<監督:ウィーラチット・トンジラー コメント>

『(LOVE SONG)』は、私にとって初めて長い時間をかけて制作した映画です。日本とタイ、それぞれの文化の違いを学びながら、心を込めて丁寧に作り上げたこの作品は、純粋な恋愛とラブソングの魅力が詰まった、観る人に幸せを届けるロマンティックな物語になりました。

ぜひ皆さんには、誰かを愛し、誰かに愛される気持ちを感じながら観ていただければと思います。この作品を最初に観てくださる方々には、きっと特別な感動を味わっていただけると信じています。

森崎ウィンさん演じるソウタは、真っ直ぐな演技で誰からも愛されるキャラクターとして仕上がりました。一方、向井康二さんが演じたカイは、音楽への情熱と繊細さを併せ持つキャラクター。向井さんの真摯な演技がカイの深い愛を際立たせています。

2人の演技には本物の息遣いが感じられ、この物語がいっそう輝きを増したと感じています。監督として、彼らとともに作品の世界観と歌が持つ真の意味を探り、その深さに触れることができました。

ぜひ、この映画を通じて皆さんにも同じ感動を味わっていただけることを願っています!

<プロデューサー:野副亮子(KADOKAWA) コメント>

今年9月、撮影はとにかく濃い1ヵ月でした。

恥ずかしながら準備万端とは言えない中でやってきたタイ渡航。勝手の分からない国での撮影は本当にいろんなことがありましたが、チャンプ(監督の通名)をはじめとするタイチームの笑顔とホスピタリティ、そして日本チームの助け合いが、クルーの平和を維持してくれたと感謝しています。

タイと日本、皆が笑顔で仕事ができているかどうかは、互いにとってのバロメーターでした。

森崎ウィンさんの大きな笑い声、そして皆をいつも楽しませようと頑張る向井康二さんの明るさで、現場が明るく前向きな雰囲気に包まれていました。

ミャンマー出身の森崎さんと、タイにミックスルーツをもつ向井さん、言葉が違う相手とのコミュニケーションに長けたお2人が引っ張って行ってくれたと思います。

現場中は比較的静かに役を反芻する森崎さんと、照れ隠しなのか(?)、周りのスタッフを笑わせ続ける向井さん。役とは対照的だなあと思って見ていても、本番が始まるとカチっと繊細なやり取りが始まります。

初めて挑む役どころ、我々が準備している間に森崎さんと向井さんが2人でリハーサルし、セリフも自然な言い回しを話し合い、通訳も買って出た向井さんが監督に提案してくれる。そんな場面も多かったです。

2人きりのシーンは、ほかのキャストと一緒のシーンとは表情や話し方が少しずつ違うところにも、ぜひ注目していただきたいです。

そしてタイと日本の共通言語、音楽シーンもお楽しみに!言葉で伝えられなくてもわかること、ソウタとカイを結ぶ未完成のラブソング。切ない歌声が、きっと観る方の心にある「誰かを思う気持ち」にリンクすると信じています。