5月28日(金)、映画「明日の食卓」の初日舞台挨拶が行われ、菅野美穂、高畑充希、尾野真千子、和田聰宏、大東駿介、藤原季節、瀬々敬久監督が出席した。

本作は、2016年に出版された椰月美智子氏の同名小説が原作。同じ「ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる“3人の母親”たちが、母親そして女性として、三者三様に懸命に生きる姿が描かれている。子どもを持つ親なら誰もが直面する問題をリアルに描いた、社会派エンタテインメント作品だ。

この日は、横浜のみなとみらいにある映画館でのイベントということで、瀬々監督が「今日ここに来たのは…都内は映画館の休業要請があって」と、東京都に出されている映画館への休業要請に言及。「理由なき要請しやがって、バカ野郎と思うんですけど(笑)」と笑いながら声をあげる場面も。

それでも、都内でなくても観客を前に舞台挨拶ができることを、瀬々監督はじめキャストもうれしい様子。菅野は「『公開できるのかな』という気持ちでおりましたが、映画館で皆さんにお会いできてうれしいです」と、若干涙声になりながらニッコリ。

和田は、「大きな声で『(映画館に)来てくれ』と言うと、密になってしまうので、こっそり広めていただけたら(笑)」と笑いを交えながら作品をアピールしていた。

菅野演じる留美子の夫・豊を演じた和田、高畑演じる加奈の弟・正樹を演じた藤原、尾野演じるあすみの夫・太一を演じた大東は、今作のイベントには初登場。劇中では、それぞれに“ヒドイ”男性を演じている3人。

高畑は、「うちの弟は、本当どうしようもない!」と言いつつ、「でも、季節さんだったからかもしれませんが、どうにも嫌いになれない。撮影は一瞬でしたね…もう少し長かったらよかった」と付け加えると、藤原が「光栄です!」と満面の笑みに。

しかし、「(高畑と物理的に)本当に間近で共演して…臭くなかったかなとか」と、あまりに近い距離での芝居に自身の体臭が気になったという藤原。続けて、「瀬々監督の映画は“匂い立つ感じ”があったほうがいいのかなと持って、数日風呂に入ってなかったんです(笑)」と、まさかの告白に高畑をはじめとするキャストと会場がどよめく。

瀬々監督は「髪がべたついてるなとは思っていた」そうだが、高畑は「臭かったのかな?知らなくてよかったです(笑)」と、気づいていなかったようで、笑い飛ばしていた。

そして、尾野と大東の2人は…。

尾野:私たち、関西人なので、関西弁になってしまう危機感の中で(撮影を)していました。
大東:そやな。関西もコテコテのほうの出身で。
尾野:こんな感じ(つい関西弁)に…。今日は標準語でいきたいねん!
大東:シュッとしよう!
尾野:こんなんで、やっております(笑)。

と、これから夫婦漫才が始まるかのようなやりとりで、会場を沸かせる。

さらに、「太一のような夫がいたらどうですか?」と聞かれると…。

尾野:嫌ですね。でも、全部が全部嫌な夫じゃないような気もしたな。子どもとも、お母さんとも話してくれているし…。
大東:それは?大東くんが?演じて?いるから?
尾野:うん…。
大東:俺が全部言うてもうたやん!言うてくれ!
尾野:………こんなんでやっております(笑)。

と、高畑のようなコメントを期待した大東がノリツッコミで笑いを誘う。その大東が、尾野に対し「尾野さんとお芝居をするのは本当に楽しくて。呼吸するようにお芝居をするので…」とべた褒めすると、尾野が照れ笑いする微笑ましい場面もあった。

映画「明日の食卓」は、公開中。
©2021『明日の食卓』製作委員会

最新情報は、映画「明日の食卓」公式サイトまで。