9月17日「世界とつながる学び」講演会を開催。ネパールから“カタ”が山手中へ。地元「加古川パスタ」と世界をつなぐ新たな食のプロジェクトも始動
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト(千葉県松戸市、代表理事:中村雄一)は2026年9月17日、兵庫県加古川市立山手中学校において「世界とつながる学びプロジェクト」講演会を実施しました。

山手中学校で行われた「世界とつながる学び」講演会
この日、中村代表が生徒たちに生徒たちに届けたのは、「答えのない問題への挑戦」でした。
世界には、戦争、貧困、災害、環境問題、教育格差など、教科書の最後のページを開いても正解が書かれていない問題が数多くあります。だからこそ大切なのは、誰かが用意した答えを覚えることではありません。
対話すること。
考えること。
実際にやってみること。
そして、その結果をもう一度みんなで考えること。
なかよし学園が「世界とつながる学び」で大切にしているのは、そうしたディスカッションと実践の繰り返しを通して、答えのない問題に向き合い、自分たちの行動によって一つひとつを「正解にしていく」経験です。
この講演会に先立ち、山手中学校の生徒会はうちわを作成しなかよし学園に託しました。

うちわを作成した山手中学校生徒会メンバー
「世界の誰かのために、自分たちに何ができるだろう。」
生徒会メンバーが考えたこの問いから生まれたうちわは、なかよし学園によってネパール、ルワンダ、カンボジアへ届けられ、現地の子どもたちとの授業の中で活用され、今回その結果が写真や映像となって山手中学校へ戻ってきました。さらにネパールからは、伝統的な「カタ」が山手中学校へ贈られ、この日中学校に贈呈されました。
なかよし学園が創り出す学びの環境は「一方的な支援」ではなく、「お互いが助け合い、学び合う」世界です。なかよし学園の活動は、日本から世界へ何かを届けて終わるというものではありません。自分たちが考え、行動したことが世界でどのように受け取られたのかを知り、その結果からまた新しい問いを生み出す。これが私たちの活動のポリシーです。
「自分たちの行動は、本当に誰かの役に立ったのか。」
「次は何ができるのか。」
「もっと良い方法はないのか。」
その問いを再び考え、次の実践へつなげていく。
それが、なかよし学園が目指す「世界とつながる学び」です。
そして今回、この学びの循環は学校の中だけにとどまらず、加古川の農業、地域企業、食文化へと大きく広がり始めています。

未知の問題に対してディスカッションを行う山手中の生徒たち
加古川で6年前から続く「世界とつながる学び」
なかよし学園と加古川市のつながりは、現在の両荘みらい学園の前身となる両荘中学校時代から続いています。
教科書や募金、国際交流、平和学習、そして児童生徒が自ら育てた「RYOSO米」。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000045.000166170.html
なかよし学園と両荘みらい学園は長年にわたって、学校で行っている普段の学びを「世界の誰かのために使えないか」と考え、実際に海外へ届け、その結果をもう一度学校へ返す取り組みを重ねてきました。両荘みらい学園では、児童が育てた米を海外の食糧支援につなげるなど、「身近な学びから始まる国際協力」が実践されています。

カンボジアの難民キャンプに届いた両荘米
そして2026年度、新たに山手中学校が「世界とつながる学びプロジェクト」に参加しました。
今回の9月17日の講演会は、山手中の生徒たちが行動した結果を世界の現場から持ち帰る、最初の大きなフィードバックの機会となりました。
山手中学校のうちわがネパール、ルワンダ、カンボジアへ
山手中学校の生徒会が制作したうちわは、この夏、なかよし学園とともに世界へ旅立ちました。
その一つが、2026年6月に実施したネパール・ルンビニ地域教育支援プロジェクトです。
ネパールの学校では、山手中学校の手作りうちわを、日本文化を紹介するためだけではなく、「人間は どのように生活を便利にしてきたのか」を考える探究型教材として活用しました。

Shree Duttipipal Secondary Schoolに手渡された山手中のうちわ
Shree Kotahi Basic Schoolでは、うちわとブンブンごまなどの教材を組み合わせ、
STUDY → technology → innovation → growing country → peace
という流れを子どもたちに伝えました。
一枚のうちわが、日本とネパールをつなぐだけでなく、「学ぶことが社会を変える」という授業へ変わりました。
「暑い」を解決したい――うちわから扇風機、そしてエアコンへ
9月17日の山手中学校での講演でも、中村代表はうちわとブンブンごまを使い、「システム」という考え方を紹介しました。

うちわとブンブンごまを使って、「扇風機」を生み出すイノベーションを説明する中村雄一代表
暑い。だから人は、手で自分をあおぐ。でも、手が疲れてしまう。
そこで、うちわをつくる。面積が大きいうちわはたくさんの風を生む。
しかし、うちわは人間が手を動かし続けなければ風を起こすことができない。
そこで人間は考える。
「自分がずっと手を動かさなくても、風を起こせないだろうか?」

ブンブンごまで「動力」を説明する中村雄一代表
ブンブンごまを回すと、糸や回転運動によって力が生み出されます。
「回す」という仕組みを理解し、その力を別のものと組み合わせる。
羽根を回転させれば、風を生み出すことができる。
そこから扇風機へ。
そして「風を起こす」だけではなく、「部屋そのものの温度を変える」という発想から、エアコンへ。
人間の生活を変えてきたイノベーションの始まりには、
「どうしてだろう?」
「もっと便利にできないだろうか?」
という問いがあります。

人間が豊かになるために「学び」と「実践」の必要性を説くなかよし学園
学校で勉強することは、テストのためだけではない。
学ぶことで「困った」を「できた」に変える。
その積み重ねが技術をつくり、仕事をつくり、社会を豊かにする。
そして豊かになった人が誰かを助けることで平和へつながっていく。
それが今回、生徒たちへ伝えた「学ぶ意味」です。
ネパールから「カタ」が山手中へ――世界から返ってきた“ありがとう”
今回、なかよし学園はネパールから持ち帰った伝統的な「カタ」を山手中学校へ贈りました。
世界へ何かを「送って終わり」にしない。
山手中学校からうちわを届け、現地で授業を行い、その写真や映像、現地の反応を持ち帰る。
さらに世界からの思いを日本の子どもたちへ返す。なかよし学園が「世界とつながる学び」で大切にしているのが、この循環です。

山手中学校に贈られた「カタ」。現地から「ダンネバード(ありがとう)」のメッセージが入っている。
日本の子どもたちがつくる。
世界へ届ける。
現地の人々と一緒に学ぶ。
その結果が日本へ還る。
なかよし学園ではこの循環を「CoRe Loop」として実践しています。一方向の支援ではなく、日本と海外の子どもたち双方が学び合う教育モデルです
生徒会長「誰かを助けるのは“誰か”ではなく、自分自身」
講演会の最後、生徒会長から中村代表へ言葉が贈られました。
山手中学校 生徒会長の言葉
「私は今まで、募金などで誰かを支援する活動に協力することがあっても、それが具体的にどこで、どのように役に立っているのか実感することができていませんでした。
しかし今回、私たちの作ったうちわを使っていただいている様子を拝見して、本当に自分でも誰かの役に立つことが、誰かを笑顔にすることができるんだということを実感しました。
私たちが行うプロジェクトは、自分たち自身が世界とつながることであり、今の自分でも誰かを助けることができるという意識を持って取り組みたいと思いました。
世界には頑張りたくても頑張れない、自分たちと同じような年齢の子どもも含めた人々がたくさんいること、そんな人たちを助けるのは誰かではなく自分自身であるということを忘れずに、今度は自分からできることを探して、誰もが平和に暮らすことのできる世界へ向けて行動を起こしたいと考えました。」
自分たちのつくったものが誰かの笑顔につながった。
その経験によって、「世界を助ける人」が特別な誰かではなく、「自分」へ変わっていきました。

お礼の言葉を伝える山手中学校生徒会長
「農業と地域と共に」――八幡営農が山手中の挑戦を応援
今回の講演会には、加古川市八幡町で地域農業を担う株式会社八幡営農の代表取締役、大山定造さんが参加しました。八幡営農は地元加古川で地域農業の持続的発展や地産地消を掲げて活動する株式会社です。
同社の出発点となった理念は、
「地域農業(米+麦+大豆)の持続的発展」
地域の女性や高齢者など幅広い人材を生かした農産加工・生産直売による地産地消の推進、
そして、小規模農家が安心して農地を預けることのできる新たな農地の受け手になること。
加古川市八幡地区の6集落、624戸の農家が参加して始まった地域農業の仕組みであり、その根底には「農業を次の世代へ残す」という地域への強い意志があります。
「農業と地域と共に」を掲げる同社は、地域リソースを活用し、生徒たちのグローバル教育を行うなかよし学園に共感し今回の参加となりました。
八幡営農は、日本初の品種登録デュラム小麦「セトデュール」を栽培し、純国産の「加古川パスタ」を展開するなど、地域農業に新たな価値を生み出す六次産業化にも取り組んでいます。
さらに同社は、視察受け入れの目的として「地域モデルとして農業の発展への協力」「教育機関への食育」「社会に貢献できる取り組み」を明記しています。
ここに、今回なかよし学園と八幡営農が手を組む大きな意味があります。

地産地消等優良活動表彰 農林水産大臣賞(生産部門)受賞(2020年)など多くの表彰歴を持つ「加古川パスタ」
地域を守る農業と、世界をつなぐ教育。目指していた未来は同じだった
講演終了後、中村代表は大山さんから、八幡営農が地域で続けてきた農業や「加古川パスタ」に込めた思いを直接伺いました。
地域の農業を守ること。
次の世代へ農地や技術、食文化を残していくこと。
地域の子どもたちに、自分たちの町にある価値を知ってもらうこと。
なかよし学園が世界で行っている教育も、その先にあるものは同じです。
子どもたちが自分の地域を知り、自分が持っている力を知り、それを誰かのために使う。
八幡営農が「農業と地域をつなぐ」なら、なかよし学園は「地域と世界をつなぐ」。
八幡営農となかよし学園の二つが出会うことで、加古川の農業そのものが、世界とつながる教材になります。今回の連携は単なる「企業による学校支援」でも、「商品の海外提供」でもありません。
地域産業を教育資源に変え、地域の子どもたちと一緒に世界の課題へ挑戦するプロジェクトです。

山手中と加古川パスタの取り組みを世界へ発信するプロジェクトを始動したなかよし学園と八幡営農
「加古川パスタ」を世界へ――山手中のレシピが海を越える
山手中学校では現在、地域企業の協力を受け、生徒たちが加古川パスタを使ったメニューを考案しています。生徒が考えたパスタは地域のカフェレストランで実際に提供され、その売上を寄付につなげる取り組みへ発展しています。

加古川パスタと山手中学校、なかよし学園が行う「なかよし加古川パスタプロジェクト」
次は、そのパスタを世界へ。
なかよし学園は今後「加古川パスタ」を海外活動へ持参し、現地の人々と一緒に調理して振る舞う計画です。
ただし、日本のレシピをそのまま持ち込むわけではありません。
ルワンダならルワンダの野菜。
カンボジアならカンボジアの香草や調味料。
ネパールならネパールの食文化。
その土地にある食材を使い、
「その国でしか食べられない加古川パスタ」
を現地の人々と一緒につくります。

これまでも広島のお好み焼きを使った食育授業を行なってきたなかよし学園中村里英事務局長
そして、そこで生まれたレシピ、写真、現地の人々の感想を山手中学校へ持ち帰ります。
加古川で育った小麦が世界へ行く。
世界の文化と出会う。
新しい料理になって、もう一度加古川へ還ってくる。
食を通じた新しいCoRe Loopが始まります。
廃棄される野菜を、世界をつなぐ「ドレッシング」へ
さらに、八幡営農となかよし学園では、新たに「ドレッシング」をテーマにしたプロジェクトも動き始めています。地域で生産されながら、規格や流通上の理由などによって十分に活用されない野菜を、新たな価値へ変える。その一つの方法として「ドレッシング」を考えます。
なかよし学園が活動する国や地域には、衛生環境、水、保存設備、流通など、日本とは異なる食環境があります。だからこそ、「野菜をおいしく食べる」という身近なテーマから、食、農業、衛生、栄養、環境について一緒に考えることができます。

なかよし学園の活動国の1つ南スーダン

地球温暖化の影響で洪水災害が頻発し、食糧危機が起こっている

洪水で打撃を受けるマナジャン難民居住区

元々少ない食材が災害でさらに減少する状況が存在する
このプロジェクトは日本で一つの完成品をつくって配るのではありません。世界各地の野菜、果物、香辛料を組み合わせ、現地の人々と一緒に、
「ルワンダのドレッシング」
「カンボジアのドレッシング」
「ネパールのドレッシング」
をつくる。そして、そのアイデアをまた加古川へ持ち帰る。
フードロス対策から始まった一滴のドレッシングが、世界の食文化を結ぶ教材へ変わっていきます。

八幡営農から届いた加古川パスタとドレッシング
山手中がこれから世界を平和にしていく
今回、生徒たちが世界へ送り出したのは、手作りの「うちわ」でした。
うちわ自体は決して大きなものではありません。
しかし、そのうちわがネパールで科学の授業になり、世界の子どもたちを笑顔にし、その結果が山手中学校へ戻ってきました。

実際に届いたうちわを確認する山手中生徒会と「自分たちにもできる」と実感を持つ生徒たち
次はパスタかもしれない。
ドレッシングかもしれない。
あるいは、まだ誰も思いついていない新しいアイデアかもしれません。
大切なのは、
「自分たちが持っているものを、誰かのために使えないか」
と考えることです。
地域を知ることは、世界を知ることにつながる。
そして世界と出会うことで、もう一度、自分たちの地域の価値に気づく。
加古川の学校、地域農業、企業、そして世界。
その全てをつなぐ新しい「世界とつながる学び」が始まりました。
なかよし学園は、これから山手中学校の生徒たちが生み出すアイデアを世界の現場へ届け、その答えを何度でも加古川へ持ち帰ります。
今度は山手中学校が、世界を平和にしていく番です。
その未来を、私たちはとても楽しみにしています。

これからの活動が楽しみな山手中学校。西脇美恵校長と澤くるみ教諭。
なかよし学園プロジェクト 代表中村雄一 メッセージ
「僕たちは、子どもたちに“答え”を教えたいわけではありません。
世界には、戦争や貧困、環境問題のように、最初から正解が用意されていない課題がたくさんあります。だからこそ、みんなで考え、話し合い、実際に行動しながら、自分たちの手で“正解にしていく”力を育てたいと思っています。
今回、山手中学校のうちわは世界へ渡り、学びと笑顔に変わりました。そして今、加古川パスタやドレッシングという新しい挑戦が始まろうとしています。
学校で学んでいることも、地域にある資源も、一人ひとりのアイデアも、世界を変える力になり得ます。これからの教育に必要なのは、用意された答えを覚えることだけではなく、まだ答えのない未来に、自分たちで答えをつくっていく経験だと考えています。
このプロジェクトを知ってくださった皆さんにも、ぜひ『自分たちなら何ができるだろう』と考えてほしい。教育から、地域から、そして一人ひとりの行動から、世界を平和にする挑戦は始められると僕は信じています。」

世界各国で「質の高い教育」を行い、教育による平和構築を「正解」にし続けるなかよし学園中村雄一代表
実施概要
事業名: 世界とつながる学びプロジェクト
実施日: 2026年9月17日
実施場所: 兵庫県加古川市立山手中学校
実施団体: 特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
講師: 代表理事 中村雄一
主な内容: ネパール・ルワンダ・カンボジアでの活動報告/山手中制作うちわの海外実装報告/「システム」をテーマとしたSTEAM教育/ネパールからのカタ贈呈/平和教育/地域企業との連携
今後の展開: 加古川パスタを活用した海外での食文化交流、山手中学校へのフィードバック、株式会社八幡営農との地域農産物・廃棄野菜等を活用したドレッシングプロジェクトなどを予定。
本件に関するお問い合わせ先
特定非営利活動法人なかよし学園プロジェクト
E-mail:peace.office@nakayoshigakuen.org
写真素材・取材対応が可能です。
掲載時の写真クレジット:(C)なかよし学園プロジェクト
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