白川郷の四季(春)ー小さな村・岐阜県白川村は世界遺産の合掌造り集落で有名です




白川村には、都市からの移住を考える人から、よくこんな声が届きます。


「自然に囲まれた暮らしに憧れる。

でも、地方で自分の力を活かせる仕事に出会えるのか不安で…」


自然への憧れと、働く自分の姿が想像できない不安。その間で揺れる人は少なくありません。


岐阜県白川村で行政保健師として働く髙島綾子(たかしまあやこ)さんも、もともとは奈良からの移住者でした。20年以上前に村の魅力を知り、ご縁を感じて地域の健康を支える仕事を通して「ここに暮らす」ことを選びました。


移住者としての視点、保健師としての日常―。

その重なりから見えてくるのは、小さな村だからこそ感じられる“手触りある働き方”です。


世界遺産・白川郷の未来を100年後も守り継いでいくために。

白川村で働く保健師の物語を少しだけお届けします。


白川村で行政保健師として働く髙島さん



1|「岐阜県の北海道」に惹かれてー若者が選んだ白川村での暮らし


白川村は「岐阜県の北海道」と呼ばれるほど四季の表情が豊かで、自然と人の暮らしが深く結びついた地域です。

冬の深い雪、春に一気に芽吹く新緑、夏の澄んだ空気、秋には黄金色の稲穂。

世界遺産・白川郷の合掌造り集落は、自然と共に生きてきた人々の知恵が宿る場所でもあります。


白川郷の四季(夏)


白川郷の四季(秋)


白川郷の四季(冬)



そんな白川村で、新卒から保健師として歩み続けてきたのが髙島綾子さん。

彼女の歩みは、白川村という“働く場としての魅力”を象徴しています。


髙島さんが白川村を選んだ理由の一つは、初めて訪れた時の風景にありました。


「夕方のススキ道がとても綺麗で。ここに住もう、と直感しました」


村南部の自宅の窓からは、電線が一本もない空の下、山の稜線と里の風景が絵画のように広がります。「村で一番好きな場所」と語るその風景は、白川村の暮らしの豊かさの証です。


職場までの通勤は車で15分。

春は新緑のトンネル、秋は紅葉の回廊を抜けるような通勤ルートが続き、「四季の移ろいを感じながら働けるのがこの村ならではの魅力です」と話します。


紅葉シーズンの世界遺産・白川郷


こうした自然と共にある日常は、髙島さんだけでなく、白川村で働く多くの職員が大切にしている“暮らしの温度”でもあります。


学生時代、髙島さんはもともと北海道で働きたいと思っていました。

そんな時、岐阜県職員の教員から紹介されたのが白川村。「岐阜県にも北海道のような場所があるよ」と。

説明会での先輩保健師や役場職員の温かさに触れ、出会った方へのご縁も感じながら「ここでなら、安心して仕事ができる」と、就職先を白川村1本に絞ったといいます。


22歳で着任したとき、村の人たちは「こんなところに来て暇やろう?」と気遣い、休みの日には「山菜採りに一緒に行くか」と声をかけるなど、温かく受け入れました。その関わりの中で「“3年働いたら海外青年協力隊へ”という夢がありましたが、気付けば20年以上経っていました」と髙島さんは笑います。


結婚・子育てを経て、隣県の富山県や産業保健師として経験を積み、コロナ禍に再び白川村に戻った髙島さん。

村としても、地域を深く理解した彼女が再び現場に戻ってきてくれたことは、大きな支えになっています。


2|一人一人と向き合う、“顔が見える距離” で支える暮らしの健康


白川村が大切にしてきたのは、世界遺産の景観だけではありません。

そこに暮らす人々の“健康”もまた、地域の未来を支える欠かせない基盤です。

その最前線を担っているのが、行政保健師である髙島さんです。


髙島さんは、人口1500人の白川村で赤ちゃんから高齢者まで「村に暮らすすべての人」を対象に、健康づくりや生活支援を担います。

生活の変化や不安があれば、年齢を問わず相談の入口になる――。

それが、白川村の行政保健師の大きな役割です。


1人1人の顔が見える距離でのやりがいある仕事


近年は若い移住者が増え、妊婦さん・産後の相談も多いといいます。


「産婦さんは退院直後がいちばん不安な時期。

知り合いもいないし、ご主人も仕事で日中は不在。“夜眠れない”“日中の育児がつらい”という声を、まずは受け止めることが大切なんです」


本来なら複数の保健師で担当する領域ですが、現在は髙島さんが全世代を担当。そのぶん、管理栄養士の 奥野真夕さん(新卒4年目)らと連携し、ひとりで抱え込まない体制を整えています。


ある家庭訪問では、医師からたんぱく質やカリウムなどの食事制限を伝えられたものの「何を食べればいいのか分からない」と悩む声がありました。奥野さんが食事内容と量がわかる写真や服薬・受診情報などの医療のデータを集め、髙島さんと共有し、ふたりで再訪問。生活の工夫と食事のアドバイスを組み合わせることで、利用者からはこんな言葉が返ってきたといいます。


「今日来てくれて本当に助かった。ありがとう」


奥野さんはこう話します。

「髙島さんに、“1回きりの訪問で解決しようとせず、とにかく話を聞いて、持ち帰って調べて勉強して再度会いに行くこと”と教わりました。住民の方から学ぶこと、本当に多いです」


家庭訪問は大変な仕事ですが、それでも続けられる理由は明確です。


「仕事の7〜8割は大変。でも、“ありがとう”“助かったよ”の一言で、明日も頑張ろうって思えるんです」


こうした“日常の暮らしに入り込む支援”こそ、白川村の地域保健を支えている力であり、この仕事の確かなやりがいそのものです。


2年に1度の職場旅行で(2025年夏はベトナムへ)


3|暮らしを支える人を、支える。白川村が育む健康増進の姿


忙しい毎日の中でも、髙島さんは基本的に18時までに退庁。家庭との両立もできており、今は地域を支える立場ですが、かつては村民に助けられた経験もあると話します。

「子どもが小さい頃、目を離したすきに外に出てしまったことがあって…。でも近所の人が連れ帰ってくれて。本当に助かりました」


こうした“暮らしの近さ”は、白川村に受け継がれてきた相互扶助の文化——「結(ゆい)」の延長線上にあります。

合掌造りの屋根を村民同士で葺き替えるように、困ったときには自然と支え合う。その文化は、地域保健の現場にも確かに息づいています。


合掌造り家屋の大きな茅葺屋根を村民同士の助け合いで葺き替えています



行政保健師は、日々の判断に専門的な知識が欠かせない仕事です。


「治療のガイドラインは数年で見なおされ、新しい薬もどんどん出てきます。地域の“最初の相談役”として、学び続けることは欠かせません」


髙島さんの提案により県外の研修が出張扱いになり、交通費・宿泊費も公費で支援されるようになりました。月1回ほどの研究会参加で、知識のアップデートが続けられる環境が整っています。

「これは自治体ではかなり珍しい対応です。白川村の保健師は恵まれていると思います。この学びを村民に還元できるように緊張感をもって学び続けています」と髙島さん。


白川村では、移住者の職員も多く、

「新しいことはどんどん挑戦しなさい」

「根拠さえあれば、前例がなくても動き出す」

という、風通しの良さがあります。

小さい村ですが、その風通しのよさが、地域保健の現場を支えています。


高齢化が進む中、村としても“地域の保健・医療・福祉を支える人材”を大切に育てたいと考えています。

髙島さんの経験、住民の「ありがとう」、仲間との連携――。

そのすべてが、白川村の暮らしを支える確かな力になっています。


4|白川村が目指す“地域の健康づくりを見える化する”という挑戦

—世界遺産の未来を、暮らしの健康から支えるために


白川村では、世界遺産・白川郷の未来を守るために、観光だけでなく“暮らしを支える人”の存在を社会にひらいていくことが重要だと考えています。


髙島さんのように、住民の声に寄り添いながら働く姿は、白川村が大切にしてきた“地域の健康を支える力”そのものです。

静かな山里だからこそ気づける暮らしの変化や「ありがとう」の言葉は、地域の健康づくりを動かす原動力です。


白川郷の四季(夏)ー田植えまつり


一方で、行政保健師は人材確保が難しく、仕事内容の広さも相まって魅力が伝わりにくい課題があります。

だからこそ、白川村ではその“本質的な価値”を可視化し、未来へつなぐ取り組みを進めています。

住民の“暮らしの健康”を支えることは、世界遺産を次世代へ受け継ぐための土台。

合掌造りと同じく、暮らしを支える人がいてこそ地域は続いていきます。



白川村役場 庁舎


5|地域保健に携わる未来を、小さな村でひらく。

まずは、白川村での地域の健康づくりを“体験”してみませんか?


髙島さんの歩みは、地域に寄り添い、地域に支えられながら働く――

そんな“白川村らしさ”を映し出しています。


白川村には、小さくてもあたたかく、誠実に住民と向き合う現場があります。

そして、その現場を後押しする行政の姿勢もまた、この村ならではの力です。


「地域に深く寄り添う働き方」を望む方にとって、

地方の医療・保健に携わることは確かな選択肢です。


白川村では、行政保健師の業務を日帰り体験できるインターン制度 を設けています。

  • どんな働き方なのか
  • 村の暮らしは自分に合うのか
  • 地域保健にはどんな学びがあるのか

短期間でも現場に触れることで、働くイメージが自然と芽生えます。


白川村の“暮らしの温度”や、住民と向き合う地域保健のやりがいを、ぜひ現地で確かめてみてください。


この発信が、「働き方」「暮らし方」「地域との関わり方」を考えるきっかけになれば幸いです。



髙島さん(左)・奥野さん(右)


■白川村の地域保健について、もっと知りたい方へ

もし少しでも「自分も地域に寄り添う働き方をしてみたい」と思った方は、まずは オンライン説明会やインターンシップ に参加してみませんか。


オンライン説明会では白川村の行政保健師の仕事、村での暮らし、支援体制などを、担当職員が丁寧にお話します。


ー保健師のお仕事説明会(オンライン)ー

 ✔ 参加無料

 ✔ 全国どこからでも参加OK

 ✔ 少人数で質問しやすい雰囲気です


👇説明会の詳細・お申し込み

  白川村役場公式HP 「説明会案内」

  2025年は12/6(土)・11日(木)に実施予定です。



ーインターンシップ・採用情報ー

  白川村役場公式HP 職員採用ページ

   令和8年4月採用の追加募集中ー応募12/20〆切

  白川村役場公式HP インターンシップぺージ

   令和7年度保健師インターンシップ(日帰り職場体験)ご案内中

   

(参照サイト)パブリックコネクト 岐阜県白川村ぺージ


 (ご案内)

 説明会・インターンシップ・採用の情報は2025年11月28日現在のものです。

情報は随時更新されます。




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