前回、グランマ(萬田久子)に寄せられた相談事が…

「娘が“スマホ中毒”だから何とかして!!」

という、びっくりするほどの“知らんがな(自分で解決しろ)案件”だったというのに(とはいえ、そっから“言霊”の物語へと導いていく『グランマの憂鬱』のとてつもなさよ)、なんと今回は…

「妻が“いい歳して”イケメン俳優に色ボケしちまったよ!なんとかして!!」

…って、…うん。…マジで。…前回以上に…

知ったこっちゃねぇぇぇぇーーーーー!!!!!

百歩譲って、前回の案件が、“娘”=高校生=未来ある子どもだから、グランマが何かしら “予感した”ってことにするとして、今回は、その“妻”ってのが柴田理恵さん演じる悦子=“いい歳”ですからね。ホントに、マジで、自分でなんとかしろ!!だってのに、グランマの不動心たるや、動かざること山の如し(意味わからん!)。まったく、ちっとも、めんどくさがらないし、表情筋すらぴくりともしないし、どんな相談事だって“当然”と言わんばかりに…っていうか、「“いい歳”してってのは余計だけどねぇ!!」とか謎ポイントに嚙みついてくるという、大海原のごときグランマの懐。

何事も、どんなことだって、自分事のように考え、咀嚼(そしゃく)して、最適格な指導へと導いていくからこその、“総領”なわけですよね。で、そんな外野のツッコミ(僕だけ)すらも微動だにしないグランマだからこそ、今週もついていきます!っと否応なしに視聴モチベが上がってしまうのです。

“色ボケ”というキーワードからはまったく想像できないトンデモストーリーライン

で、その「妻が“いい歳して”イケメン俳優に色ボケしちまったよ!なんとかして!!」という導入部から繰り出されるストーリーがこれまたすごい。

悦子が色ボケしてしまったという“推し”のイケメン若手俳優・星川翔海(新原泰佑)が、百目鬼(どうめき)村を舞台にした朝ドラに出演する??かも??ってんで、翔海くんを連れてスタッフともども、総領であるグランマに「ドラマの舞台に使ってよろしいか?」ってお許しを得にやってくるんだけど、いつものように“何か”を察知したグランマは“ある条件”を提示し、さらに実は、そのイケメン俳優が、なんだか、思ってた人物とは、違う??イヤなやつ!??だったもんで、さぁてグランマ、一体全体どうする!?!?っという、“色ボケ”というキーワードからはまったく想像できない、どうしてそういう話になる!?!?というトンデモストーリーライン。

なんだけど、やっぱりさすがの『グランマの憂鬱』。“色ボケ”相談に来た理由、“推し”とは、“イケメン俳優の知られざる苦悩”を、それぞれ丁寧に描きながら、毎回恒例なのか、“亜子ちゃん(加藤柚凪)迷子、再び” (前回の白鳥の行く先で迷子回避!には感動したよね…さて、今回はどうやって??)もはさみつつやんややんやで、最終的に、“いい歳して”という何気ないキーワードを起因に物語を収束させていく、とてつもなくよくできたハートウォーミングストーリーに仕上げています。

全体の印象としてはハートウォーミング…これがこのドラマの味、なのでしょう

特にグランマが放つ、「“推し”とは○○○」の含蓄(がんちく)たるやありませんので、○○○とは一体何か?必見です。で、“推し”が実はイヤなやつ??で、そんな“推し”の本性を、ファンが目撃したとき…という、なんだか気分が悪くなりそうな危なっかしい設定まで用いるというのに、“誰の目線にも同じ高さで接する”グランマ思考炸裂だし、悦子の“推し”の目線がとてつもなく純粋だし、“推し”の本質を心得てるしで、なんだか泣けてきます。

よくよく考えたらトンデモストーリーラインだったはずなのに、あれよあれよと、素敵エピソードに紡いで、あわよくば涙まで誘ってしまうこのドラマの腕力、さすが!としか言いようがありません。

そして、毎回グランマのキャラクターの強さで埋もれがちだけど、亜子ちゃんママ、由真(足立梨花)のキャラクター造形も素晴らしいですよね。旦那は単身赴任で、旦那方の実家へ先に引っ越してきた…のが、グランマの家=百目鬼家っていう、どんな嫁でも怖気くはずなのに(“どうめき”って響きの時点で怖気づくよね)、由真は由真でイヤな顔をひとつもしない、とてつもないフラットな精神。

このドラマにグランマと由真の嫁姑問題みたいなのを絡めたら、焦点がブレちゃうし、かといって由真が“ただのイイ人”=いる意味ある?とはならない、絶妙な立ち位置で存在しているのが素晴らしいんですよね。癒しの存在にもなってるし…。だから、なんだか人間関係の少しイヤな部分を描くドラマでもあるんだけど、全体の印象としてはハートウォーミングになってる…。これがこのドラマの味、なのでしょう。

うん、だけど、なことより(おい!)。みなさん、「#喝ぬりえ」応募してください!!僕、ひそかに楽しみにしているのです!!ドラマの番宣ハッシュタグ史上、最も意味不明と言っていい(おい!!)「#喝ぬりえ」!!無限に広がる「#喝ぬりえ」の可能性!!みなさんの発想にかかっています!!ふるってご応募ください!!