6月1日(火)、堀ちえみがGEヘルスケア・ジャパンの「ポケットエコーVscan Air新製品記者発表会」に出席した。

「舌がんを患い、ステージ4との告知を受けました」

堀は「皆さんご存じの方も多いと思いますけど、2019年に舌がんを患いまして、ステージ4という告知を受けました。2019年の2月に手術をいたしまして、結果舌の6割以上だったんですけど(切除して)、太ももの皮膚を移植しました。現在リハビリ中で、このように拙(つたな)く聞き取れない言葉もあるかと思いますが、よろしくお願いします」とゆっくり話しながらあいさつ。

また「今回の舌がんの場合、首にも転移しておりまして、最初はエコーで先生が見てくださいまして…。何ヵ所にどのような大きさで、どの位置にあるのか見ていただいたので、エコーには命を助けていただいたといっても過言ではないです」と実感を明かした。

そして「先生に『(がんを)どうやって調べますか?』って聞いたら『まずはエコーで調べます』とおっしゃって、知識がなかったので、大変びっくりしました。先生に診ていただき診断をしていただいたのちに、ほかの検査で詳しく診ても、その通りだったので驚きました」と感想を明かした。

最後に「医療は本当に日々、進歩していますので、告知を受けたときはどんな病気でも非常にショックは多いと思いますけど、自分をもって乗り越えていきましょう、とお伝えしたいです」と呼びかけた。

イベント終了後、堀は記者の質問に答えた。

来年ファンの前で歌うことが、ひとつの目標

舌がんの手術から2年3ヵ月が経過した堀は、現在の様子を「耳鼻科と口腔外科の方で合同の手術を行いましたので、3ヵ月に1回はそれぞれの科を受けるように経過観察で検査等をしていただいています。食道がんのほうも患いましたので、そちらは半年に1回胃カメラを飲んで、再発がないかどうかというのを診ていただいています」と説明。

リハビリについては「今はコロナ禍ですので、1ヵ月に1回あるいは2回ほどのペースで、口腔外科の方のリハビリを受けています。ボイストレーニングはリモートで1週間に1回、2時間ほど指導していただいてます」と明かした。

現在の体調については「今は全然元気です。しゃべり方が後遺症で残ってしまいましたので、ちょっとでもたくさんの言葉をスラスラと話せるようにリハビリを自主的にも毎日、最低でも15分はリハビリとボイトレを積み重ねています」とコメント。

続けて「人間って何かハンディを持つと、どこかカバーをして伸びしろを探すという、すごい生物だなと…。そのことを私自身がこの病気をしてから痛感しました。言葉が拙くなってしまった分、自分の口が楽器だと思って、自分で操作をして奏でるイメージでやっていったら、結果音域が伸びました」と笑顔で語った。

また「1つ何かを無くなったら、1つ得ればいいという思いで、この2年ちょっとを自分の落ち込んだ気持ちとかを奮い立たせて生きてきましたので、生きていれば何でもできるなと思っています」としみじみと告白。

来年の3月にデビュー40周年を迎える堀は「会場とか日時とかは、コロナ禍でいつということが、決められないもどかしさはありますけど、歌は歌えた方がいいと思って、目途は立ててないですが、歌の方は1曲でも多く歌って、皆さまにご心配をおかけした分を安心していただけるようにしたいです」とコメント。

そして「(来年にファンの前で歌うこと)そこを1つの目標に頑張ってきているので、そこは実現させます」と力強く宣言した。

記者から「今、楽しい瞬間は?」と聞かれると「この病気をした後は、見るものすべてがとてもキラキラしていて…。つらいことはありましたけど、本当に瞬間瞬間が楽しいと思います。今は本当に大変な世の中ですけど、楽しいこととか素晴らしいものに目を向けて、同じ生きていくなら、そっちの方がお得かなと思っています」と優しい表情で締めくくった。