先月開業したばかりの「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(東京都・港区)に、「TOKYO NODE」という情報発信拠点があるのをご存知でしょうか?

そのオープニングイベントとして開催されている、38日間だけの特別な没入型パフォーマンス「Syn : 身体感覚の新たな地平」に行ってきました。

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まず会場に足を踏み入れると、そこは未来を想像させる宇宙研究施設のような空間。

カプセルがいくつもあり、よく見るとマネキンと本物の人間が交互に入っています。

人形かと思いきや、カプセルの中には人間も!

カプセルの中の人間にはケーブルが接続されていて、エレクトリカルな音楽が流れるなか、腕や手首、頭を“カクカク”と動かします。観客がいるスペースをぬうパフォーマーもいるのですが、決して客と目線を視線を合わさず、見事に無機質なアンドロイドを演じています。

本当に人間?!と二度見する“ロボット感”

演じているのは、Perfumeなどの振り付けでも知られる演出振付家・MIKIKOさんが率いるダンスカンパニー“イレブンプレイ”の女性ダンサーたち。そして、光や音楽などで異空間を作り出しているのはクリエイティブチームのライゾマティクス。

観客はダンサーに促される形で3つのギャラリーを回遊しながら鑑賞しますが、光のトンネルを通って次の空間に進むと巨大な壁のような柱が音楽に合わせてリズミカルに動き出し、総勢24人のダンサーたちがその間をぬってパフォーマンスを披露します。

光の川が流れています

こちらの部屋はかなりの奥行きがあり、それを生かした光の演出が見事で、光が川のように流れてくるときなどは、見ている私たちもゆらゆらと水の流れを感じるような感覚に陥ります。

これは演者用の高い舞台も、お客さん用の座席もなく、床に座ったりしながら同じレベルで鑑賞する、というスタイルの影響もあるかもしれません。

主催者側はこのイベントは「AIが飛躍的に私たちの日常生活に浸透してきた今の時代において、”身体の感覚“を呼び起こす体験を生み出す」とうたっていますが、モノクロ的なシーンもあれば、鮮やかな色使いの場面もあり、視覚でその変化を楽しむこともできます。

動く壁はダンサーと一緒に踊っているよう

ダンサーが積み木のようなパーツを並べてダイナミックに踊るパフォーマンスはバックのプロジェクター映像とあいまって、情熱的で勢いを感じます。総面積約1500㎡、天高最高15mある巨大展示空間を最大限に生かしています。

一転して、最後のギャラリーは水の向こうにピアノが一台、という静かな世界。

ゴーグルなしだと演奏者とダンサーが見えますが、ゴーグルをかけるとバーチャル空間に光やロボットが現れる仕掛けになっています。

ゴーグルをかけて見るとクラシックな舞台が未来的に

所要時間は約70分で完全入れ替え制。ここが都心のビルの45階であることを忘れてしまうような、最新の映像技術と生のダンスをミックスしたパフォーマンスでした。

とはいえ、写真だけではなかなか多くをお伝えることができません。11月12日(日)まで1日17回もの公演があるので、ご自身で体感して、感覚を研ぎ澄ましてみてはいかがでしょうか。

また、フジテレビのTokyo Art Vibes∞のInstagramの動画で一部を紹介しています。

<イベント概要>

イベント名:TOKYO NODE 開館記念企画 第一弾“Syn : 身体感覚の新たな地平”by Rhizomatiks × ELEVENPLAY

会場:虎ノ門ヒルズステーションタワー45階

TOKYO NODE 45F GALLERY A/B/C 

会期:2023年10月6日(金)〜2023年11月12日(日)

問い合わせ:TOKYO NODE インフォメーション 
03-6433-8200(10:00~18:00)

TOKYO NODE公式サイト:https://www.tokyonode.jp/