本郷奏多さんが詐欺師役を演じた撮影エピソードを明かしました。
4月11日(火)にスタートする火曜ACTION!『クライムファミリー』(フジテレビ/関東ローカル)。
本作は、主人公・松田郷(本郷)が、金をだまし取るために家庭教師を偽り、ある家庭に潜入。しかし、そこは郷以上の悪事に手を染める、とんでもない“犯罪一家”だったと判明するところから始まります。
お互いの本性を知らず、“ウソの家族”を演じ続ける犯罪一家を、郷が、皮肉にも“正しい家族”へと導いてしまうという、ブラックコメディです。
フジテレビュー!!は、主演を務める本郷さんにインタビュー。天涯孤独にして一文無しの詐欺師・松田郷を演じた感想や、撮影のエピソード、また家族のあり方を問う本作のストーリーにちなみ、“家族愛”を感じた出来事も聞きました。
主人公の“振り回されっぷり”に注目してほしい
<本郷奏多 インタビュー>
──オファーを受けた際の率直な感想を聞かせてください。
最初に「詐欺師として、とある家族に近づくけれど、その家族の方が自分よりも悪いことをしている雰囲気が漂っている」と企画を説明していただいたときに、すごく面白そうだなとワクワクしました。第一印象で「ぜひ、演じてみたい!」と思いました。
本作は全4話なので、スピーディに物語が展開していきます。台本に目を通すと、どんどん続きが気になり、スピード感とエネルギーに満ちた作品だなという印象を受けました。
──役作りで特に意識したことはありますか?
郷は詐欺師ではあるのですが、台本を読み進めると、根は悪い人ではなく、奥底にはちゃんと優しい心を持った人なんだと感じました。
だからこそ、嫌なヤツというだけではなく、どこか抜けている部分もあって、愛せるキャラクターにできたらいいなと思い、役を作り上げていきました。
──実際に役を演じてみて、どのようなところに面白さを感じましたか?
基本的に郷は、潜入した一家に振り回される立ち位置。自分より家族の方が上手(うわて)だからこそ、話も成立しますし、面白さを感じます。
郷は、一家の子どもたちよりも年上だけど、手玉に取られて転がされているというのも面白いし、父、母、娘、息子とそれぞれのアプローチの仕方も違うので、1対1で向き合ったときに、郷のキャラクターが変化するところも面白いポイントだなと思います。
──印象に残っているシーンはありますか?
走るシーンが多かったのですが、ここ数年、プライベートではほぼ運動をしてこなかったので、大変でした。毎日、何度も走って…それしか印象に残っていないくらいです(笑)。
荒木飛羽と意気投合!「久しぶりに撮影現場で…」
──郷が潜入する佐々木一家を演じた、大倉孝二さん、真飛聖さん、吉田美月喜さん、荒木飛羽さんとは、それぞれ初共演となりました。現場の雰囲気はいかがでしたか?
皆さん明るい方だったので、初日から和気あいあいとしていました。
スタッフチームも年齢層が若く、ガッツのある方が多かったので、”みんなで一生懸命ものづくりをしよう”という雰囲気がありましたね。
母親役の真飛聖さんは、撮影の合間に子どもたちと遊ぶことでコミュニケーションをとっていらして、くまのプーさんやドラえもんのモノマネをされていたのですが、どれも似てないんですよ(笑)。
僕もそばで聞いていたのですが、真飛さんが「(本郷さんは)子どもたちが何かやったときは話に入ってくるのに、私がいるときだけ目を合わせてくれないのよね」と言っていました(笑)。
息子役の荒木飛羽くんは、17歳で、歳は離れているのですが、僕と趣味が似ていて、楽しく話していました。
僕の感覚では、かなり懐いてくれていたと思います。「良かったらLINEを教えてください」と言われたので、久しぶりに撮影現場で連絡先を交換しました(笑)。
──詐欺師の役ということで、相手を欺くシーンも多いと思います。本郷さん自身は、嘘について持論はありますか?
誰も傷つけない、冗談まじりの嘘をつくことはありますが、本当に重要な場面では、嘘をつかないようにしています。
一つひとつの辻褄を合わせるのも大変ですし、嘘は極力つかない方がいいと思います!
“家族愛”を感じた瞬間「毎回“ありがとう”と感謝しています」
──本作は、家族愛もテーマとして描かれています。本郷さんが“家族愛”を感じた出来事はありますか?
ときどき仕事で「子どもの頃の写真を貸してください」と言われることがあるのですが、母に「こういうことをしている写真が欲しいんだけど」と言うと、すぐに的確なものを見つけてくれます。
たくさん写真を撮って、それを残しておいてくれるということは、やはり自分が子どものときに、すごく愛されていたんだなと感じますね。その瞬間に、毎回「ありがとう」と感謝しています。
──両親とは普段どんな会話をしますか?
あまり改まって話す機会はないですね。連絡もほとんど返せていないです。
家族のグループメールがあって、最近は、兄の子どもの成長記録が送られてきます。ちゃんと確認して、写真は保存しているのですが、特に返信はしないです。
服やおもちゃを買ってあげてはいるのですが、まだ言葉が話せなくて感謝の言葉が返ってこないので、手応えがないなと(笑)。コミュニケーションが取れるようになったら、もっと可愛いと思いますし、これからですね!
心を許す関係になるには「お互いにノーガードである必要がある」
──本郷さんが家族や友人に秘密にしていることがあれば教えてください。
家族や心を許している友人には、一切隠し事をせず、嘘をつかずに接しているので、特にないと思います。交友関係は狭く深いので、ちゃんと心を許した友人というのは少ないですね。
──本郷さんが思う“心を許せる人”とはどんな人ですか?
お互いにノーガードである必要はあると思います。全てをさらけ出せる、何でも言い合える関係がいいのではないでしょうか。
心を許せる友人は、10年以上の付き合いがある大学時代の仲間なので、一緒に過ごした年月、積み重ねも大切なのかなと思います。
──4月に入り、新年度を迎えましたが、新たに挑戦したいことはありますか?
休みの日はずっと家にこもっていて、体力が落ちてきたなと感じるので、何かしら運動はしたいなと思います。
スポーツは一切やらなくなってしまって、年に何回かあるアクションシーンで体を動かしているくらいです。まだ予定はないですけど、何かしら…頑張ります(笑)。
──旅行などはどうでしょうか?
海外に行きたいです。以前、友人とシンガポールに行ったときに、周りに日本人が1人もいなくて、すごくゆっくり過ごせたんですよ。
日本では歩いていると、ありがたいことに気付いていただくことが多いので、それらが一切ないという環境が、僕にとって非日常的でした。
どこの国でもいいのですが、誰も僕のことを知らない、日本語の聞こえない場所で、非日常を楽しみたいです。
──自身のYouTubeチャンネルでは、地元・仙台をめぐる動画もアップされています。登録者が60万人に迫る人気ですが、撮影、編集を自ら手掛ける本郷さんのクリエイト力が光った結果ですね。
うれしいです!映像編集を始めたのは高校生のときで、友だちと旅行した際に撮影した素材を編集したり、最初は友だちに見てもらうために作っていました。
もともと興味があったので、好きなことが生きたなと思っています。
──今後、ドラマや映画などで映像を制作してみたいと思いますか?
映画やドラマの監督というのは、僕の中で役者とは別で、一つ上のステージにいる存在だと思っています。僕がそこに手を出してしまうと、今後、僕が俳優として参加するときに、他の人のお芝居が気になってしまうと思うんです。
その視点を持ちたくないので、監督業は自分が役者でいる限りは、やらない方がいいかなと現時点では考えています。
──最後に、これからドラマを見る視聴者のみなさんへメッセージをお願いします。
ハラハラする展開もありつつ、気軽に楽しく見ていただけるドラマになっていると思います。
また、全話を見終えた後に、素敵な気持ちが残るような作品にもなっているので、このドラマを通して、そういった気持ちを少しでも抱いてもらえたらうれしいです。