神奈川県にある「よこはま動物園ズーラシア」で2024年8月11日にユーラシアカワウソの赤ちゃんが誕生。
生まれたばかりのかわいらしい赤ちゃんたちの様子が届きました!

希少なユーラシアカワウソ

提供:よこはま動物園ズーラシア

ユーラシアカワウソは、ツンドラ以南のユーラシア大陸全土の淡水域や条件によっては海岸付近でも見られる広い分布域を持っているカワウソ。
しかし、かつて良質の毛皮を狙った狩猟によって生息数が激減。近年でも川の汚染などの環境破壊によって生存が脅かされ「準絶滅危惧種」に指定されています。国内でも飼育頭数の少ないユーラシアカワウソのうち、「よこはま動物園ズーラシア」では2頭が暮らしており、そこから新たな命が生まれました。

提供:よこはま動物園ズーラシア

今回、母と父になったのは、エサを担当者に催促したり、展示場の植栽や扉にとびつくなど大胆で積極的な性格のメスの「なごみ」。

リヴ 提供:よこはま動物園ズーラシア

そして、変化には注意深く観察して行動する慎重な性格のオスの「リヴ」。2024年4月にリヴが入園し同居を始め、8月11日に赤ちゃんが3頭(オス2頭、メス1頭)誕生しました。 

貴重!ユーラシアカワウソの赤ちゃんすくすく成長

ユーラシアカワウソ赤ちゃん(8.30撮影) 提供:よこはま動物園ズーラシア

初めての出産となったなごみは、育児に奮闘。3頭の赤ちゃんへ巣材となるワラをせっせと運んで寝床を整えたり、体をきれいになめてあげたり、赤ちゃんがお乳を探しやすいように授乳姿勢をとってじっとしたりと、育児の様子がみられていました。

出産後の育児の様子 提供:よこはま動物園ズーラシア

しかし、授乳が十分ではなかったようで、出産から2日後に1頭の赤ちゃんが天国へ。飼育員の方も「何とかなごみに育ててもらいたい」と、ギリギリまで祈る気持ちで見守ったそうですが、残る2頭もお乳を探す様子が弱々しくなったため、命を繋ぐために今回はなごみに代わり飼育員が育てることになったといいます。

ユーラシアカワウソ赤ちゃん(8月14日撮影) 提供:よこはま動物園ズーラシア

こうして、赤ちゃんは人工哺育に切り換えられ、初日からミルクをよく飲み順調に成長。「ぐんぐんミルクを飲む様子、うねうねと激しく動く姿、日々大きくなっていく2頭に生命力の強さを感じる毎日です」と飼育員の方もコメントしています。そして、生後1カ月が経過した現在は、目も開いて元気に育っているそうです。 

ユーラシアカワウソ赤ちゃん(9.4撮影) 提供:よこはま動物園ズーラシア

また、出産を終えたなごみはリヴと同居を再開し、泳いだり、採食、昼寝など、これまでと変わらない日常を過ごしているといいます。
今回の出産について飼育員の方は「ヨーロッパでも繁殖は順調でなく海外からの導入も容易ではありません。また、国内では現状繁殖ペアがいなかったため、新たなペアで繁殖したことは大変喜ばしいことです。

リヴはポーランドから新たに日本にやってきた個体のため、そのリヴの子が、今後国内のユーラシアカワウソ個体群の維持に貢献してくれることを期待します」と喜びを語りました。

赤ちゃんの公開については、決定次第「よこはま動物園ズーラシア」のホームページ等でお知らせされるということです。