『競争の番人』第6話完全版

白熊楓(杏)は、桃園千代子(小池栄子)の聴取を見学。見事な聴取に感心する白熊に桃園は、小勝負勉(坂口健太郎)は教えてくれないのかと聞く。教わったことは何もないと答える白熊。

<ドラマ『競争の番人』これまでのあらすじ完全版>

2人が第六審査(通称ダイロク)に戻ると、小勝負は風見慎一(大倉孝二)、六角洸介(加藤清史郎)と押収した証拠品を身につけて遊んでいるように見える。着てみたらいろいろわかるかもしれないと言う小勝負。

そんな時、新たな調査案件が舞い込んだ。

今回の案件は大手呉服店「赤羽屋」による私的独占。事業者が他の事業者の参入を妨害、排除するなどして市場の競争を制限する行為だ。

妨害を図っているのは赤羽屋の社長、赤羽千尋(真飛聖)で、情報を提供したのは呉服店「ファイブシーズン」の社長、井出香澄(萩原みのり)。

メンバーに説明する風見はいつも以上にピリピリしている。本庄聡子審査長(寺島しのぶ)が出張のため、留守を任されていたからだ。

小勝負と白熊は千尋の着付け教室へ。千尋は客には温和だが、従業員には厳しい態度で臨んでいる。

次に2人は香澄から話を聞く。香澄はかつては赤羽屋で千尋のもとで働いていたが、厳しさについていけずに退職。経営コンサルタントの栗田保(篠原悠伸)に相談してファイブシーズンを立ち上げ、直接織元と契約を結び上質な着物を安く手に入れる新しい経営を始めた。

だが、最近、職人が次々と契約を切るように。香澄は、千尋が圧力をかけたのだろうと疑っていた。

小勝負たちから話を聞いた桃園は、千尋から事情聴取しようと言いだす。桃園と千尋は過去に因縁が。桃園は7年前に私的独占で千尋を調査したが、立証できなかったのだ。

桃園による千尋の聴取が開始。桃園が「着物職人を無理やり引き抜いただろう」と聞くと、千尋を公取に告発したのが香澄だとわかってしまう。それでも、千尋は私的独占については認めない。

さらに、7年前に桃園から「競争のない世界は必ず滅びる」と言われたことを持ち出し、終わるどころか店は繁盛していると切り返されてしまった。

白熊は、香澄に現状では千尋を罰することはできないと説明に行く。すると香澄は、呉服店の1軒が新たに店をただんだことを話し、千尋の関与を疑っていた。

店を出た白熊は、桃園と会う。桃園は7年前も自分が立証できなかったせいで何軒もの呉服店が廃業したことを明かし、「悲劇は繰り返したくない」と言う。桃園は以前「一つの案件に肩入れするな」と話していたが、白熊は「肩入れしても良いのではないか」と告げた。

苦しんでいる人たちを公取なら救えると話す白熊に、励まされた桃園。そんな時、白熊は小勝負に呼び出される。

小勝負が白熊を呼び出したのは「赤羽屋」。なぜか着付けをされる白熊のかたわらで、小勝負は着付け係に話をさせる。

着付け係の話では、千尋は香澄に誰よりも目をかけていたが、最悪の喧嘩別れになったということだった。そこに千尋が白熊の着付けを早く済ますように促しに来る。白熊は数が足らない着付けモデルにされていたのだ。

白熊が小勝負に文句を言う。だが、小勝負は千尋が認めたという店内の防犯カメラ映像に釘付け。そこには、千尋が中年男性に怪しげな封筒を渡す姿が映っている。着付け係は、中年男は千尋が懇意にしている呉服問屋の社長だと小勝負たちに教えた。

ダイロクでは桃園が風見に赤羽屋への立入検査実施を求める。探せばボロが出ると言う桃園に、小勝負はなぜか「やめたほうがいい」と反対する。

それでも「立証してみせる」という桃園に押され、風見は委員会に諮(はか)り、立入検査の許可を取った。だが、小勝負は留置した甲冑などを返しに行く、と出ていってしまう。

仕方なく、風見は小勝負不在で赤羽屋の立入検査を実施。千尋は落ち着いていて、何も出なかったら桃園に責任を取るよう求めた。

大量の留置物を持ち帰るが、証拠となるものは何も出ない。そこに小勝負がやって来た。呑気に委員会への報告は「何も出なかった、でいい」と言う小勝負に、風見は焦り気味。ついに桃園も赤羽屋に私的独占の疑いはないと認める。

すると、小勝負は香澄の申し出が嘘だったらと言いだした。小勝負は、香澄が千尋の圧力を疑った廃業した呉服店に話を聞きに行ったと話す。だが、その呉服店は赤羽屋の圧力を否定し、「時代の変化についていけなかっただけ」と答えていた。

そして、小勝負は今回の件で一番得をしたのは香澄のファイブシーズンではないかと白熊たちに問う。小勝負は最初に赤羽屋とファイブシーズンに行った時、売っている反物の素材に疑いを持っていた。

六角が着物の素材を調べると赤羽屋と同じ柄だが、ファイブシーズンでは安く販売されていた絹の反物は、半分以上が合成繊維だと判明する。

小勝負と白熊は、香澄に任意の聴取を求めるが拒否される。

だが、六角からファイブシーズンが職人たちへの代金未払いなどで次々に契約を打ち切られていると連絡が入った。折りしも、卒業式シーズンで大量の注文を受けていたファイブシーズンは窮地に陥ってしまう。

その噂は赤羽屋の千尋にも伝わった。そこに桃園が現れ、千尋に詫びる。すると、千尋は自分との約束を覚えているかと尋ねる。桃園は覚悟を決めるが…。

小勝負と白熊は再び香澄に聴取を求めに行く。だが、窮地の香澄にそんな余裕はなく、営業妨害とまで言いだす。

そんな香澄を現れた千尋が一喝。千尋は自分の店のスタッフや着物をトラックで運んできていた。ここは自分に任せろと言う千尋に言われ、香澄は聴取に向かう。

小勝負と白熊の聴取に、香澄は赤羽屋への営業妨害を認める。

すると、小勝負は以前、香澄が話していた千尋に引き抜かれたという着物職人は、質の悪い反物を一流品だと偽って販売していたと話す。千尋は香澄を陥れるのではなく、粗悪品を市場に出さないためにしたのだ。もちろん、千尋はすぐにその職人との関係を断つ。

また、防犯カメラに映った千尋が呉服店の社長に渡した怪しい封筒の中身は、着物の写真だった。職人が自分たちに作った反物がどう生まれ変わったかを伝えるためで、その際、千尋が社長に頭を下げていたのは香澄を引き立てて欲しいと頼んでいたのだった。

小勝負は、千尋が他の問屋や職人にも香澄を頼むと頭を下げて回っていたと言う。白熊は、この日もファイブシーズンを助けに来たのは千尋の提案だったと香澄に話す。

桃園との約束を、千尋は香澄の窮地に活用したのだ。すべては、千尋が香澄を守るためだった。

なぜ、そこまで自分のためにと戸惑う香澄に、小勝負は千尋の弟子だからだと諭した。

ファイブシーズンでは、すべての客の対応を無事に終えた。

千尋は7年前に自分を戒めてくれたと桃園に礼を言う。その頃は、現在の香澄と同じように、千尋は自分が上り詰めることだけを考えていたのだ。

桃園に言われた通り、「気づいたら着物業界が脆弱になっていた」と千尋は言う。続けて、いつか香澄のような活きの良い競争相手と復活させるので、見守っていてほしいと桃園に話した。

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