滋賀県高島市の琵琶湖畔にあるグランピングリゾート「STAGEX高島」。ただの宿泊施設ではなく、滞在者の五感をひらき、日常に変化のきっかけをもたらす場所へと進化している。その背景には「地域とともに育つ施設」を目指す挑戦があった。今回は支配人 澤田知枝さんにその歩みと想いを伺った。


「なぜ高島で、グランピングを?」地域へのご縁とまちづくり企業としての決断

──大阪の企業が運営しているんですね。高島とのつながりがあったのですか?














STAGEXの運営会社 光亜興産株式会社の創業者が長浜市出身であることや、昭和40年代には今津松陽台の宅地開発をおこなったこともあり、滋賀県 高島市とはご縁がありました。


「しんあさひ風車村」(1988年に整備された風車がシンボルの公園・1993年に道の駅として登録)が建物や遊具の老朽化により2016年から休業していたところ、まちづくり事業を営む当社から宿泊拠点の整備用地としての提案をさせていただき、高島市から企業誘致というかたちで指定を受け、当施設の開発がスタートしました。


当時はちょうど“グランピング”が注目され始めていた時期でもあり、自然豊かな高島市との相性の良さを感じたことも、取り組みの後押しになりました

富裕層向け“非日常リゾート”としての出発点

──高島市初のグランピング施設でしたね。開業当初は、どんな施設を目指していましたか?


2018年のオープン時は、“贅沢な非日常空間”を提供するラグジュアリー型グランピングを想定していました。主に、都市部の富裕層をターゲットに据えていました。グランピングといえば、“贅沢”“ラグジュアリー”というイメージが強く、当時はそれを追求していたのが正直なところです。実際、キャンプ未経験の方々が「自然を味わいながらも快適に過ごしたい」というニーズを持って来られるケースも多く見られました。


コロナ禍で変化した価値観と、お客さまの声



──今の“整う”“五感”というコンセプトは、どこから着想を得たのですか?


転機となったのが、新型コロナウイルスの流行でした。人々が“安心して心を緩める場所”を求めるようになり、来てくださるお客さまの反応も変わってきました。


「芝生が気持ちいい」「空が広くて癒された」といった声を多くいただき、 “何もないこと”がむしろ贅沢なんだと気づかされました。そこから施設全体の方向性を見直し、“贅沢な非日常”よりも、“五感に満ちる自然体験”と“心とカラダが整う時間”に価値を置くスタイルへと徐々にシフトしていきました。



──その方向転換に葛藤はありませんでしたか?



正直、ありました。後からオープンしたグランピング施設は屋内で食事ができる設備が整っていたので、お客さまは快適さを求めてそちらに流れていくのではないかと、焦ったこともあります。


ですが、当施設はデッキで風を感じながら食事をするアウトドアを大切にしました。快適さだけを追いかけるのではなく、この場所ならではの空気や余白こそが魅力だと気づいたからです。そこで“快適性を追い求めた設備投資を追求するのはやめよう”と決め、ここにある価値に目を向ける決断をしました。


地元飲食店や観光施設との連携を重視

──地域との連携は、意識して行っているのでしょうか?


    ガラスクラフト体験(神通硝子制作所)


はい。私は隣の長浜市に住んでいるのですが、以前は高島市にあるホテルのレストランで10年以上働いていました。その際に築いたご縁を活かして、地元の老舗飲食店や観光施設と積極的に連携をしています。


最近では、近隣の飲食店と連携し、地域の味を届ける「食」の提供に向けても動き始めています。ほかにも、SUP体験やマキノ高原のピックランド、箱館山スキー場、ガラスクラフト体験の神通硝子製作所とも連携をしています。


まちづくり会社として、宿泊するだけでなく、STAGEX高島に来た人が高島を好きになってもらえる“きっかけ”になれたら嬉しいです。

視・聴・嗅・味・触のすべてを使って、整う時間をつくる

──“五感に満ちる体験”とは具体的にどんなものですか?


    サウナ


たとえば、焚き火の音、風のにおい、発酵調味料の香りや味、琵琶湖から昇る朝日を眺める時間……。それらすべてが、訪れた方の“感覚”に働きかけます。


実際に、「ここで初めてサウナを体験して整う感覚を知った」「レンタサイクルで自然の中を走って、身体を動かす楽しさに目覚めた」などの声をいただいています。


ここでの体験が、日常にちょっとした変化をもたらす“気づき”につながれば、私たちにとってそれが一番の喜びです。

3世代で支える、顔の見える施設づくり

──スタッフの体制にも特徴があると聞きました



20代前半の若手から、70代・80代のベテランまで幅広い世代が一緒に働いています。特に芝生の管理は、昔からこの土地をよく知る地元のおじいちゃんたちが丁寧に手入れしてくれていて、口コミでも「芝が気持ちいい」と評判です。


親世代・子世代・孫世代がひとつのチームとなって支える“顔の見える運営”は、STAGEX高島の魅力のひとつだと思っています。


帰省するように毎シーズン宿泊する方も

──リピーターのお客さまも多いんですね


     グループや家族連れなどさまざまなお客様がリピート


はい。夏になると毎年欠かさず訪れてくださるご家族や、親族が集まる場として利用される方、桜の季節に毎年お越しになるご夫婦など、幅広い層のリピーターに恵まれています。


お子さまたちも自由に走り回って遊んでくれて、「おばあちゃん家に帰省するような気持ちで来ています」と言っていただけることもあり、とてもありがたいです。


関係人口につながる、“地域の玄関口”としての機能も担う

──今後の展望を教えてください


     STAGEX高島 支配人の澤田知枝さん  


観光として訪れて終わるのではなく、高島と関係を持ち続ける人を増やす仕掛けを作っていきたいと考えています。そうした一つひとつの積み重ねが、結果として高島市の地方創生に少しでもつながっていけば嬉しいですね。


たとえば、高島の歴史や文化、地酒や自然を紹介するマップを作成し、滞在した後に別の施設や店に立ち寄ってもらえるような流れを作れたらと思っています。


グランピングは“泊まる”ためだけの場所じゃなくて、“気づき”や“変化”を得られる場所にもなれる。STAGEXをきっかけに、高島という土地を好きになってもらえたら、それが一番嬉しいです。


STAGEX高島は、五感を満たし、心を整え、地域と人とをつなぐ“自然ステイの拠点”として、静かに、確実に進化を続けている。



【施設概要】

  • 名称:STAGEX高島
  • 所在地:滋賀県高島市新旭町藁園336
  • URL:https://takashima.stagex.jp
  • コンセプト:五感に満ちる/心とカラダが整う自然ステイ
  • 客室:キャビン、ドッグキャビン、ドームテント、ロータステントの4タイプ
  • サービス内容:サウナ・発酵BBQ・地元連携体験・レンタサイクル・送迎あり(要予約)





行動者ストーリー詳細へ
PR TIMES STORYトップへ