10月15日に、新しく生まれ変わり運行が開始された、豪華寝台列車「ななつ星 in 九州」のクルーズトレイン本部・小川聡子さんに密着しました。
2013年に日本初のクルーズトレインとして登場した「ななつ星」。JR九州が社運をかけて投入した豪華寝台列車で、博多から出発して九州を周遊、客室に泊まりながら観光地を巡ります。
小川さんは、その列車の、内装から運行までを取り仕切る責任者です。
「ななつ星」の魅力の1つが、走っている土地にあわせ、名店のシェフが腕を振るう料理。鉄道に乗りながら食事をすることで、旅と料理をリンクさせ九州全体を味わい尽くせます。
今回のリニューアルにより、乗客同士が交流できるサロンや、茶室が新設。そのプランは、1泊2日でひとり65万円から、3泊4日で最高170万円といった高額なコースも。
それでも応募が殺到するなど、世界中から注目されています。
番組では、おもてなしの裏側や小川さんのスイッチの切り替え方にも迫りました。
人生最高のシーンを演出する「ななつ星」責任者・小川聡子さんの“セブンルール”とは?
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ルール①:出発からワクワクさせる
「ななつ星」の旅は、JR博多駅に作られた専用ラウンジ「金星」からスタートします。
今回のリニューアルにより、ラウンジには乗客同士がコミュニケーションをとれるようにと、自由に行き来できるビュッフェを新設しました。
小川さんは「出発に向けて期待値をどんどん上げていって、ワクワクしていただきながら、列車へと道のりを歩んで行ってほしい」と乗車前から、乗客を盛り上げます。
ルール②:旅と料理をリンクさせる
この日「ななつ星」は、博多から鹿児島の霧島をめぐる新ルートを走りました。
大分県の皿山地区に立ち寄ると、料理に使われている「小鹿田焼」の器が作られている窯元を観光。
再び「ななつ星」に戻ると、由布院が地元であるフレンチシェフによる料理が、小鹿田焼のお皿で提供されるなど、旅と食事をリンクさせます。
このように「ななつ星」を通じて、九州各地の魅力を味わい尽くせる旅を提供します。
スタジオでは、「若いときはまったくピンときていなかった」というYOUさんが、「こんなに乗りたいとは、ビックリしました」と興味津々な様子。
実際に乗車した番組スタッフに、「何なんマジで!」(YOU)、「うらやましい!」(青木崇高)と言い、YOUさんは「(乗れるなら)カメラアシスタントとかやるっす!」と悔しがりました。
ルール③:沿線の人に会いに行く
今回のリニューアルで、初めて「ななつ星」が走ることになった、吉都線(きっとせん)。
その沿線にある、日向庄内(ひゅうがしょうない)駅の近所に住む「乙女会」のメンバーは、率先して駅の待合室の掃除や飾り付けをしてくれています。
「ななつ星」が停車しない無人駅であるものの、ホームの脇にひまわりを植えるなど、地域ぐるみで「ななつ星」を盛り上げます。
小川さんは、そんな「乙女会」のメンバーのもとを訪れ、「人と人との関係が一番大事」と感謝を伝えます。
スタジオでは、長濱ねるさんが「ラグジュアリーな旅だからと、高級なものを集めるんじゃなくて、地元の食器や地元のおつまみを味わえるのはいいなって思います。(そういうのが)住んでる人も『ななつ星』を応援したくなる要因なのかな」と感想を。
ルール④:疲れたら阿蘇の空を見に行く
福岡生まれの小川さんは短大卒業後、キャビンアテンダントとして17年勤務。
その後、自然の中での暮らしを求め、熊本県・阿蘇市に住むも、「ななつ星」のクルー1期生募集の告知が目に止まり、応募したといいます。
そんな小川さんが、休日に向かったのは阿蘇の産山村。
疲れたときには、阿蘇に広がる空を見上げることで、自身のバランスを整えます。
そんなときに思い出すのは、彼女が移住した際、慣れない山での暮らしを助けてくれたというご近所さんのこと。
小川さんは「『手間返し』とよく言われるんですけど、人と人とのやり取りの中に生活があって。これっておもてなしの原点だなと思います」と語りました。
スタジオでは、青木さんが「小川さんみたいな人生ってステキ」と語り、「若いときに努力した後に、地元の魅力を再発見する。それで、これまでの知識や体験を仕事に結びつけるって、最高に究極じゃないかな」と称賛しました。
ルール⑤:旅のプランは引き算する
この日、小川さんは鹿児島県の海辺で、観光のシミュレーションを行っていました。
旅の工程で、「海が汚れていることにより、ウミガメが陸に上がってきている」といった、ウミガメ保護活動の話を聞く時間を設けるというプランを立てるも、他のクルーからは「(環境保全の話ではなく)シンプルに海を眺めていたい人もいるはず」という意見も出ました。
シミューレーションを重ね、最終的には30分の時間内で、短く話を聞いたあと、ゆっくり話を聞きたい人は座り、海を見たい人は自由に移動してもらうなど、海での過ごし方を選べるようにしました。
ルール⑥:列車内は時間ごとに変化させる
新設されたサロンでは、お茶やお菓子を楽しむことができます。
ピアノの生演奏で迎えられたディナータイムになると、昼間と違い、九州産のジュースやビールと、ラインナップも変更されます。
さらに、茶室には、鹿児島伝統の酒器・黒千代香(くろぢょか)を使った、焼酎のお湯わりも用意されていました。
電車の中の風景が変化しないため、時間の流れや時の移ろいを見た目の変化で作っていきます。
小川さんは「(そうすることで)お客様の感じるものも変わってくると思うし、旅が楽しくなる1つの要素として取り込んでいます」と語りました。
ルール⑦:旅はみんなで作り上げる
「ななつ星」の車窓の先には、風光明媚な海と山が広がりますが、さらに、沿道から手を振る地元の人たちの姿をあちこちで見かけます。
小川さんは「『ななつ星』に乗ったお客様が絶対におっしゃるのは、『この地域のひとたちの温かさや、列車内でのおもてなしが心にすごく心に届いた』といった言葉や、『通りすがりの人が手を振ってくれる』といった地域の方からのアクション」と説明。
「(地域の方たちも)同じチームだと思ってますし、その気持ちは列車の中に車窓を超えて飛び込んでくるんです。それはその地域に行って、一緒になって作らないとなし得ない旅だと思っています」と語りました。
小川さんは、「ななつ星」を通してそういった九州の魅力を伝えます。
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世界の音楽シーンを牽引する作詞作曲家に密着
11月15日(火)の放送では、作詞作曲家・岡嶋かな多さんに密着。
これまで携わった曲は400曲以上、オリコン1位獲得も100曲を越えるヒットメーカー。BTS、TWICE、安室奈美恵さん、Snow Manなど、有名アーティストとの仕事も多い。世界の音楽シーンを牽引する作詞作曲家・岡嶋かな多さんの7つのルールとは?
番組公式HP:https://www.ktv.jp/7rules/