西山喜久恵フジテレビアナウンサーが、自身の挑戦について語りました。
西山アナは、「世界マスターズ水泳選手権2023九州大会」(※)に「女子50m自由形」で出場することを明かし、話題となっています。
(※)25歳以上に参加資格があり、今年は福岡市、熊本市、鹿児島市で開催(8月2日~8月11日)。約100カ国・地域から約1万人が出場予定。
当初、プライベートでの出場を考えていましたが、それが『ぽかぽか』(フジテレビ)の鈴木善貴ディレクターの知るところとなり、番組としてサポートを申し出。
日々の練習に密着した模様が、毎週月曜日の『ぽかぽか』で「きょうのきくえ 54歳 本気の挑戦」として放送されています。
そんな西山アナに、水泳を始めたきっかけ、世間の反応、大会への手ごたえなどを聞きました(6月29日取材)。
<西山喜久恵アナ インタビュー>
――6月19日放送の『ぽかぽか』で挑戦が紹介されると、即ネットニュースになっていました。ほか、どのような反響がありましたか?
周りの人や一緒にスイミングスクールで泳いでいる女性から「見たよ」「出るんだって?」と言われたり、特に同年代の方からは「頑張って!応援していますから」といった激励をいただきました。
あとは、インスタで、それこそ今回「世界水泳」に出場する青木玲緒樹選手、白井璃緒選手からも応援のコメントをいただき、もうびっくりしているといいますか、夢のようです。
――改めて、「世界マスターズ水泳選手権」への出場の経緯を教えてください。
水泳を本格的に始めたのは、40歳くらい。幼いころから泳ぐことは好きでしたが、高校1年の娘が選手レベルでやっていて、それを応援するうちに、自分もちょっとやりたくなって始めました。
あとは、フジテレビに(『ぽかぽか』の)鈴木Dがキャプテンを務める水泳部があるのですが、入部している榎並(大二郎)アナから、「水泳を始めたのなら一緒にやりましょう」と誘われたことがきっかけで、少しずつ競技会や大会に出るようになっていきました。それが、5年くらい前のことでしょうか。
そんななか、今年の1月の水泳部の新年会で「世界マスターズ水泳」のことが話題になり、「喜久さん、出てみたら?」なんて言われたんです。
参加標準タイムをみんなが調べてくれたら、「42.60秒」で「これならいけるよ!」って。しかも、50m自由形の開催日が、8月8日(フジテレビの日)だったんです。これにみんなで爆笑して、「もう出るしかない!」ということで、「じゃあ…」って(笑)。
でも、あくまでプライベートで参加しようと思っていたら、鈴木キャプテンから「『ぽかぽか』で密着させてほしい」と提案されたので、「こんなおばちゃんでよければ…」とお受けしたという経緯です。
――『ぽかぽか』での特集を見て、西山さんの本気度がアスリートのようで驚きました。
あははは!ちょっと衝撃映像のようですよね。
でも、(五輪4大会出場で4個のメダルを獲得している)松田丈志さんまで来て指導してくださって。松田さんに教わったのに、遅くなったらダメだと思って、すごく頑張っています。本当に言い訳できなくなったな、と。
――今は、40秒を切ることを目標にしていますが、達成度はいかがでしょうか?
今、長水路(国際大会に使用される競技用の50mプール)で、40秒95という記録があって、もう少しなんですが、なかなか40秒を切ることができなくて…。
7月中に2回ほど大会にも出ますし、水泳部の合同練習もあるので、そこで本番を見据えながら、さらに上げていければいいな、と思っています。
本番では、40秒を切れればもう御の字です。39秒台が出せたら「やったー!」という感じです。
――普段、どのようなトレーニングをしてるのですか?
基本的に週2回、行ければ3回泳ぎに行って、あとは、趣味でもあるピラティスを週に1回やっています。
それから、松田さんに教えていただいた「キツくないけど、毎日やると効果が出る」というトレーニングもコツコツと。ちょっとしたトレーニングなのに、2週間くらい続けていたら、本当にちょっと泳ぎやすくなったんです。
松田さんから「代表クラスの選手は、毎日コツコツこういうトレーニングをやっている。だから速いんだ」との金言をいただいたので、私はその2倍以上はやらなきゃと思い、家で「ふー!」と言いながらやっています(笑)。
衰えを自覚する一方で、頑張って泳げばタイムが縮まっていくのが励み
――仕事、家庭とのバランスでご苦労はありますか?
仕事が終わってから泳ぎに行くことも増えたので、そういう意味では、我が家の“お惣菜率”はアップしました。「夕飯、これとこれで食べておいて。ごめんね!」みたいな。
でも、家族は文句も言わずに理解というか、応援してくれています。
――娘さんはどのような反応ですか?
「頑張っているね」とわりとクールに応援してくれていて、「どうせ出るんだったら、悔いが残らないようにね」と、私が娘が大会に出るたびにかける言葉をそのまま言われました(笑)。
言われる側の気持ちがよくわかって、「悔いの残らないように」と心に決めています。
それこそ、娘のおかげで(スタート時の)「『Take your mark』、ピッ!」をずっと聞いていて、「ピッを聞いて飛び込んだら遅いのよ」なんて言ってきました。それが染みついているからか、私、飛び込みだけはうまいみたいなんです。
娘には「飛び込んだあとが遅い」と言われているので、そこを改善しようとしています。
――真剣に、でも楽しんで挑戦している姿が印象的ですが、水泳のよさはどんなところにあると感じていますか?
50歳を過ぎて、老眼もあるし、肉体的にどんどん衰えていくのを自覚する一方で、頑張って泳げばタイムが縮まっていくというのが、励みになりますし、それが純粋に楽しいんです。
体を水平に保ち、水に抵抗なく泳ぐことができれば前に進むものでありながら、やればやるほど奥が深いというのもありますね。
あとは、とにかく水の中が気持ちがいい。今はタイムを意識していますが、ゆっくり泳ぐとリラックスできて、気になることも全部忘れるといいますか…。仕事でやり忘れていたこととかも、一回、置いておいて「ああ、気持ちいい~」と気分転換になる。
年を重ねた方にこそ、おすすめしたいですね。
――8月8日に、見事、40秒の壁を超えたらどうするでしょうか?
たぶん、もっともっと欲が出ると思います。来年も、「次の目標タイムは…」なんて言ってるかもしれませんね(笑)。