「女性が自分らしく、晴れやかに生きる社会をつくる。」


こんなビジョンを掲げる株式会社ウィルミナ(本社:東京都新宿区、代表取締役:幸村潮菜、以下ウィルミナ)ですが、大手総合商社を起源とするがゆえに、かつては“男性中心の商社気質”が根づいていた時代がありました。


取り扱う商材は化粧品が中心であり、女性が従業員の約7割を占めるにもかかわらず、役職者はほぼ全員男性――。そんな矛盾した状況を経て、私たちは組織のあり方そのものを見直し、企業文化のアップデートに踏み出しました。その結果、女性リーダーが次々と誕生。全社で女性活躍の後押しをしただけでなく、ジェンダーにとらわれず、誰もがキャリアを描ける現在の風土へとつながりました。


今回は、ウィルミナの企業文化アップデートの過程を、男性もジェンダーによる思い込みから解放されることを促す「国際男性デー」(11月19日)によせて、取締役・稲毛豊の視点とともに紹介します。



株式会社ウィルミナ

取締役 稲毛豊 



女性活躍を推進して気づいたこと。「男性もまた、ジェンダーの期待に縛られている」


ウィルミナが全国1,000名の40~50代の男性会社員を対象に行った調査*では、約7割の人が、勤務する会社について「男性だから」の企業風土を感じていることが明らかになりました。そして3割の男性が、いまだに生活や仕事の場面で「男らしさ」の呪縛や社会的プレッシャーを感じたことがあると回答しています。


「男だから体力があると思われて、残業時に他の女性社員の分の仕事まで頼まれる」(40歳)

「男の方が仕事を頑張ってやると思われる」(45歳)

「仕事を遅くまでやらされるのはなんとなく男性になる」(48歳)

「女性よりも仕事が出来なければいけない」(51歳)

「育休の取りづらさを感じた」(41歳)




こうしたアンケート結果を受けて、「実は私自身もそのひとりでした」と稲毛は語ります。


「学生時代には、ジェンダーによる役割を特別意識したことはありませんでした。ところが、社会に出た瞬間に、『男はこうあるべき』という固定概念が、組織のあちこちに存在することに気づいたんです。父が海外赴任で不在がちという環境で育ったので、『男はこうあるべき』という価値観をあまり持たずに成長してきたつもりでいたけれど、知らず知らずのうちにその思い込みの中にいたのです。例えば、『男性が会社を回すもの』などというように」(稲毛)


そしてキャリアを重ねるうちに、「役職が上がる=偉くなる」という評価軸にとらわれるようになっていったとか。営業企画の業務などを経て、2021年3月に経営戦略室室長に昇進したものの、男性中心の考え方では、会社の成長に貢献し続けることに限界があると感じはじめたと言います。


「役職が上がるほど、組織を管理することが目的化し、周囲の期待とプレッシャーに押しつぶされそうになっていたのです」(稲毛)


そんなとき、2021年9月、事業成長・組織変革:IR(情報発信)の3つのミッションを担い、現代表の幸村潮菜が経営戦略室管掌役員として入社。「ジェンダーを超えて役職とグレードの分離が必要」という考え方、「評価の仕方は能力だけではない」など多様的な見方をするロールモデルに出会います。


「新しい視点に触れ、仕事やキャリアの捉え方が大きく変わりました。会社だけを生きる場所にしてしまうと、同じように『会社のために自己犠牲を払う人』を高く評価してしまいます。それこそが、『男性はこうあるべき』という固定概念を再生産し続ける構造なんです」(稲毛)


そして今、「ジェンダーバイアスを取り除くことは中小企業の成長につながる」と断言します。




ジェンダーバイアスを取り払うと、ほぼ男性だった管理職が女性比率50%超に


ウィルミナは、1984年、ニチメン株式会社(現双日株式会社)の化学部門として開始した化粧品事業を起源に、長年にわたり商社の子会社として堅実に成長を続けていました。ところが、2016年に双日グループからスピンアウト。ファンドが株主となり、企業価値をみずからの力で高めていく必要に迫られることになります。


2021年9月には「組織変革」のミッションを課せられ、現代表の幸村潮菜が入社すると、彼女の強力なリーダーシップのもと、企業文化のアップデートが始まります。


(写真)株式会社ウィルミナ 代表取締役社長・幸村潮菜。ウィルミナは、東京都の「東京女性未来フォーラム2025共同宣言」企業でもあります。



「中小企業が抱える大きな課題は、若手の採用や人材確保。女性活躍というと“女性だけのため”と思われがちですが、そうではなくて、ジェンダーバイアスを取り除くことこそが、中小企業の経営課題を解決する大きな手段だと実感しています。遠回りなようで、すごい近道なんじゃないか。今、歴史のある中小企業が成長で悩んでいるとしたら、それは男性の問題なのかもしれません」(稲毛)


ウィルミナは、時々で変化はあるものの、概ね80~100名の従業員数という規模の中小企業です。そして、現在は従業員の女性比率75.4%、女性管理職比率53.8%(2025年7月時点)ですが、2022年2月に幸村が就任する以前は役職者がほぼ全員男性という状況でした。


(写真)旧社名時代の様子。左上から時計まわりに、エントランス、管理職席が設置されている島型レイアウトの執務スペース、社長室。



「2008年に私が入社したとき、『なぜ化粧品の会社で、これだけ女性が多いのに男性優位体制なんだろう』と違和感を感じたことは覚えています。会社は男性が回すもの、という思い込みが強い組織でしたね。男性は、方針やルールばかりを作ろうとする傾向があります。エモーショナルなこと、コミュニケーションなどは二の次。自社製品のターゲットである女性の深い内側にある思いや悩みをクリエイティブしていく、なんていう世界とはほど遠い組織構造だったと思います」(稲毛)


経営や意思決定層が男性に偏っていたことで、KPIばかりが議論され、顧客視点の欠如が顕著になり、企業成長の阻害要因になっていたとも指摘します。


「例えば、当時はメイクブランドを3つ展開していたけれど、利益率が悪いからという理由だけで1つのブランドに統合してしまったり。結果、競合にそのカテゴリーでの優位性を奪われるということがありました。『メイクの捨て色なんていらないよね。1色バリエーションを増やすなら1色は下げてね』みたいな。経営論としては必要なのかもしれないけど、マーケティングとしてはナンセンスなことをやっているチグハグ感がありました」(稲毛)



評価制度を能力主義の視点で刷新。起こった変化とは


企業文化のアップデートには社員の意識改革がまず必要。そのため、2022年1月に事務所を移転し、オフィスレイアウトもコミュニケーションがとりやすい設計に変更。2022年9月には、ついに社名をウィルミナに変更し、その後、ビジョン・ミッションの再定義に伴い、行動指針も策定しました。


(写真)ウィルミナの行動指針と現在のオフィス


2023年9月には、ジェンダー・勤続年数・役職・年齢にとらわれない新評価制度の運用が開始されました。以前は、社員のグレードと給与がイコールで、グレードには上限があったため、役職者にならないと給与があがっていかない仕組みでした。そして現在は、能力と役職者であることは切り離してもいいものであるという発想に立った仕組みです。


「以前は、役職者になること自体が給料アップの手段であって、それが当たり前。『男たるもの給料アップのために役職者にならなくては』という前提でした。上司に気に入られれば昇進のレールが引かれるとか、なんていうのかな、こう…仕事ができることで役職に上がれるわけじゃなくて、ステークホルダーの人間関係をうまくそつなくこなしておけば、その後の道は安泰だというような雰囲気」(稲毛)


今でこそ古い風習と言われる“飲みニケーション”や“ゴルフケーション”のようなものが重要視される時代だったと言います。


「なぜ役職者であるべきなのか、なぜ役職者になれているのか、という本質的な価値が後回しになっていたという感じがします。そうすると、結局、役職者は上ばかりを見ていて現場を知らない、なんてことにもつながってしまいますよね」(稲毛)


そして、役職とグレードを切り離したことにより、大きな変化が生まれます。


「制度を変えたことで、『なぜあなたに役職者の価値があるんですか?』ということが明確に問われるようになりました。部下の育成であったり、会社の風土づくりであったり、役職者としての役割を果たしていないとポジションにいることができない、評価が下がるということが起こり、組織の新陳代謝が進みました。バイアスみたいなものが弊害になっていて、アシスタントの中にも優秀な女性社員はいたけれど、その人たちのキャリアアップの道をこれまで絶ってしまっていたという本当に申し訳ない気づきもありました」(稲毛)


ジェンダーバイアスこそ企業成長の阻害要因。解消することで、社員の主体性と成長を実現


企業成長の阻害要因になっていた、ジェンダーバイアス。ウィルミナになって3年、新しい評価制度が運用されて2年。以前に感じていた「チグハグ感」は果たして変わったのでしょうか。


「まだ過渡期ではあるけれど、経営論では語り切れない、展開するブランドの厚みだったり、余裕みたいなところは築けてきていると思います。権限移譲が進み、それぞれの事業、商品開発の中で“あるべき”と思うものはやってみようよ、と。例えば、『利益率が低い商品があるんだったら、そのブランドトータルの利益率で補填すればいいよね』といった現場視点の発想になってきています」(稲毛)



(写真)2018年3月に誕生したメイクブランド「メイクプロポーション」。

代表アイテムの落ちにくい口紅をもとに2023年10月に発売したミニシリーズは、

発売後12か月の販売数実績が初年度比約180%になりました。



社員の主体性が芽生えたことにより、上下関係の中で物事が決まっていた古い風習がなくなってきたとも感じているそう。


「良かったと思っていることは、商品開発やクリエイティブに関する会議で、私がちょっと意見しようものなら『ターゲットではないから、ご意見はありがたいですが大丈夫です』『なんならこっちでやっておきますから』みたいな(笑)。みんなすごく生き生きしているし、本当に頼もしい。こんな雰囲気は前にはなかった。それをどう捉えるかというのはありますけど、いったんこれぐらいまで振り切らないと、フラットで風通しのいい組織にはならないだろうなと思っています」(稲毛)


ジェンダーという枠組みによって働き方や生き方が決められるのではなく、個々人の意思と能力が尊重される――。そのような未来を、ウィルミナはこれからも企業文化のアップデートを通じて実現していきます。


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*「ジェンダー平等に関する調査」調査時期:2025年11月、回答者数:1000名、対象条件:40代~50代の男性、調査手法:インターネットアンケート、ウィルミナ調べ(クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査)

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ウィルミナのオウンドメディア「ジャーナル」では、男性社員の育児・家事参画についての座談会も発信しています。https://willumina.co.jp/journal/20250728/



企業文化のアップデートがもたらしたキャリアの変革について、現在管理職として活躍する女性社員が語るSTORYはこちら:

「女性だから」の思い込みを壊したら、女性リーダーが育った──旧来型企業文化をアップデートしたウィルミナの事例



【会社概要】

会 社 名 : 株式会社ウィルミナ

所 在 地 : 本社- 東京都新宿区新小川町 4-1 KDX飯田橋スクエア 3階

代 表 者 : 代表取締役 幸村 潮菜

事業内容 : 生協向け企画・開発事業、生協向け卸事業、ブランド事業、OEM事業

URL : https://www.willumina.co.jp/


【ブランドサイト】

かがやくコスメ:https://kagayaku-cosmetics.com/

Ibiza Beauty :https://ibizabeauty.net/

大人肌研究所 :https://otohadalabo.jp/


【ウィルミナのOEMサービス】

40年にわたる化粧品開発の歴史に裏打ちされたノウハウの蓄積と、幅広いパートナー企業との深いコネクションから、マーケティング~企画・製造・販売戦略までを一気通貫で行い、スピーディかつ最適な商品提案で、お客様のご要望を最大限に実現します。

お問い合わせはこちら:wm_oem@willumina.co.jp


【ウィルミナ モニター募集】

ウィルミナでは新しい化粧品やサービスづくりにご参加いただける、〈モニター会員〉を募集中です。アンケート回答や座談会への参加を通じて、 商品づくりに欠かせない『リアルな声』をぜひお聞かせください。様々なプログラムをご用意しており、楽しみながら商品づくりの舞台裏に関われる特別な機会です。ウィルミナモニターに登録して、 『開発チームの一員』として一緒に新しい価値をつくりませんか?

詳しくはこちら:https://www.kagayaku-cosmetics.com/lp/monitor/


【問い合わせ先】

広報担当者

e-mailアドレス: wmpr@willumina.co.jp















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