奈緒さんが、初となる『ザ・ノンフィクション』のナレーションで、“ラブレター代筆”にまつわる物語を読みます。

奈緒さんは、12月11日(日)14時~放送の『ザ・ノンフィクション「ラブレターを書く人~愛を伝えたい人々と代筆屋~」』(フジテレビ/関東ローカル)の“語り”を担当。

自分が思いを寄せる人に、「愛」や「思い」を伝えたい…。ですが、それを言葉にして綴るのは簡単なことではありません。そんな人々の思いを“手紙の代筆”という形で請け負う男性がいます。

会社員として働くかたわら、“代筆屋”として年間160通以上のラブレターを書く小林さんです。なぜ小林さんは、代筆業を始めたのでしょうか?そして、彼に依頼をする人々の思いとは?

番組は、小林さんの丁寧な仕事ぶりとともに、依頼者との交流にも迫り、それぞれの「愛」や「思い」の形に迫ります。自身も「手紙が好き」という奈緒さんの“語り”、そして、手紙の“代読”にも注目です。

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誰かに愛を伝えたい人と、その思いを手紙にしたためる男性の心の交流

大切な人に「愛」を伝えたい…でも、いざとなると言葉が見つからない。

そうした人たちの思いを手紙に綴るのは「ラブレター代筆屋」の小林慎太郎さん(43)。会社勤めのかたわら、8年前から代筆屋を始め、これまでに160通以上のラブレターを書いてきました。

当初、想定していた若い女性からの“胸キュン”な依頼はほとんどなく、「離婚をなかったことにしてほしい」「病気の妻に感謝の気持ちを伝えたい」など、切実な思いを何とか相手に伝えたいという人からの依頼が多いといいます。

「解散が決まった地下アイドルにラブレターを送りたい」という依頼者の45歳の寺木さん。ファン歴はまだ半年だが、彼女に会うために仕事終わりや休日を使い、週に3回以上、ライブ会場へ足を運びます。そんな寺木さんが伝えたい「愛」とは…。

「40年前に離ればなれになった娘に会いたい」という81歳の阿部さんは、父の愛を伝える手紙を小林さんに依頼しました。4歳の時に妻と離婚し、以来、一度も会ってない娘。手元にあるのは、娘の写真をプリントしたハンカチだけ。写真は一枚も持っていません。

当時から、中華料理店を一人で営む阿部さんには、「私が大きくなったらお父さんのお店を手伝ってあげる」という娘の言葉が宝物のような思い出です。

そんな阿部さんの思いを伝えるために、小林さんはどんな「愛の言葉」を綴るのでしょうか。

誰かに愛を伝えたい人々と、その思いを手紙にしたためる男性の心の交流を見つめました。

フジテレビュー!!では、収録を終えた奈緒さんに取材。初となった『ザ・ノンフィクション』のナレーション、VTRの感想、自身の手紙の思い出について聞きました。

いつか返事がくるかもしれないという希望を持ちながら生きていける

<奈緒 インタビュー>

――今回は、通常のナレーション部分に加え、手紙を“代読”する部分もありました。収録を終えていかがですか?

すごく責任を感じましたし、緊張しました。普段、ナレーションを読むときは、“天の声”ではないですが、少し俯瞰して読むものですけど、今回の代読は特殊で、手紙の代筆を依頼した方々と、その思いを受けて言葉を紡ぎ出した小林さんの思いと両方が募った文章でしたから。

代読していると、気持ちを持っていかれて、引っ張られて、ウルッときちゃうこともあり難しかったですが、心を込めて読ませていただきました。

――手紙の代筆というテーマについてはどんなことを感じましたか?

手紙の代筆というお仕事を初めて知ったのは、「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」というアニメで、そのときに、すごく素敵なお仕事だなと思いました。

今回「ラブレターを書く人」というタイトルを聞いたとき、きっとそのなかには、いろいろなドラマがあるだろうと感じ、すごく「知りたいなぁ」と思いました。

実際に小林さんのお仕事を見ていると、依頼した方になりかわって言葉を考えるなかで、小林さん自身の生活にも影響があることも見えて。

誰かの愛を伝えようとすることで、自身の愛を見つめ直す時間になっていたりとか、改めて素晴らしいお仕事だな、と感じました。

――小林さんに手紙を依頼した寺木さん、阿部さんの印象は?

自分が思いを寄せる地下アイドルの方のグループが解散してしまうという寺木さん。すごくさみしいと思うのですが、手紙で気持ちを伝えることで、大好きな人が引退したとしても、今までの思い出とともに、自分の人生を新たに歩んでいこうとしていらっしゃる。その姿に、ナレーションを読みながら「頑張れ」とすごく応援したくなりました。

今、世の中には“推し”がいる方も多いですし、その推しを応援しながら、幸せを願う方は本当にたくさんいらっしゃると思います。寺木さんのお手紙は、そういった方々の救いにもなるようなお手紙なのではないかと思いました。

阿部さんは、ラブレターを送る相手が娘さんということで、ラブレターというのはすごく深いものなんだなぁ、と感じました。

阿部さん自身、言葉にしたい思いはあるけれど、それを直接伝えられない事情もあるなか、伝えたかった思いと愛を後悔なく娘さんに伝えられたのかなと思うと、今後、時間が経って、娘さんと阿部さんが会う未来があったらいいな、と願うような気持ちになりました。

手紙を出したことで、いつか返事がくるかもしれないという希望を持ちながら生きていける。手紙を出さなければ、その希望を持つこともできなかったと思うので、本当に素敵なことだな、と思いました。

そんな阿部さんを見ていて、私自身、幼少期を思い返し、あのころはあんなにお母さんに手紙を書いていたのに、最近書いていないな、なんてことも思いました。

――お母さまにはどんな手紙を書いていたのですか?

本当に「大好きだよ」とか「産んでくれてありがとう」とか、そのときに思ったまっすぐな言葉を好きなように書いて母に渡していました。口で言うのはもちろん、今思うと、自分が伝えたかった言葉をずっと持ってほしかったんだと思います。

自分で思いを込めた字で書いた手紙をお母さんが受け取ってくれ、持っててくれるというのが、あの時はすごくうれしかったんだろうなって。

うちの母も手紙が好きで、今でも私がちょっと遠方に行くときなどに、「頑張ってきてね」と一筆書いた手紙をバッグの中に入れてくれたりして。その返事を私は書けていないな、と気づきました。

――手紙といえば、先日、映画で共演した永野芽郁さんに手紙を書いて、永野さんが泣いてしまった、というエピソードもありますね。ほかにも、最近、手紙を書いたことは?

奈緒からの“泣かない手紙”に、永野芽郁が「どこが泣かない文なのよ!」と涙

先日クランクアップしたドラマ(『ファーストペンギン!』<日本テレビ>)の「さんし船団丸」の共演者のみなさんに、クランクアップ前日に書きました。

書いている間は、その人とご一緒した3ヵ月に何があったかというのを思い返せる時間で、あんなこともあった、こんなこともあった、と思い出し、筆が止まっちゃうこともあるんですけど、今は打ち上げもない時代ですし、伝えられることは伝えなきゃ、と思って書きました。

それをみなさんがすごく喜んでくださり、大事にするよ、と言ってくださったのがとてもうれしかったです。

その後、今度は、スタッフさんが私に手紙を書いてくださって。その手紙を読んでいろいろなことを思い返しながら、「よし頑張るぞ」と元気づけられるなど、ここ数日手紙のやりとりが多かったです。

そういう手紙は宝物だと思っています。私にとってはファンレターも同じで、ファンの方からいただくお手紙をずっとスケジュール帳にいれておいて、それを読んで活力にすることもありました。

手紙は今後も書いていきたいですし、手紙でのやりとりができるといいなと思っています。

<ナレーションの一部を先取り紹介>