
株式会社タスカジ(本社:東京都港区、代表者:和田 幸子、以下「当社」)は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する「ディープテック・スタートアップ支援基金/SBIR推進プログラム(2026年度一気通貫型)フェーズ1(※1)」に採択されました。研究開発テーマは「在宅支援向けAI家事判断支援アプリの開発」です。
本事業において当社は、これまでのプラットフォーム運営で蓄積した約100万件の家事支援実績データを「判断ナレッジ」として構造化し、在宅支援向けAI家事判断モデルを構築します。このモデルを、訪問介護・在宅生活支援の現場で利用可能なアプリケーションとして提供し、経験の浅い支援者でも一定の品質で生活援助を実行できるよう支援することを目指します。
今回採択されたフェーズ1では、概念実証(PoC)を通じて判断支援プロセスの有効性を検証し、現場で利用可能なアプリケーションの開発につなげます。
■応募の背景
在宅介護の現場では、訪問介護人材の不足により、掃除・洗濯・調理・買い物といった生活援助を十分に受けられないケースが生じています。生活援助は、一見すると日常的な家事です。しかし実際には、利用者の状態、住環境、家族の状況、介護保険上の提供範囲、そして安全面を踏まえたうえで、限られた訪問時間のなかで「何を、どの順番で、どこまで行うか」を短時間で判断する必要があります。この判断は現場で暗黙的に行われており、経験の浅い支援者にとっては負荷が高く、担い手を増やすことと支援品質を安定させることの両立を難しくしています。
当社は、家事代行マッチングプラットフォーム「タスカジ」の運営を通じて、家庭内の依頼やレビュー、品質評価を蓄積してきました。これをAIが扱える形にすれば、経験の浅い支援者の判断を支えられるのではないか。その仮説を現場で検証するため、本プログラムに応募しました。
■取り組みの内容
当社が開発するのは、在宅で生活する高齢者・障害者の生活援助において、訪問支援者の判断を支援するスマートフォン・タブレット向けAIアプリです。本アプリは、医療判断・診断・身体介護の判断は行いません。対象は非医療の家事・生活周辺支援に限定します。本事業が判断ナレッジとして参照するのは、当社が運営する「タスカジ」に登録し、掃除・料理・整理収納などの家事を担うハウスキーパー「タスカジさん」の見立てです。タスカジさんは、依頼者と直接やりとりしながら、家庭ごとの要望、間取り、使える道具、避けてほしいことを踏まえて、その回に行う作業と進め方を組み立てています。同じ依頼であっても、家庭の条件が異なれば作業内容と優先順位は変わります。本事業では、この判断の過程をAIが参照できる形に整理します。
なお本事業は研究開発事業であり、現在提供しているサービスの内容を変更するものではありません。
※1 NEDOのSBIR推進プログラムは、多様化する社会課題の解決に貢献する研究開発型スタートアップ等の研究開発の促進および成果の円滑な社会実装を目的として、内閣府が司令塔となり、省庁横断的に実施する「日本版SBIR(Small/Startup Business Innovation Research)制度」の一翼を担うものです。
関係府省庁等が実施する研究開発課題や研究開発フェーズは、年度ごとに内閣府ガバニングボードにより決定されます。研究開発の初期段階(PoC、FS)をフェーズ1、実用化開発支援をフェーズ2とし、各フェーズを本事業内でのみ実施する「一気通貫型」、あるいは関係府省庁等で実施する指定補助金等事業へ接続する「連結型」の2つの方法で実施しています。
株式会社タスカジは一気通貫型フェーズ1に採択されました。
<採択結果公表ページ(NEDO)>
https://www.nedo.go.jp/koubo/CA3_100530.html
<公募ページ(NEDO)>
https://www.nedo.go.jp/koubo/CA2_100530.html
<SBIR推進プログラム 公式サイト>
https://sbir.nedo.go.jp/
■代表コメント

株式会社タスカジ 代表取締役・和田幸子「日本の高齢化は、介護を『足りない人手でどう回すか』という問題に変えました。掃除や洗濯、調理といった生活援助を十分に受けられないご家庭が、現に生まれています。見落とされがちなのは、生活援助が単純な作業の集まりではないことです。限られた時間で、その方の状態と住まいと暮らし方を見て、何を優先し、何に触れてはいけないかを決める。生活援助の本質は、作業ではなく判断にあります。
この判断は、これまで一人ひとりの経験のなかに閉じていました。経験を積んだ人は的確に判断できる。しかし始めたばかりの人には重すぎる。だから担い手が増えず、品質も揃わない。一般的なAIに聞けば掃除の手順は返ってきますが、そのご家庭が何を嫌がるか、どの家電に触れてはいけないかは答えられません。家庭は、一軒ごとに違うからです。
当社は創業から12年以上、家庭の中で何が起きているのかを見続けてきました。タスカジさんたちは、家事を代行しているのではありません。ご家庭を観察し、課題を見立て、その家庭に合うやり方を設計しています。その見立てを構造化してAIに渡せるのは、現場と、そこで交わされてきた言葉の両方を持つ私たちだからこそだと考えています。
そして、この判断の構造は人のためだけのものではありません。家庭で動くロボットが役に立]つには、間取りや物の場所を認識するだけでは足りず、『この家では何をして、何をしてはいけないか』という判断の基盤が要ります。今回開発するのは、まず人が使うアプリです。
このアプリが現場に行き渡れば、経験の浅い方でも最初の一軒から迷わず動けるようになります。担い手が増え、いま支援が届いていないご家庭にも手が回る。生活援助を担う方の負担が軽くなり、必要な支援を誰もが当たり前に受けられる社会。まずはそこを目指します。
そして、そこで積み上がった判断の基盤は、やがて家庭に入るフィジカルAIへと引き継がれます。いま人が担っている家事を機械が引き受け、やらなければならない家事そのものが無くなっていく。タスカジが創業以来掲げてきた「世界の家事をゼロにする」は、その先にあります。家事に追われていた時間も気持ちも、そのまま家族と向き合うゆとりに変わっていく。そうした温かな暮らしに向けて、本事業をその一歩として、責任をもって取り組んでまいります。」
■株式会社タスカジ 2つの事業について
家事代行マッチングプラットフォーム事業「タスカジ」多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパー(タスカジさん)と、家事をお願いしたい人とをつなぐ、シェアリングエコノミーの家事代行マッチングサービスです。家庭内の家事負担が女性に偏っていることが理由で、望む人生やキャリアを築くのが難しいという、日本中の多くの女性が抱える社会課題を解決するために立ち上げました。2014年のサービスリリース以来、一貫して家庭のあらゆる家事の課題解決をサポートしており、培った知見をもとに「家事はクリエイティブな仕事である」ことを発信するなど、「家事代行は高価、家事は単純作業」という旧来型の家事意識の改革にも取り組んでいます。また、コミュニティを活性化することによりサービスの質を向上させる「コミュニティ循環型サービス運営モデル」の先駆けにもなっています。利用者数10万名以上。日経DUAL家事代行サービス企業ランキング20171位、日経ウーマン・オブ・ザ・イヤー2018 働き方改革サポート賞。
家事代行マッチングサービス「タスカジ」:https://taskaji.jp/
法人向けソリューション事業「タスカジ研究所」
株式会社タスカジの法人向けソリューション事業「タスカジ研究所」では、住宅、家電、食品、消費財などの企業様に向けて、プラットフォームに蓄積されたデータや知見を活用し、“家の中の生活行動”を起点としたリサーチ・商品開発・マーケティング支援を行っています。
ハウスキーパー「タスカジさん」コミュニティと連携し、家庭という実生活の現場で得られるインサイトを定量・定性の両面から可視化できることが特徴です。
これまでに、食品・住宅・日用品メーカー・自治体などとの共創プロジェクトやサンプリング実証、UX調査、AIを活用した生活データ分析などを通じ、家事・暮らし領域の新たな価値創出を支援しています。
タスカジ研究所:https://corp.taskaji.jp/services/taskaji-kenkyujo/
会社概要

株式会社タスカジ
所在地: 東京都港区虎ノ門1-10-5 KDX虎ノ門一丁目ビル 11階(WeWork KDX虎ノ門1丁目 内)
代表者:代表取締役CEO 和田幸子
設立:2013年11月
事業内容:
・家事代行マッチングサービス「タスカジ」
・法人向けソリューション事業「タスカジ研究所」
URL:https://corp.taskaji.jp
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