28歳の執筆者(篠原かをり)の周囲はまさに出産ラッシュを迎えています。
執筆者は赤ちゃんという生き物が好きなので、せっせと出産祝いを贈っています。赤ちゃんに物を贈ると大抵贈り物を使っている写真や動画を送ってもらえるので楽しいのです。
この前、一ヶ月の赤ちゃんを育てる友人のもとを訪れ、人生で見た中で一番生まれたての赤ちゃんに会いました。
「ぴぃ」だとか「ぷぅ」くらいの小鳥のような声を出すのに大袈裟に顔をしかめて、全身の力を使っているのが大変可愛かったのですが、人間の赤ちゃんは他の哺乳類の赤ちゃんに比べるとあまりに頼りなく見えました。
ガクガクと足元がおぼつかず、頼りない様子を「生まれたての子鹿」と言いますが、生まれて9ヶ月歩けない人間と比較すると生後わずか1〜2時間で歩き出す子鹿の安心感はもっと評価されるべきでしょう。「物事の習得が早い様子」の例えとしての方が正確です。
アドルフ・ポルトマンは、人間は本来もう一年程度胎内で成熟するべきだったのではないかという仮説を唱え、これを「生理的早産」と呼びました。
小さく生まれる動物の代表格は?
今回は、小さく生まれる動物の赤ちゃんについてご紹介します。
赤ちゃんが未熟な状態で生まれてくる動物の代表格に有袋類がいます。
生まれたばかりのカンガルーの赤ちゃんは僅か体長2cm、体重1gほど。見た目も胎児のように透き通ったピンク色をしています。
生まれてすぐに、お母さんカンガルーが自分のお腹の毛を舐めて作った道をよじ登り、育児嚢というお腹の袋の中に入ります。生後半年ほど経つと袋から顔を出すので、多くの動物園では顔を出した日をカンガルーの誕生日としています。
有袋類は、胎盤が発達していないので未熟な状態で生まれ、育児嚢の中で母乳を飲み、成長します。
昨年、遺伝子編集によって絶滅種であるフクロオオカミを復活させるプロジェクトが発表されましたが、代理母とする近縁種スミントプシスはフクロオオカミより遥かにに小さいネズミのような有袋類であったのも、有袋類の特徴に基づくものです。
有胎盤類ならパンダ
有胎盤類で小さな赤ちゃんを産むことで知られるのはパンダです。
生まれたばかりのパンダの赤ちゃんの骨格はビーグル(犬)の全妊娠期間のうち、70%くらいの時期の赤ちゃんの骨格に近いとする報告があります。
確かに生まれたばかりのパンダの赤ちゃんは大人のパンダとは似ても似つかない、スキニーラットのような見た目をしています。
パンダの赤ちゃんとして商品化されているのは、恐らく3ヶ月以降の姿ですが、上野動物園では、「0日齢」や「13日齢」のパンダのぬいぐるみが販売されています。シャオシャオとレイレイの実際の体重になっているそうです。