コロナ禍を経て3年ぶりに開催された夏フェス「SPACESHOWER SWEET LOVE SHOWER」。そのフェスの創設者である、スペースシャワーのプロデューサー・石田美佐緒さんに密着しました。
富士山が目の前に見える山中湖の湖畔で、3日間で54組のアーティストが出演するフェスには、今年6万人以上の観客が訪れました。
このイベントは、元々日比谷野外音楽堂で1日だけ開催されていたものでしたが、2007年に石田さんが山中湖畔の会場へ移設したといいます。
現在はアーティストのプロデュース事業を担当しており、フェスのトップは後輩に引き継ぎました。
番組では、新体制となり初めての開催となったフェスの舞台裏で奮闘する、石田さんの姿に迫りました。
スペースシャワーのプロデューサー・石田美佐緒さんの“セブンルール”とは?
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ルール①:全出演者のライブを観る
石田さんは、フェスではアーティスト対応などをしており、1組目の挨拶を終えると、すぐさま次のアーティストのステージへ。
アーティストの対応をしながら、計3つのステージを1日中走り回り、客席に立ち続けました。
「全アーティストのステージを観る」というルールについて、「アーティストへの感謝の気持ちと、私にとっては当たり前の礼儀」と語りました。
スタジオでは、石田さんと交流のある尾崎世界観さんが、事前に『セブンルール』に出演すると聞いていたと紹介。不安そうだった石田さんに「任せてくださいよ」と答えたものの、「VTRを見たら、(アーティスト)みんなと抱き合ったりしてて、俺の出演シーンが1番少なかった」とぼやき節。
YOUさんは「(石田さんについて)レキシさんは『お母さんだ』って言ってたもんね」と振り返ると、尾崎さんは「いいじゃん、俺が別に(石田さんのために)何か言わなくたって」と拗ねて笑わせました。
ルール②:3年先までの活動プランを作る
週に1回開かれるのが、音源リリースの方向性やプロモーション展開について話し合い、石田さんが最終的な承認を行う「リリース承認会議」。この日の会議では、STUTSさんのアルバムリリースについての話題に。
戦略を考える上で、今年から全社を挙げて取り組んでいることが、これから3年間のアーティスト活動を中心にプランニングする「中期経営計画」というもの。
アーティストと一緒に先の目標を共有しながら、活動をサポートし、プロデュースしていきます。
ルール③:ライブは地方公演も観に行く
石田さんは、平均週2、3日、多いときは毎日ライブに行くこともあるそうで、東京だけでなく地方の公演にも足を運びます。
そうすることで、その土地でのアーティストへの熱量がお客さんの反応で分かったり、ライブ後に東京公演よりもゆっくりアーティストと話ができるといった利点があるそうです。
ルール④:相手との距離はお酒で縮める
石田さんの密着中、Tempalayが「毎回、ライブの度にお酒を差し入れしてくれるんですよ」、マキシマム ザ ホルモンのナヲさんからは「フジロックで初めて会ったときに、お酒を持って『飲む?』とか言ってきて。一気に心の扉がバーンと開いた」との証言が。
石田さんは「本音が聞けたりする」ために、お酒をコミュニケーションツールの1つとしています。
しかし、尾崎さんが「石田さんと飲むと、毎回次の日潰れるんですよ。夕方までダメになるんで、石田さんと飲むときはスケジュールを1日じゃなくて、1.5日で考えて死ぬ気で挑んでます」と明かすと、石田さんは「申し訳ない」と失笑しました。
ルール⑤:すべての生活エリアにスピーカーを置く
石田さんの自宅には、至るところに季節の花や植物が。
さらに、リビング、キッチン、寝室、洗面所、浴室、ベランダと、すべての生活エリアにスピーカーを設置。
保持している約2000枚のCD、レコードや、音楽のサブスク配信から、その日の気分に合わせて、さまざまな場所で音楽を楽しんでいるそうです。
ルール⑥:スタッフにはダメ出ししない
「SWEET LOVE SHOWER」で会場の装飾を務めるのは、石田さんとは30年来の友人だという、キャンドル・ジュンさん。
ジュンさんは、昔の石田さんについて「イケイケで怖かった」と明かすも、「最近はブチギレないで指摘している」と語りました。
石田さんは「悪いところを指摘することは、自分の中で封印しようと思っている」そうで、最近彼女と一緒に仕事をしているスタッフからは「怒られたことはないですね。改善点とか、導いてくれる発言が多い」、「優しい人」といった声が上がりました。
ルール⑦:ストーリーを紡ぎ続ける
「SWEET LOVE SHOWER」の初日にトリを飾ったのは、売れない時代から石田さんと苦楽を共にしてきた、THE ORAL CIGARETTES。
彼らは、2013年にオープニングアクトとして初めてこのフェスに出演。2015年にボーカルの山中拓也さんが声帯ポリープの摘出手術のため、ライブ活動を休止することを発表したのもこの場所であり、「SWEET LOVE SHOWER」と共に歴史を重ねてきました。
そんなTHE ORAL CIGARETTESが、この日最後に演奏したのは、活動休止前最後のステージで披露した曲でした。
石田さんは、客席で目頭を熱くし「私にとってプロデュースという仕事は、ストーリーを紡いでいく、つないでいくことだなと思って。最初から計算されたことではなくて、アーティストと一緒に目標やストーリーを作って、一緒に頑張っていく。それがアーティストやスタッフの成長につながれば本望です」と語りました。
スタジオでは、本谷有希子さんがイベントのプロデューサーとアーティストの距離感について、「(距離感が近いと)すごく相談もされるんじゃないかな」と想像すると、尾崎さんは「なんでみんなはハグしたりしてるのに、俺だけ距離があるんだろう」とここでも疑問を。
本谷さんから「(VTRに)出てきた中で、1番関係薄いんじゃない?」と指摘されると、尾崎さんは「アーティストさんに合わせた関係性があるんでしょうね」と自身を納得させようと(?)していました。
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