショー以外の時間は接客をするが、彼女はお酒も接客も苦手。それでもミレイには六本木のステージに立つ理由があった。

2020年秋、コロナ禍の東京に、ミレイは母の反対を押し切り、故郷・熊本から上京。女手ひとつで育ててくれた母と別れ、初めての東京で初めての一人暮らし。次第にミレイの心はすり減り、ついにショーの練習を休んでしまう。その頃、自宅には疲れ切ったミレイの姿があった…。

そして、同じ店で働くもうひとりの20歳が、2年前、香川から上京したモモだ。最初は馴染めなかったが、今やすっかり人気者になった。常連客を増やそうと始めたSNSの発信や動画投稿も話題となり、フォロワー総数は40万人を超えた。

「人気者」になりたくて六本木にやってきたモモだが、夢が現実になりつつある一方、想像もしていなかったことが起こる。注目を集めるほど増えていくSNSでの誹謗中傷。「キモい」「死ね」という心無い言葉が投稿される中、営業中のフロアからモモの姿が消えた。カメラが追うと、そこには泣き崩れるモモがいた…。

華やかな世界の裏側で、悩み、葛藤を抱えながらも、奮闘するミレイとモモ。危うくも見える輝きの中に、小芝はどんな思いを重ねたのか。収録後に聞いた。

<小芝風花 インタビュー>

――収録を終えての感想は?

私も人前に出るお仕事をしているので、おふたりに共感できるところもあったので、すごく応援したい気持ちで、自然と感情移入して収録していました。

――ナレーションを読むうえで心掛けたことは?

ディレクターの方から、ふたりに寄り添うような、応援しているような形で、とリクエストをされたので、そこを意識しながら読みました。

20歳のおふたりがいろんな壁はありつつも、未来に向かって、夢に向かって進んでいくという物語なので、なるべく重くなりすぎないように、寄り添えたらいいな、と思いながら読みました。

――途中で、グッと来ていたところもありましたね。

お母さんからの手紙や、家族との交流のシーンでは…。やっぱり一番の味方で、何があっても無条件で受け入れ、応援してくれる、家族とのシーンには感動しました。私も母にすごく支えられていますので。

私の場合は、家族と一緒に上京してきて、今も身近にいてくれるのですが、ひとりで上京してきたふたりは、慣れない場所ですごく心細いだろうな、と。その中で、頑張っている姿を見て、私ももっと頑張らないとな、って思いました。

――ふたりを見ていて、思い出したことはありますか?

上京してきた当時、家族以外周りに知っている人、友達もいないし、頼れる人もいなくて、部屋の窓から夕焼けを眺めながら「大阪に帰りたいな」と思ったこともありました。私もすごく人見知りだったんです。だから、人前に出るとか、学校での発表も苦手なタイプで。

最初はマネージャーさんに連れていかれるままに、取材で何を話していいかわからないし、レッスンにも週6日くらい通わせてもらっていましたけど、人前で何かをしゃべったり、お芝居をしたりするのも初めてだったから、「もうこんなのできない!」って。最初の1週間は毎日泣いていたなって。

――そんなときに、お母さんにかけられた言葉や背中を押された言葉はありますか?

私は子供のころ5年間(小学3年から中学2年まで)フィギュアスケートを習っていたんですけど、その頃から母は「頑張る子を応援するよ」というスタンスだったので、中途半端で辞めたくないと思って、頑張っていました。

フィギュアスケートでコツコツ頑張る、目標に向かって頑張るとか、っていうのは鍛えられていたので、「帰りたい」「慣れないな」っていうのはありましたけど、1回頑張るって決めたからやらなきゃ、っていう感じでした。

――モモさんは、人気者になり、SNSのフォロワーも増えましたが、そのことで中傷コメントが投稿され心を痛めるシーンもありました。小芝さんもインスタグラムをやっていますが、そういった経験は?

インスタのコメントで、というのはないんですけど、私は結構、“気にしい”なので、エゴサーチをしたときに嫌なコメントがあると、傷つきます。

だから、最近、エゴサはだいぶ減らしました。ネガティブなコメントを目にすると、気にしてしまってお芝居の役でやっているものなのに、(見られ方を)気にして、、抑えてみたりするのは、違うなって。だから、あまり見ないようにしています。

キラキラして見える世界でも、実は、“そう見せてる”世界で、その周りにはすごくたくさんの方が見えないところで働いてくださっているし、その中で、自分も努力を積み重ねなきゃいけない。でも、叩く人は「有名税だから仕方がない」「出ているんだから我慢して」とかって言いますけど、その考え方が悲しいなって。

それが原因で、せっかく夢見て頑張っているのに夢を諦めちゃう子もいるだろうし、そういうことを書かれて人生が大きく変わってしまうこともある。命を絶っている方もいますし。顔が見えないところから、人の心を殺す行為になってしまう事だと、もっと伝わったらいいなと思いました。

――改めて、番組の見どころを教えてください。

若いふたりの女の子が地元を離れて、東京・六本木で夢を追いかけて頑張っている物語です。キラキラした世界に飛び込んだけど、楽しいことばかりではなくて、それでも乗り越えて前に進もうとしているふたりの姿を見て、感じられることがあると思いますし、そんなふたりを応援していただけたらうれしいなとも思います。